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他に寵愛のいる旦那様との結婚生活が終わる。もし、次があるのなら緩やかに、優しい人と恋がしたい。  作者: にのまえ


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十六

 これはいつにも増して気合を入れないと。玉ねぎをみじん切りにして、バターで飴色になるまで炒めてトレーに移して冷まして、その作業が終わるとミリアの声が飛んできた。


「リーヤ、手が空いた? ゆで卵の殻を剥くの手伝って!」


「はい、わかりました」


 今日の日替わりはガンベロフライ(エビフライ)のタルタル添え。わたしはゆで卵を剥き、ミリアは玉ねぎとピクルスをみじん切りにして、手作りマヨネーズと合わせた。


「よし、タルタルソースの出来上がりだ、リーヤ、味見してみる?」


「します!」


 スプーンでタルタルソースをすくって食べた。


(ううん、自家製のマヨネーズとピクルスがいい風味を出してるし、玉ねぎもシャキシャキ。まねて家でも作ってみたけど同じ味にならないのよね)


「美味しい、揚げたてのガンベロフライにタップリかけて食べたい」


「そうかい、そうかい、残ったら食べていいからね」


「やった」


 わたしは自分の作業に戻り、行商人が持ってきたトーロ牛とセルド豚のひき肉と、トレーで冷やしておいた玉ねぎを入れて、トーロ牛乳を浸したパン粉、卵、塩胡椒をボールに入れてしっかり手で練り混ぜた。


 ハンバーグのタネが出来たら、焼くときにハンバーグが割れて肉汁を逃さないように。両手でハンバーグをお肉をキャッチボールするみたいに、ペチンペチンと空気を抜き小判形に仕上げた。できたハンバーグをトレーに並べて、あとは焼くときに真ん中を凹ませる。


(きれいな小判型ができた)


「よし、ハンバーグ十食分完成!!」


「リーヤ、手が空いた? こっちのガンベロ(エビ)の殻を剥くの手伝って」


「はい」


 ガンベロの殻を剥きながら、ハンバーグにかけるトマトソースを考えた。角切りのトマトにケチャップ、鬼人産の醤油、塩胡椒で作ろうかな。後はとうもろこしから作るコーンスープと、ジャガイモごろごろポテトサラダ、目玉焼きを焼けば、気まぐれワンプレートの出来上がり。


 数食は残るだろうからお昼に食べて、夕飯にもらって帰ろう。


「下ごしらえは終わった、少し休んだら店の開店だ!」


 仕込みが終わりしばらく休憩をしてから店を開けた。今日のミリア亭も大反響。お客さんが途切れず日替わり定食は飛ぶように出ていく。私の気まぐれトマトソースのハンバーグセットは……閉店間際にワカさんとセア君が食べに来てくれた。


「このハンバーグソース、美味い」

「美味い、美味い!」


 ハンバーグを二人とも喜んで食べてくれた。トマトソースの作り方をワカさんに教えました。そしてもう一人

、今日は珍しく、私がよく通う北区で雑貨屋を開くエルフのミカも食べに来てくれた。


 なんと、いつも"味見したかな?""うーんイマイチ"と辛口のミカにも大好評だった。帰り際に彼はカウターでミリア特製コーヒーを飲みながら、昨日の出来事をミリアと私に語った。


「そうだ、二人は知ってる? 昨日の夕方前ぐらいに冒険者が魔物に襲われたんだって」


 昨日のワーウルフの話だとわかり内心"ドキッ"としつつ、ミカの話に耳を傾けた。


「私もさっきお客さんからその話は聞いたよ。北区の門そばで、ワーウルフ二体が出たんだろ?」


「そうそう、大型と小型だって怖いね」


「ええ、怖いです」


 私も二人に合わせて頷いていた。昨日は冒険者達と大変でアザができたけど、初めてみんなが戦う姿をみれた。ライオンのアサトとトラのナサの威嚇遠吠えの姿はカッコよくて、ロカの魔法、カヤとリヤ君達の守りも連携が取れていて凄かった。


(みんなカッコよかったな)


「そのワーウルフを倒したのはね、な、なんと国の騎士団ではなく、亜人隊が活躍して倒したんだって。襲われた冒険者も怪我はしたみたいだけど無事だって聞いたよ。でも、また何が起きるかわからないからね。ミリアとリーヤもウチに帰るとき気を付けてね」

 

「わかったよ、ミカ」

「ありがとう、ミカさん」


 時間があったらまた来るね、とミカは帰って行った。


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