表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
他に寵愛のいる旦那様との結婚生活が終わる。もし、次があるのなら緩やかに、優しい人と恋がしたい。  作者: にのまえ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

14/99

十三

「「ガァオォォォォォォーン」」



 とつじょ、獰猛な獣の雄叫びが聞こえた。

 こんな危機迫るときに新たな敵がでた……もう無理だ。



「「ギャアオォォォォォォン」」



 獣はもう一体いる……どちら共に大地が震える雄叫びを上げた。……でも助かった。その声でワーウルフの攻撃が手前で止まったのだ。ワーウルフも気になるのか声の方に向き「グルルルルル」喉を鳴らし警戒し始める。



「いたぞ! 冒険者とワーウルフだ!」



 大きな声と足早で数人がこちらに近付く。た、助かった……王都からようやく騎士団が来てくれた。


 声の主はガチッと地面に大きな盾を構えた。



「「【シールド!】冒険者たち俺の後ろから動くなぁ!! 盾役、ご苦労、後は俺が引き受ける!!」」



 大きな声を上げて、ごつい鎧を付けたナサがシールドを張った。騎士団ではなく、みんながここに来てくれたんだ。ナサは盾を構えワーウルフと対峙した。



「「いまから、お前の相手は俺だぁ!! 来るがいい、ワーウルフ!!」」



「ワオォォォォン!!」



 ナサの挑発を受けたワーウルフが盾にぶつかる。「キャウウウン」大型ワーウルフがナサの盾に鳴き声を上げて吹き飛んだ。


 凄い。ナサの盾は大型ワーウルフの突進にもピクリともしない。余裕があるのか普通にアサトを呼んた。


「おーい、アサト隊長こっちだ」


 ナサが手を振り亜人隊のみんなを呼んだ。私はみんなに見られる前に、転がってそばの茂みに身を潜めた。





 ナサの所にアサト達が合流した、彼らはワーウルフに驚いている様だ。


「こんな王道のど真ん中にワーウルフが出るなんて、初めてじゃないか?」


「そうだな、他のモンスターは見たがワーウルフは初めてだ」


「私も初めてですね。ここの奥にある北の洞窟でも見たことがありません。このワーウルフはどこからやってきたのでしょうか?」   



「おい、ナサ、ロカ、怪我人もいるんだ。詮索は後にして先にワーウルフをやっちまうぞ!」



 アサトは大きな斧を片手で軽々持ち、戦闘体制に入る。その後ろの方でロカさんは怪我をした冒険者にヒールを掛けている。カヤとリヤは冒険者を守るようにクローを構えていた。


(もう安心だ……この場を離れよう)


 わたしはみんなに見つからないよう、茂みの中を進もうとした。ガサッと草を踏んだ音にワーウルフが反応する。



 やばっ、こっちを向いた。



「おい、茂みに隠れている奴。俺のシールドから出るな! お前を守れなくなるだろう!」



 ナサは盾を構えながらわたしに叫んだ。そのナサの声は威圧だビリビリと体に響いた。ごめんなさい、ここから動きません。



「「ガァオォォォォォォン」」



 アサトが雄叫びを上げて、ワーウルフの意識を自分の方に向けた。


「ナサ! お前は一旦、シールドを解除してワーウルフを威嚇しろ、あいつが怯んだら一気に俺が叩く!」


「了解!」


 ナサは盾を置き立ち上がった、ワーウルフを見据え息を吸い込み牙を剥く。



「「ギャアォォォォォン」」



 大地、周りが振動するほどの威嚇だ。その、ナサの威嚇にワーウルフが怯んだ隙に、アサトが斧を振り上げてワーウルフに飛びかかった。



「ディィァアーッッッツ‼︎」



 ザシュッとワーウルフの首をはね、ボドッと地面に落ちて転がるワーウルフの首。その後にドサッと大きな体が倒れる。すごい、彼らが来てあっという間に倒してしまった。


 だけど強制的に召喚されたワーウルフを消すには、額に見える黒い魔法陣を壊さないとダメだ。首が落ちたあともズル、ズルと、引きずるような嫌な音が聞こえる。


 ワーウルフの首は、体とくっ付こうと動きだしている。それに気付かないのかアサトとナサは集まり話しをしていてる。やはり彼らも倒し方を知らないみたいだ。


 早く教えないと、わたしはナサに向けて叫んだ。



「ナサ、ワーウルフの額にある魔方陣を壊して!」


「はぁ⁉︎ 魔方陣?」



 話を止め振り向いた彼らは気付いただろう。切られても尚、動くワーウルフの体を……。一瞬、ナサは眉をひそめて、はぁーっと大きく息を吐き、複雑な顔を浮かべた。


「お前は……くそっ!」


 拳を握り締めワーウルフの額にある、黒い魔方陣を拳で破壊した。「【ガリィィィン】」と砕けて、ワーウルフが黒い煙を上げて消えていく、そのあとボトッと黒い骨が落ち黒々しい煙をもやもや出している。


 よかったこれで終わった。わたしは見つかる前に帰ろうと、茂みをかき分けてこの場から離れようとした。


「おい、茂みにいる奴、待て!」


 いきなりナサに呼び止められた。茂みから見えた彼の顔は"なんで、テメェなんかに呼び捨てされなきゃいけねぇんだぁ"と、言っている顔だ。


「出てこい、出てこないんなら……」


 ……来ないで。


 ナサはこちらに来ようとした足を止めて、道に落ちたワーウルフの骨を拾おうとした。わたしは咄嗟に茂みから立ち上がり叫んだ。


「ダメ! それに触ってはダメなの!!」

「あぁっ?」


 ナサは手を引っ込めて、こっちを睨んだ。


「おい! なんでこれに触っちゃいけねんだぁ?」


「そ、その黒い骨は呪われているの。国から召喚士を呼んで処理して……いや、してください」


「ふーん、そうかわかった。でっ、お前は誰だ? なんで俺の名前を知ってる?」


 いつもミリア亭で見るナサとは違い、人間大嫌いオーラがバチバチに出ている。わたしは……わたし、怖い、前の旦那に剣さえ握っておけばいいと言われた、剣を握る女は……嫌われる。


 あんな寂しく、辛い日々が終わり。

 いまの楽しい日々を失いたくない。


 ……意気地なしでごめんね。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ