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他に寵愛のいる旦那様との結婚生活が終わる。もし、次があるのなら緩やかに、優しい人と恋がしたい。  作者: にのまえ


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(閑話) 竜の番

昔々、この大地には若い竜の番がいた。

 二人は仲が良く、常に一緒に過ごしていた。




 ――ここは北の洞窟。


 真っ暗な暗闇のなかに、溶け込むように潜んでいる。


 かえして、かえして、私にあの人を。

 離れているのは悲しく、苦しい……


 私達は穏やかに静かに、悪い事などせず、二人仲良く、ひっそりと生きていたの。


 勝手に巣を破壊して、あの人を捕まえたのはそっち。


 私達が何をしたの?

 見た目が?

 存在自体が悪なの?

 

 なぜ?

 なぜ?



【あの日、二人仲良く寝ていたところに。大勢の人が押し寄せて、何もしていない、私とあの人を引き裂いた……】



 あの日。あの人は何かを察して【ここに隠れていて、すぐに戻る】と言った。あの人の言うことを聞き、私は目を瞑り、たくさんの足音に怯えた。


【怖い、私もでる】


【ダメだ、そこにいて、僕は平気だから……君はそこでジッとしているんだ……頼む、愛しい君】


【わかった。私、おとなしくしてる】


 しばらくして大勢の足音が消えて、瞳を開けて、外に出たのだけど……いつもいた場所に、あの人はいなかった。



【どこに行ったの? ……ああ、私を包む優しい温かさがない。優しいあの人の声が聞こえないよ?】


 悲しい、悲しいよ。


 やだ、一人はやだよ、寂しいよ。

 また、私を愛しい声で呼んで……



 私がいい子にして待っていたら帰ってくるの?


 ーーそうだ、そうよね。


 私は一人で、あの人を待った。

 何日、何十日、何百日と、待っていても帰ってこない。


 何処かで迷子になってる? 

 だったら、私が探さないと……


 いない、あの人がいない。



 いつしか私は人の言葉を理解した。

 竜から人にもなれるようになった。


 人との会話。


 そして、


 私は『呼び寄せ』の人を騙して、

 "骨集め"の人を殺して、いくつかの骨を奪った。

 

 魔力を持つ、私にだって"呼び寄せ"はできる。


 でもね。

 

『呼び寄せ』を使用するたび、私は呪われる。


『呼び寄せ』をした骨もまた、呪い骨に代わる。


 

 ーーごめんなさい。

 


 いま、私のしていることは非道だとわかっているの。


 ただ、私に愛する、あの人を返して欲しいだけ。



 ただ、会いたいの……

 ただ、静かに暮らしたいの。


 そのためなら、私は何でもできる。


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