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550.使徒三人

「結局メイとツバメが同じチームになっちゃったわね」


 落とし穴から続く道を進むことになったレンたち。

 こちらは踏み固められた土の足場が続いている。


「先へ進みましょう。のんびりしていたら置いていきますわよ、闇の使徒さんたち」

「ふん、こっちのセリフだ」

「二人とも私の背中から出て言いなさいよ」


『使徒同士のやり合い』にツッコミを入れつつ、レンは足を進める。


「ふふ。今なら邪魔なわたくしを片付けるのに、うってつけの状況ですわね」

「はいはい」


 闇の使徒勢に挟まれているという状況に、ニヤリと笑う白夜をあしらう。

 そんな中、見えたのはこちらにやってくるゾンビと魔犬たち。


「来るわ!」

「「ッ!!」」


 二人そろって、ビクッと身体を震わせる。


「リズはそっちの魔犬をお願い! 白夜はゾンビに集中して!」


 二人を苦手から離す形の分担で、戦闘に入る。


「【ライトニングスラスト】!」


 見るからに豪華な剣を持った騎士ゾンビを、白夜は飛行刺突で貫き一撃打倒。


「【エーテルジャベリン】!」


 すぐさま身体の左右に6本の光の槍を出現させる。

 ゾンビ戦士の振り降ろした【薪割り斬】をかわし、光槍を叩き込む。


「高速【フレアアロー】!」


 そこに飛び掛かってきたゾンビ剣士の【飛び掛かり斬り】は、レンが見事な援護で強制停止。


「助かりますわ!」

「【黒閃天衝】【暗夜剣】!」


 一方のリズは迫る狂犬たちを引き付けてから、突きあがる闇の刃でダメージを奪う。

 バランスを崩したところを、三日月形の斬撃で一網打尽。


「【フリーズストライク】!」


 新たに現れた盗賊型ゾンビに、一瞬身を震わせたリズ。

 しかしレンの放つ氷砲弾が直撃し、前衛二人の陣形を守った。

 リズが率先して魔犬の群れを引き付け、白夜がゾンビたちを片付ける。

 そしてその隙間を埋めるのはレン。

 三者の連携が、上手に敵をさばいていく。


「いけるわ! このまま片付けて先に進みたいところね!」


 こんな状況下でも、しっかりと戦いを安定させたレンは息をつく。しかし。

 ゆっくりと、遅い動きで戦場に入ってきたネクロマンサーゾンビ。

 両手を振り上げると、天井に現れた無数の魔法陣から大量のゾンビが落ちてきた。

 死体が死体を呼び出すという、おかしな状況。

 最悪だったのは、それがリズの目前だったということだ。


「ッ!?」


 硬直したリズの脇を抜け、魔犬が白夜目がけて走り出す。


「きゃあ!?」


 ついに悲鳴をあげた白夜。


「【ライトニングスラスト】!」


 突然目の前に獰猛な大型犬が現れて、慌てて天井に向けて特攻スキルを発動。

 突き刺さったレイピアにぶら下がる形で難を逃れる。


「ぬおおおおおお――――っ!!」


 一方リズは、いよいよ全力で暗夜剣を振り回し始めた。

 そして飛び掛かってきたゾンビから距離を取るために大きく下がったところで、罠を踏む。


「――ッ!?」


 小型魔法陣から噴きあがる炎が、眼前を焼く。

 とっさの防御でこれをやり過ごし、前を向いた瞬間。


「うおおおおっ!?」


 噴き出した炎の真後ろに迫っていたネクロマンサーゾンビと目が合って、慌てて逃げ出す。

 追って来るネクロマンサーゾンビと、前衛型ゾンビ。

 各所に張られていた魔法陣罠が、次々に炎を噴き上げる。


「リズ!」


 そんなリズの姿を見て、レンが加勢に向かう。


「お、置いていかないでくださりますー!?」


 さらにそれを見た白夜もレイピアを引き抜き着地、大慌てで走り出した。


「ちょ、ちょっと白夜! 敵を引き連れて来ないでよ!」


 レンの叫びも虚しく、敵を引きつれ駆けてくる白夜。

 こうなってしまってはもう、一人で立ち向かうのは難しい。

 次々に魔法陣罠を踏み抜き、炎の柱が上がる中を三人続くようにして走り続ける。


「どこかで一度、態勢を立て直せないかしら……っ」


 敵たちを引きつれ、洞穴のような道をひたすらに駆け回るレンたち。


「って、追手が増えてるんだけど!」


 その途中で見つけたモンスターたちも追ってくるため、数は増える一方だ。


「【フレアストライク】! もう一回【フレアストライク】! って、さっきここ通ったわ! もしかしてこの階層、出口が隠されてる!?」


 さらに別ルートから合流してくる敵の群れが見えて、さすがにリズと白夜が武器を構えた。


「「ッ!?」」


 なんとその先頭は、魔犬を従えたゾンビ従魔士。

 二人は仲良く全力逃走。


「待って! そっちは行き止まりのはずよ!」


 慌てて行き止まりに向かって走ってしまうリズと、うっかりその後を追ってしまう白夜。

 こうなってしまってはもう、今から二人を連れ戻すのは不可能だ。


「こうなったらやるしかないわね! 【設置魔法】【フリーズブラスト】!」


 仕方なく後を追い、たどり着いた行き止まりで壁を背に戦うことを決めた。

 普通に考えれば望み薄な状況だが、レンは【罠の心得】で二面張りした魔法陣で敵を待ち受ける。


「来たっ! 解放!」


 ギリギリまで引き付けた状態で放つ二連発の氷嵐で一気に敵を片付けるも、敵数はまだまだ大量。

 迫る勢いもすさまじい。

 どうやらここは『敵で埋めて殺す』タイプの罠マップのようだ。


「ここここい! 我が相手だ!」


 大剣をブンブン振り回すリズに、ちぎれ飛んで行くゾンビたち。

 そんな中に見えたのは、鎖付きのトゲ鉄球を抱えた大型ゾンビ兵。


「【エーテルジャベリン】!」


 駆けてくる魔犬が視界に入った白夜が的を外し、大型ゾンビ兵の【トゲ鉄球投げ】を止め損ねた。

 そのまま投じられる、鎖付きのトゲ鉄球。

 狙いはレンだ。


「レンさんっ!」


 これを白夜が飛び掛かりで身を挺してかわすと、鉄球が背後の壁に突き刺さり土煙を上げた。


「……うそ」


 しかし、その先に現れたのはなんと一本の隠し通路。


「ここを崩すのが正解なの!? 【フレアバースト】!」


 足止めマップ脱出の道を見つけたレンは『もうこの場が崩れても構わない』と判断し、爆炎で敵を焼く。

 そしてそのまま白夜とリズを連れ、続く道を駆け抜けた。


「隠し通路……予想通りですわね」

「ああ、予想通りだ」

「全然そうは見えなかったけど?」

「……大変なことになってしまって、申し訳なかったですわ」

「……助けられたな、ナイトメア」

「だ、だからって急に殊勝になられても恥ずかしいんだけど」


 結果としてはリズが道を間違え白夜が攻撃をミスしたことで、隠し通路を発見したということになる。

 そんなビビり散らかしコンビが反省する姿に思わず笑ってしまったレンは、続く道を進む。

 そして意外にもこの道は、迷宮の中でも『早いルート』なのだった。

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