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527/1492

527.悪霊を払いますっ!

「墓所の浄化までしていただき、ありがとうございますっ!」


 教会に戻ってきたメイたち。

 右手にはたき、左手に洗剤を抱えたシスターが歓喜と共に出迎えた。


「これで墓所に平和が戻りました」


 うれしそうにはたきをブンブンするシスター。


「おねえちゃんたちすごーい!」


 子供たちも目を輝かせている。

 するとそこに、一人の黒いコートを着た男が足を引きずるようにしてやって来た。


「大丈夫ですか!?」

「先の仕事でドジっちまってな……ケガはそのうち治るだろうが、悪魔祓いの方はしばらく無理そうだ」

「困りましたね………これから向かわないといけないお仕事があるのですが……」

「どうやらまだ、クエストは続くみたいね」

「この感じ、どこかにつながっていそうです」

「そういうことなら、その仕事も請け負うわよ」

「本当ですか!? 助かります! ゾンビたちを見事に浄化した皆さんならきっと……!」

「どんな仕事なんですかっ?」


 メイがたずねると、悪魔祓いが一歩前に出た。


「実は神殿騎士が一人悪霊に憑りつかれてしまってね……できることなら乗っ取られている本人は守って、悪魔だけを引き離して倒したいのだが……これがとても難しい」

「悪霊は私が祝福の力によって引き出すのですが、すぐに戻ってしまいます。そのうえ、憑りついた相手を自由に動かすこともできるのです。今回は元々とても強い方なので、もし厳しいようであれば……残念ですが……」


 乗っ取られた本人ごと倒すしかないと、悲しそうな顔で言うシスター。

 どうやらシスターが聖なる力で悪霊を引きずり出し、その隙に悪霊だけを叩くという変わった戦闘のようだ。

 そして魔法剣士は強者、悪霊もまた強モンスターといった感じなのだろう。

 実際その難易度は、高く設定されている。


「映画みたいなお仕事ですね」

「がんばろうね!」


 気合を入れるメイ。

 シスターに連れられてたどり着いたのは、神殿の一角。

 魔法陣の描かれた小型ホールの中心に、軽鎧を身にまとった魔法剣士が横たわっていた。


「シスター、よろしく頼む。いつ俺の中の悪霊が暴れ出すか……」

「はい。精一杯努めます」

「……騎士の武装は解除しないの? その方が安全だと思うけど」

「「…………」」

「剣だけでも取っておけば、戦いが楽になるんじゃない?」

「「…………」」

「まったく反応しない……乗っ取られ状態の騎士と戦えというクエスト側の強い意志を感じるわ」


 シスターはあくまで無言のまま魔法を発動。

 陣に聖なる輝きが灯る。


「ぐ、ぐあああ! ぐああああっ!」


 すると神殿騎士が苦しみ始めた。


「グアアアアアアア――――ッ!!」


 暴れる神殿騎士の身体から、飛び出す悪霊。

 それは黒い気体が、上半身だけの悪魔のような形状を取ったものだ。


「今ですっ!」

「おまかせくださいっ! 【フルスイング】! あれれっ!?」


 シスターの声にさっそくメイが攻撃を仕掛けるが、剣はすり抜けダメージも与えられない。


「【投擲】!」


 ツバメの投じた【ブレード】も、そのまますり抜けていく。


「魔法学校にいた幽霊と同じ感じのシステムかしらね【連続魔法】【誘導弾】【ファイアボルト】!」


 メイたちの攻撃には、回避動作すら見せなかった悪霊。

 レンの放った火炎弾を慌ててかわすが、四発目がかすめて若干のダメージを受けた。


「――――!」


 声にならない叫びと共に、放たれる反撃。

 集中線のような影が一気に足元に伸びてきて、ザン! と闇の刃が突きあがる。


「あっぶな!」


 範囲は広いが、足が影を踏んでいなければダメージを受けない仕様の攻撃。

 三人はきっちりかわし、悪霊を叩きにいく。


「高速【連続魔法】【誘導弾】【フリーズボルト】!」


 放たれる速い氷弾に、悪霊は慌てて逃げる。

 そのまま魔法剣士の中に入り込むと、剣を携え立ち上がった。


「やはりすぐに戻られてしまいますね! この方はアルティシアでも高名な魔法剣士です、気を付けてください!」

「【ブーストジャンプ】【フレイムザッパー】!」

「「ッ!?」」


 予想以上の威力の火炎薙ぎ払い斬りに、慌ててその場にしゃがみ込むメイとツバメ。


「【レイジングブレイズ】!」

「「ッ!!」」


 その場に剣を突き刺すようにすると、本人を中心に爆炎が吹き上がる。

 これを慌ててバックステップで回避したメイとツバメ。

 反撃に移りたいが、HPゲージは剣士のものだ。

 下手な一撃は、剣士を打倒することになってしまう。

 すると魔法剣士は、反撃できずにいるのをいいことに走り出した。


「【ソードピアス】!」

「やっぱりシスターも狙ってきたわね!」


 シスターにもHPゲージが出ていることに気づいていたレンは、自らのダメージを顧みずに飛び掛かる。

 そのままシスターを抱きかかえて地を転がり、刺突をかわしてみせた。


「マダマダァァァァ!」


 すぐさま追撃に向かう悪霊だが、続けざまの攻撃を許すほどこちらの前衛は甘くない。


「がおおおおおお――――っ!!」


 メイが【雄たけび】で動きを止める。すると。


「悪しき怨霊よ、その正体を表せ!」


 ここで再びシスターが【聖なる力】を展開。


「グアアアアアアア――――ッ!!」


 悪霊がその姿を現した。


「待ってたわ! 高速【誘導弾】【連続魔法】【フレアアロー】!」


 放たれるビームのような火炎矢は、弧を描いて悪霊を削る。


「――――!」


 すると悪霊は、黒い人魂のような攻撃を一斉に放出。


「ここは私が!」


 誘導のかかった黒の人魂は、目の前に飛び込んできたツバメを追う。


「【加速】……【リブースト】!」


 これを二段階の加速で引き付けてから置き去りにすると、そのまま霧散して消えていく。


「ありがとうツバメ! 【連続魔法】【ファイアボルト】!」


 こちらの反撃は四連発の炎弾。

 これをかわされたところで、メイに目配せを一つ。


「いーちゃん!」


 メイの肩から飛び出したいーちゃんが吹かせる突風で、悪霊の動きを止めた。


「【フレアストライク】!」


 その隙を狙って放つ炎砲弾。

 しかし上級魔法は発動速度がやや遅く、悪霊はこれをギリギリで回避した。

 そして反撃とばかりに、術者のレンに襲い掛かってくる。


「その選択はどうかしら?」


 笑うレン。

 かわされた炎砲弾の向かう先にいるのはメイ。

 その手には、【魔断の棍棒】が握られている。


「せぇぇぇぇのっ! それぇぇぇぇーっ!」


 打ち返された炎砲弾は、今まさにレンに食らいつこうとしていた悪霊を追いかけ直撃。

 爆発に吹き飛ばされ、悪霊はHPを3割ほど減らした。

 空中で一時的に散った悪霊は即座に『集合』すると、またしてもその狙いをシスターに。


「メイ、シスターは動かせる!?」

「動かせますっ!」


 メイ、シスターを後ろから持ち上げて位置をちょっと調整。

 悪霊の飛び掛かりを回避させたところで――。


「高速【誘導弾】【フレアアロー】!」


 しっかり狙いをつけて放った炎の矢が、さらに1割強ほどHPを削った。


「さあ戦い方も見えてきたし、このままサクッといかせてもらいましょうか!」


 そう言って杖を構え直すレン。

 悪霊は足元に影の集中線を広げ、闇の刃が突き上がったところを猛スピードで動き出す。


「この隙に魔法剣士に戻ろうって、そうはいかないわ!」


 先回りのツバメが【アクアエッジ】を構える。

 そしてシスターの方へ向けて飛ぶ悪霊に、飛び掛かったところで――。


「――――!!」

「ちょっと待って!? そのパターンもあるの!?」


 悪霊が消え、レンが悲鳴をあげた。


「身体が……動きません……っ」


 なんと悪霊の【憑りつき】スキルは、プレイヤーを乗っ取ることもできるようだ。

誤字脱字報告、ご感想ありがとうございます! 適用させていただきました!

実はあの亀、島を守るための戦いにだけ力を貸してくれたという形になっております!

返信はご感想欄にてっ!


お読みいただきありがとうございました!

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◆◆◆新作よろしくお願いいたしますっ!◆◆◆

【メシマズ大国の料理店~キッチン・みけの店ごと転移譚】~
― 新着の感想 ―
[一言] ちょくちょく職業が変わってるんですが 神殿騎士か魔法剣士か
[一言] レンごとやったりはしないよね流石に
[一言] 論理クイズですが、多数決で二人は0枚で良いと言う考え方はあってますよ、後は誰を0枚にするかですが、まず二人しかいない場合から考えると分かりやすいかな
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