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第46話 死の舞踏会。

 僕は影が好きだ。

 光が強ければ強い程、影もまた強くなる。


 どんな時もいつも一緒。

 僕の背中にぴったりと付いて離れない。


 僕以上に影を愛する者はいないだろうね。



 その少年は、愉快に笑いながら魔力を熾した。

 泥沼のような影の泉から魔物達が次々と現れる。


「シンシア・オルデン。奴が僕の傀儡となれば今度こそ世界を支配出来ると思ったけれど。あと少しのところで逃げられちゃったねぇ」


 ああ残念、とゲームに負けた子供のように地団駄を踏む。


「あの娘は僕のモノ。そうだよねぇ……ニル」


 ぬるり、と少年の後ろから黒いドレスを纏った少女が現れる。ニルは少年の周りを愉快に回りながら愛おしそうに少年を見つめた。


「何が言いたいのかな? 生憎とボクは忙しくてね」

「仮にも主従契約を結んだ仲だろう。もう少し僕に優しくしてくれても罰は当たらないと思うんだ」

「ふふふふ……それはキミの活躍次第、だよ」


 ふわ、ふわっと暗い洞窟の中を漂う。


「『屍霊体(ゾンビ)』に『骨霊体(スケルトン)』、それから『幽霊(レイス)』。これだけの駒が揃っているんだ。ニルが協力さえすれば、もっと面白く出来るなるはずさ」


 何度目かと分からない説得をその少女へと続けた。


「ボクはやる事をやった。それなのに、あの女を逃がしたのは誰だったかなぁ……」

「耳が痛い話だよ。まさか『転移石』を隠し持っているとは思わないじゃないか。だけど、次はそうはいかない。僕の準備は着々と進んでいる」


 冷えた地面をコンコンと叩く。

 いい順応の仕方だ、と少年は嗤った。


「僕は異世界転生を果たした主人公。僕こそがこの世界で最強の存在であり、僕の発言一つで街を一つ潰す事も、再生する事も出来る」


 バッと両手を広げ、少年は立ち上がった。

 大志を抱き、目をキラキラと輝かせ。


「僕はこの世界の神さッ!! 僕より強い存在でいない、いらないッ!! 残りの転生者を全員嬲り殺しにして……僕の願いをかなえて見せる」


 アッハッハッハ~~~!!!

 少年の軽快な笑いが洞窟に響く。


「待っているよ……この階層の最奥でね!」


 愚かにも、反抗を試みる者達に。


「計画を最終段階へと移行する。ニル……頼めるね?」


 少年は、最後の命令を下した。


「はあ、仕方ない。こればかりは楽しそうだから」


 す~っとニルは移動して階層を登っていく。

 さあ、始めよう。楽しい楽しい、死の舞踏会(デスマーチ)をッ!!






※以下、完全に余談です。


第三章の展開に納得いかなさすぎて、かれこれ5万字以上書き直しました。(おかげでかなり面白くなったと思います)。努力の結晶たる第三章、良ければ是非読んでいってください。

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