表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
他に寵愛のいる旦那様との結婚生活が終わる。もし、次があるのなら緩やかに、優しい人と恋がしたい。  作者: にのまえ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

81/99

八十

「……ナサ」


「あの子は優しくて兄弟思い……手紙だって欠かさず送ってくれたわ。でも、日々を書いた単調だったの、その手紙が変わったの。可愛い子がお世話になっているミリア亭に来たと、料理はまだヘタで、でも笑ったら可愛い……モンスターと戦ってしまうおてんば女性だと、国のみんなが一から、手作りしている傷薬を気に入ったと、喜んでいたわ」


 ナサのお母様は涙ながらに語ってくれた。優しい瞳で、ナサをとても愛していると言っていた。


「わたし、本当はここの国の出身じゃないんです。一度離縁していて……この国に来てナサと出会って、たくさん助けられました。二度と恋なんてしたくない、怖い、一人でいいと思っていました、でも、ナサが好きで、大好きです」



 ええ、この言葉の後にカランコロンとみんなが来ました。一番に入ってきたナサはわたしとお母様を見て一瞬固まり。


 後から入ってきたアサトとロカは『王妃!』と言い、深く頭を下げた。リヤとカヤは何が起こったのかわからなくて、キョロキョロしていた。


 ナサはハッとして、


「お、お袋! ユーシリン国からどうやってガレーンにきたんだ! ちゃんと護衛は連れてきたんだろうな……?」


「ナサ、すこし落ち着きなさい。外に馬と護衛を待たせております。今日はあなたのお嫁さんを見にきましたの。いい子を捕まえましたね、けして離してはなりませんよ」


「わかってる。シッシシ、リーヤはオレが好きで、大好きだからな」


 満面な笑み! いまお母様に言ったこと、やっぱり聞こえたんだ。


「本当のわたしの気持ちだもの」

「だな。でも、オレの愛の方が負けないけどな、シッシシ」


 くすぐったいナサの愛の告白に顔が保てないくなって、にへへっと笑ってしまうーーそれはナサも同じなのだけど。


「あら、まあ、二人して可愛い」


「そうでしょう、王妃様。ナサとリーヤは結婚してからズッとこの調子なんです。新婚だから仕方がないのですがね、独り身の自分達には目に毒です」


「そうです、羨ましいです。それに二人は愛しあっていて、けして離れませんし」


 ミリアさんも深刻な話の時は遠慮していたのか、みんなが笑顔になって、笑いながらコーヒーを運んできた。


「コーヒーどうぞ、いまに北区で一番のおしどり夫婦になるよ」


「まあ、それは安心ね。国王祭などが開催されて、いまは忙しいみたいだから。ユーシリン国にはラベンダーが咲く頃にいらっしゃい」



「ああ、お袋。オレ達もその時期になったら、オレの生まれ故郷に行こうって、二人で話していたよ」


 ナサのお母様は嬉しそうに頷き。

 わたし達を見回して、


「フフ、ナサは良い人に囲まれて、良いお嫁さんをもらってお母さん嬉しいわ」


 美味しそうに、ミリアさんのいれたコーヒーを飲んだ。その後、わたしはミリアさんに呼ばれて挨拶をしたあと席を立ち、厨房でナサとお母様の会話を聞きながら、みんなのお昼を準備し始めた。


 今日のお昼は小麦粉を薄く焼いた薄パンにお肉、味付けしたひき肉、野菜、チーズを好きなだけ挟んで玉ねぎステーキソース、ピリ辛、甘辛ソースをかけて食べる、巻き巻きサンドと、カボチャのスープ。で、夜は具沢山の爆弾おにぎりと唐揚げ、ウインナー、卵焼き。


 仲良く話していた二人。

 いきなり"ダン"とナサがテーブルを叩く。


「あ? みんなの制止を振り切ってここに来たぁ? お袋! ユーシリン国を治めるチマ兄貴と側近のキア弟は怒って、姫のミミは心配して泣いているぞ!」


 ナサの剣幕。

 どうやら無理やりお母様は、ガレーン国に来てしまったらしい。


「だって、可愛い、美人で、頑張りやだと書いてあった、ナサのお嫁さんに会いたかったのだもの。帰ったら、チッくん達に叱られるから」


 ガジガジ頭をかき。


「……たくっ、わかった。帰るんなら、気をつけて帰れよ」


「ええ……気をつけて帰るわ。その前に言うことがあったの」


 ナサのお母様はガタッと立ち上がり、ナサ、アサト、ロカに深く頭を下げた。


「お、お袋?」


「「王妃?」」


 驚く三人に、


「一度、あなた達には言わなくては、ならないと思っておりました、ナサ、アサト、ロカ、ありがとう。あなた達のおかげでユーシリン国のみんなは戦争も、支配もされず平和に暮らしております………ほんとうにありがとう」


 顔を上げた、ナサのお母様は涙に濡れていた。

 人質となってこの国にいる、ナサ、アサト、ロカには感謝しかない言うお母様に三人は笑って、


「シッシシ、お袋! オレはこの国で楽しくやってる、良い嫁にも出会えたしな」


「そうだな、俺もガレーンで仲間と楽しくやっている」


「ええ、気にならさないでください。私も楽しくやっていますから」


「みんな、ありがとう…………ミリアさん、コーヒーごちそうさま。リーヤちゃん、ウチのナサをよろしくね」


「はい!」


 ナサのお母様は『またお会いしましょう!』と、来た時と同じく颯爽とミリア亭をでていく、その後をナサは見送りにいった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ