Big Nature
しばらく空けたけど頑張って更新しました。
「チューチュー」
鼠の鳴き声が響くマンホールの地下。隅に張り巡らされた蜘蛛の巣を照らす寿命が尽きる寸前の電灯が更に不気味さを演出させる。そして俺が持つスマホのライトに映し出された宇宙人は更にその場に不気味さをもたらしていた。
「まじかよ……」
あまりの衝撃にそれしか言葉が出なかった。
ここまで必死に逃げた。駆けた。こんな時に子どもまで抱えてだ。だけど…それが仇になったわけだ。必死に抱えてきた子供が宇宙人だったなんてな。笑える。いや、笑えねえ。
「俺は…死ぬのか…?」
人間ごときが宇宙人に勝てるはずもない。完全に逃げ道を失った俺に待ち構えるのは……『死』だ。
いや、ダメだ。どうせ死ぬんだったら最後まで醜くも足掻いてやる……!!宇宙人がなんだ!もしかしたらワンチャン勝てるかもしれない……!
サッキカラナニヲヒトリデカンガエテルンダ
「!?」
ボクハキミヲコロシタリナンカシナイ。カリニモボクヲタスケテクレタンダ。アンシンシロ。
まさか、考えてることまで分かるとは……驚いた。
「そ、そうか。色々い聞きたいことはあるがとりあえずその脳内に語りかけるのやめてくれないか?どうも気持ち悪いからさ、普通に喋れないの?」
俺のそんな問いかけに宇宙人は口を開くことなく言った。
「……喋れる。」
「うおっ、喋れたのか。いやでも普通じゃねえぞ……口ぐらい開けよ……。」
やはり何はともあれこいつは宇宙人なんだ。俺の常識なんて通じるはずもなかった。
「まあいいか。じゃあ俺に敵意はないんだな?」
「……ない。」
宇宙人の見た目といい喋り方といいなんともヌルッとした感じに違和感を覚えながらも俺は質問を重ねようとした。
「よし、分かった。敵意はないんだな。じゃあなんで俺に近づいたんだ?この状況はなんだ?地球は滅ぶのか?俺はどうすればいいんだ??」
この非日常の焦りから質問がたくさんでてしまった。
「それに答える余裕はないようだ。」
そう言われて宇宙人の目線の先を見ると……天井にヒビが入り始めていた。
「……は?嘘だろ……これも宇宙人のパワーってのかよ」
「僕に掴まれ」
「は?いやいや、お前にどう掴まれと…ってうわ!なんだかんだ手が離れねえぇぇぇぇ!!」
「わーぷ。」
そう宇宙人が言うと視界が眩い光に覆われた。まさか…マジでワープするのか……?
次の瞬間目を開けた時、俺の目の前に広がったのは圧倒的大自然だった。
「本当にワープしやがった……。なあ?ここはどこなんだ?」
「人間の言い方で言うと、九州だ。九州の真ん中のちょい上ら辺だ」
「そうか、まだ地球だったか。それにしてもここが九州…。異世界かってくらい木しかねえぞ。初めて来たな」
目の前に広がるこの圧倒的な自然に俺はまた呆然とした。
「あまりそういうことを言うな。九州が全部こうである訳では無い。都会もある。この自然も魅力だがな」
美しいこの空気に感動を覚えながら俺はまた新たに浮かぶ質問を宇宙人にぶつけた。
「なあ、なんでここに来たんだ?」
宇宙人は当然とでもいうかのような態度で答える。
「それはここはまだ宇宙人の侵略が進んでないからだ。それに僕の仲間達もこの地域にやってくる。ここは我々の集合場所なんだ」
宇宙人の侵略から宇宙人が逃げてるのか…なにやら事情があるのか…。
「俺はどうすればいい?」
もはやこの宇宙人について行く他ないと判断した俺はそう尋ねた。
「もちろん僕についてきてもらう。ここからそんなにかからない。ワープは疲れるから歩くぞ」
「わ、分かった。ついて行くよ。そうでもしないと死にそうだからね」
こうして俺とこの宇宙人の物語が突然はじまってしまったのだった。
いよいよ宇宙人と人間の冒険の幕開けです……!




