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第47話 貴方のファンだったんですの!

 

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 オタクの妄想、そう蔑む事勿れ。

 茶菓子を乗せたツリーを卓上に置き、「はむはむ」と可愛らしく貪る小動物のような彼女を俺はその反対から見つめた。


「レイ様ももっと食べてくださいな」

「あ、あぁ……そうするよ」


 艶やかな黄金の長髪。初雪の如く真っ白な素肌。舞い落ちる桜のような儚くて脆い細くてしなやかな四肢。吸い込まれると思わず錯覚する強い魅力に俺はただ酔いしれた。


「どうかされまして?」

「いや、なんでもない」

「あー、何か隠しましたわね。言ってください」


 ぷくっと頬を膨らませて、不機嫌をアピールする彼女に根負けして、俺は仕方なく口にする。


「お菓子を食べる姿が可愛らしくて、つい見蕩れていたところだったんだよ」

「ま、まぁ〜……お恥ずかしい限りです」


 ドコッ。

 俺の足が鋭く蹴られた。


「いたっ」


 見るとその横に座っていたシンシアが俺の足を蹴り飛ばしていた。それだけじゃない、もう片側、円形テーブルに座る美少女の最後の一人、ルナからも別の足を踏まれた。


「今日はわたくしのお茶会に参加して頂き感謝してもしきれません。存分に楽しんでいってくださいな」


 まるで太陽のようなほわほわとした柔和な笑みを浮かべながら、()()()()()()()()であるアルマリアはさらに菓子を突き出す。


 さて、どうしてこんな擬似ハーレム展開を形成するに至ったか。その成り行きは至極簡単な物だった。



『貴方のファンだったんですの!』



 そう言われたのが僅か三十分前。

 シンシアが無事に『呪い』を解き、俺も幾分か体力が戻ってきた頃、シンシアを心配して病院を訪れたアルマリアと偶然出会したのが事の発端である。


「シンシアちゃんの護衛であるイレイスさんから貴方の事を伺って以来、身を焦がす思いで相見える事を望んでおりました。それがまさか、こんな形で出会える事になろうとはっ」


 感涙に咽ぶアルマリアを俺は背中を撫でて介抱する。いくら俺でもアルマリアが高貴な身分である事は分かったし、そう気軽に話していいものでは無いと心得ていた。


「アルマリア様。どうか落ち着いてください。シンシアは無事ですし、俺も逃げたりしませんから」


「そ、そうなんですのっ!? では、わたくしとお話をして頂けるかしら! そう……えっとお茶会。今から三十分後、王宮の庭園でお茶会の準備をして待っています!」


 早朝のドッキリ特番よりも急展開過ぎて脳の処理が追いついていない。だが冷静な部分な俺はというと。


「(えっ……王族の頼みを無下にしたら最悪死刑じゃね!? 俺たった数手で詰んだんだけど……)」


 しかし、無論それを見逃すシンシアとルナではなく。


「「私も行きます」行くわ」


 と食い気味に参加を表明し。

 かくて、このお茶会は四人にて開催されたのだ。


 周りには護衛の騎士(背後にはイレイス)もいて、どうにも落ち着かない。失言一つで首が飛びかねない状況に俺は背中にびっしりと汗を滲ませていた。


 なのに彼女は呑気に「非公式のお茶会ですからどうかわたくしにはタメ口で。王族命令ですからね」と言い厳命が下った。


「それにしても凄いですわよね。第一階層をたった一日で突破したと思ったら、一週間で二階層突破。更には誰も解けないとされていた『呪い』を見事打ち消してみせた。まるでわたくしには貴方が英雄のように映って仕方ありません」


「へ、二階層突破……?」


「相変わらず耳が早い事で」


 ガタッと机を揺らすシンシア。

 さすがにシンシアは知らなかったか。


 アルマリアの好感度がぐんぐんと伸びていく。


 0→13


 ───『精霊眼』を獲得しました。

 ───『スキル譲渡』を獲得しました。


 さすが王族。特異なスキルだな。

 ステータスを確認してみたい気持ちもあるが、相手は王族、プライバシーを易々と覗ける程俺は肝が据わっていない。


「……っと」


 やばい。右目が徐々に熱くなってきた。

 なんだ、何が起きている……!?


「レイ様、どうされました……!?」


 その瞬間、ふっとアルマリアの右目が蒼から翠へとその色を変えた。純度の高いエメラルドの結晶の如き双眸が俺の内部まで透視するかのように煌めきを増す。


「レイ様、()()()()()()()()()()()()()()!?」


 俺はユニークスキル【魅力支配(ヴィーナス)】は、獲得条件を完全に無視し、好感度に応じて相手のスキルを獲得出来るという物。


 今回のこれは、恐らくアルマリアが俺に向けた好意の影響。その中でもかなり高位のスキルを獲得してしまったようだ。目が焼けるように熱く、瞼の裏で光が何度も明滅する。


 白く光ったり、黄色に弾けたり。

 数分が経つと、痛みは徐々に引いて行った。


「い、今のは……」

「レイ様、その目」


 目?

 俺は右手に手を被せると。


「お揃いですわっ!! 素敵です!」


 テーブルから身を乗り出して、抱きついてきた。周囲の騎士達がガバッと腰の剣に手を当てる。


 完全に不可抗力だろ。



「精霊眼。それをわたくしの目の前で発現なさるとは。やはりレイ様は素敵ですっ……」

「あー、ありがとう。で、これはなんなんだ?」


「精霊を見る目。文字通りの意味ですわ。わたくしの周りに小さな糸のような光がふわふわと飛んでいるのが見えますか?」


 言われてみれば確かに。


「これが下位精霊。姿形を持たない者達。どうやらわたくしは生まれつき精霊に好かれやすい体質らしくて」


 手を少しあげ、脇の下やお腹周りを見るアルマリアの周りには確かに無数の精霊が寄り集まっていた。


「レイ様は……不思議ですわね。特に左目、『精霊眼』とは逆の方に精霊が集まっておりますわ。それも赤やオレンジ、桃色といった感情を司る精霊がたくさん」


 それ程はっきりと視認できるのか。左目と言うと、第二階層で女に使った【魅力支配(ヴィーナス)】による強制発情の力の事を思い出した。アルマリアはそんな【魅力支配(ヴィーナス)】をこの世界で初めて、視覚的に捉えたのだ。


「ふふっ、レイ様とお話をしているとやはり飽きないですわね」


 過大評価を続けるお姫様とのお茶会はまだまだ続く。


【ステータス】

 名前:レイ レベル:15

 HP360/360 MP220/220

 称号:【植物の探求者】

 ギルド:《北極星(セプテントリオ)

 ユニークスキル:【魅力支配(ヴィーナス)】【勇猛果敢(メメントモリ)

 EXスキル:《鑑識眼》C《演算領域》E《二刀流》E《気配遮断》F《処世術》D《全属性耐性》F

 スキル:『言語理解』C『料理』F『剣術』G『体術』F『槍術』G『火魔法』F『光魔法』G『土魔法』G『蓄積』F『瞑想』G『詠唱』G『紅魔』G『連携』G『受け流し』G『先見』G『暗視』G『慧眼』G『根性』G『精霊眼』G『スキル譲渡』G

 所持SP:25

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