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他に寵愛のいる旦那様との結婚生活が終わる。もし、次があるのなら緩やかに、優しい人と恋がしたい。  作者: にのまえ


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四十六

 騒がしいお昼下がり。

 ナサは呆れ顔で、カヤとリヤはまだ笑っていて、アサトとロカは知らん顔。わたしは元気なみんなを見て"よかった、怪我がなくて"とホッとして"誰も怪我をしませんよう"にと願った。


 昨夜のことを知られて、落ち着かない様子のナサは、わたしからまだ視線をそらす。


「ナサには言いたいことはあるけど。昨夜、お兄様達もモンスターが出たって報告を受けたあと『わたしが?』『もしかして?』と慌てて北門に行ったと、今朝、国に戻る前に、お会いした時にそう言っていたわ、……わたしってモンスターの声が聞こえたら、すぐに立ち向かっていく、ゴリラだと思われているのかしら?」


「はあ? ゴリラって……シッシシ、オレは"じゃじゃ馬娘"だと思ってるぞ。水辺で声を振り上げて、木刀を振り回してるし……」


「じゃじゃ馬娘って、ゴリラよりマシだけど……ウググ、ナサの言うことは一理ある」


「なぁ、そうだろう?」


 笑うナサに"コクリ"頷いた。


「さてと、わたしもお昼食べちゃおうっと。ミリアさん、他に手伝うことありますか?」


「いま、はないよ。リーヤのステーキもあるから食べて」


「はーい」


 

 厨房に入る前に『そうだ』と、わたしはスゥーッと息を吸った。

 そして、昼食を食べるみんなに、



「ありがとう、ナサ、みんな。昨夜は魔獣コカトリスの討伐お疲れさまでした。北区のみんなが安心して暮らせて、夜も安心して眠れるのはみんなのお陰です」



 自分の気持ちを伝えるのは照れるけど、しっかり伝えた。

 


「シッシシ、オレたちは北門と北区だけ、守りたいからな」


「そうだな、ナサ。俺たちは北区は守るが、他の区はアイツら騎士団が守ればいい」


 意味ありげに言う、ナサとアサトにロカは『ウンウン』と頷いた。


(みんなは騎士団が苦手なんだなぁ……あ、)

 

「昨夜、モンスターが出たと報告を受けて現場に駆けつけた、お兄様はみんなに迷惑かけなかった?」



「いいや、カートラとランドルが北門に来てくれたお陰で、いつもは深夜は面倒だと言って動かない、騎士団がすぐに動いてくれた。それに気味の悪い黒い骨もすぐ回収していったよ」 


 と言うアサトに、ロカも頷き。


「ええ、あんなにすぐ動く騎士団は初めての事です。ほんと、よかった…………あの不気味な骨と一緒に、一晩明かすのは嫌でしたからね」


「ほんと嫌だよな……でもよ、学園の授業で習っているって話だったが、リーヤの兄、カートラとランドル、二人は初めて"呪われた骨"を見たみたいだったぞ」


(へえ、長年騎士団に勤めるお兄様達でも、呪われた骨の実物を見るのは初めて見たんだ)


「わたしもだよ。ワーウルフの"呪われた骨"を見たの」


「え、それにしちゃ、骨に付いて詳しくなかったか? 触ると呪われるとか」


 厨房で、自分の濃厚カルボナーラを用意しつつ、ナサに答える。


「授業の他に、学園の書庫で召喚しについての本を、何冊か読んだからかな? 国に認可された召喚士は『召喚士としての地位がなくなる、あの様な禁忌は侵さない』……『強制召喚をした者にも骨と同様な呪いがかかる』と、読んだ本にそう書いてあったかも。実際のところ、どの様な呪いかはわからないけど……」


『呪い』と言うワードにみんなは"ブルブル"と体を震わせる。


「ウゲッ、強制召喚は稀なんだな……やっちまうと、自分も呪いを受けちまうのか。そいつは自分の命をかけてまで、何を狙ってんだぁ?」


「アワワ、呪いは魔法にも幾つかありますが、非常に危険な物なんです。自分に呪い返しを受けてまで、強制召喚をするなんて怖いです」


「ほんとうだな、ナサ、ロカ、俺もソイツが訳がわからんが、……でも、俺達はラッキーだったな。呪われた骨に詳しいリーヤがこの国にいてくれて、居なかったら今ごろ、俺たちは呪われていたぞ!」



「「ウワッ!!」」



 みんなは目を開き、立派なモフモフの尻尾と立派な鱗状の尻尾を震わせた。


 それに釣られたのか、ミリアもサーロインステーキを摘み、赤ワインを飲みながら『ほんとうだね、リーヤがいなかったら……今頃、お前たちはどうなってたかね』と、更にみんなを震わせる。


「シッシシ、リーヤがいてよかったな」

「マジで、よかった」

「本当です、よかった」


 みんなが"訳なわからない、呪い"に震えるなか。

 騒ぎつかれたカヤとリヤはいつもの席で、グッスリ夢の中だった。

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