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他に寵愛のいる旦那様との結婚生活が終わる。もし、次があるのなら緩やかに、優しい人と恋がしたい。  作者: にのまえ


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四十三

厨房でコーヒーをいれて、みんなのデーブルに配る。お兄様にコーヒーを渡すと、アッと何かまた思い出したらしい。


「リイーヤに聞きたいことが、あるんだがいいか?」

「はい、お兄様」


「騎士学園の授業の一環で、召喚獣と戦わされた事があったよな?」


(学園の授業?)


「ありましたが。カートラお兄様それは授業ではなく、卒業試験のときだと思います。魔法科から召喚士の先生が呼ばれて、訓練場でその先生が召喚した召喚獣と三人一組で戦うんです」


「そうだった、騎士科の卒業試験の時だな」


「はい」


 試験は召喚されたモンスターを倒さないと、学園の卒業は見送られて騎士養成所に入隊できない。実務試験の前に行われた筆記試験で組みが決まる。


「懐かしいな、俺の試験のときは熊型のモンスターだったが、リイーヤのときは何だった?」


「えーっと、わたしのときは確か……カエルに似たモンスターでした」


「カエルモンスターかジャンプ力、長い舌攻撃、粘着攻撃が地味に嫌なモンスターだな、その時、召喚をした召喚士の先生の名前は覚えているか?」


(召喚士の名前?)


 わたしは覚えていると、お兄様に頷いた。


「確か、召喚士のアルレット先生です。確かデビット伯爵家の次男の方だったと思います」


「そうか、アルレット・デビットか……ランドル至急、諜報部に魔法便を飛ばして、その名前の男がデビット伯爵家の次男にアルレットという名前の奴が、いるかどうかを調べてもらってくれ」


「かしこまりました。いま、諜報部に送る内容文を書きますので、しばしばお待ちください」


 任せるとお兄様は頷く。


 ランドル様は指をパチンと鳴らし、テーブルに羊皮紙とペン、インクをだした。その羊皮紙にスラスラとペンが走らせる。これは……もしかすると、緊急報告のときにしか許可をされない、滅多に見ることが出来ないランドル様の魔法が見られる。


 わたしはランドル様を見ながらワクワクしていた。

 カートラお兄様はアサト達に。


「アサト、ナサ、ロカ、ミカ、コチラで話をして、しまってすまない」


「気にすんなんカートラ。その男がもしかしたら今回"殺された収集家"と"盗まれたモンスター骨"にが変わっているかもしれないんだろ? 俺たちは俺たちでコーヒーを飲んでゆったりしてる」


「そうだ、気のするな」

「そうです、気にしないでください」


「ありがとう」


 静かな店内にカリカリと、ランドル様のペンの音が響く。

 

「カートラ、諜報部に送る書面が書けた。紙の下に名前を書いてくれ」


「わかった」


 お兄様は紙を受け取り名前を署名した。


「ランドル書けたぞ、送ってくれ」

「了解いたしました」


 ランドル様は慣れた手つきで、書面を鳥の形に折っていく。出来上がるとそれを持ち、


「では、外で出してきます」


 席を立ち店の外に出ていく、ランドル様の後に着いていこうとすると、ミカも気になったのか一緒に着いて来た。


 ミリア亭の外で書面を送ろうとする、ランドル様に声をかけた。


「ランドル様そばで見ていても、よろしいですか?」

「私もいいでしょうか?」


「ええ、いいですよ。でも、リイーヤちゃんとミカさんは、少し離れてくださいね」


「はい」

「わかりました」


 ランドル様は手紙を持ち魔法を唱えると、ボフッと、鳥型に折られた羊皮紙は小さな小鳥に変わった。


「紙が小鳥に変わったわ、可愛い」

「すごい、これは初めて見る魔法です」


 エルフのミカも知らない魔法で、楽しそうに見ている。ランドル様は微笑んで、


「そうでしょう、実は私しか使用できないから国家秘密の魔法なんですよ」



「「え、!」」



 わたしとミカが驚く中、小鳥はバサバサと羽根を動かして、ランドル様の目の前を飛ぶ。


「チィ、よろしくお願いしますね」


 手を前に出すと、小鳥はランドル様の指先に止まり、甘えるように顔を近づけた。


「チィ、チィ」


"いってきます"とでも言うように、ひと鳴きをしてランドル様の周りを飛び、目的の場所に向けて飛び立って行った。小鳥が飛び立ったすぐ、カートラお兄様も外に出て来てランドル様に確認をした。


「ランドル、送ったか?」

「はい、二、三時間もあれば届くはずです」


「そうか、ありがとう」


 わたしとミカは店に戻り、お兄様とランドル様は少し外で、立ち話をしてから店に戻ってきた。


 戻った直ぐ、みんなにもう一度、挨拶した。


「今日は楽しかった、これで戻ることにする」 

「私も楽しかったです。では、失礼しますね」


「カートラ、ランドルまたな!」


「ああ、アサトまたな。次に会えるのは国王祭の時になるかな。そのとき時間があったら、腕ずもうまたやろうな。ミリアさんもごちそうさまでした」


「二人とも、気を付けて戻りな」


 お兄様とランドル様はみんなに騎士の挨拶をした。


「そうだ、ナサ」


 カートラお兄様はナサを呼び寄せると、ガッチリ肩に手を回して、ボソボソと何かを話してナサが"わかった"とお兄様に頷いた。


 次にわたしの近くに来て。


「帰る前、ココに来ればリイーヤに会えるか?」

「はい、明日の九時にはミリア亭に来ています」


『そうか、わかった』と、わたしの頭を撫で、ランドル様を連れてミリア亭を後にした。


「さて、俺達も訓練に戻るぞ」


 アサトの合図で、みんなは訓練に戻っていった。


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