人生の分かれ道
試合終了後は、会社の経費として処理されるが、表向きは岡崎旋盤製作所の社長のおごりでランチだった。心花も知香子も誘われた。竹部や前田は先約があるとのことだったが、天城は遅れてやってきた。
平日のランチタイムのファミリーレストランは、客の多くがサラリーマンで、静かにランチを食べていた。時折、主婦の笑い声も聞こえるが、夕方以降に比べると、それでもずっと静かだ。そんな空気の中、社長の岡崎は、遅れてやってきた天城が入店するなり、拍手で迎えた。
「天城、最高だったよ。いいもの見せてくれた。ありがとう」
「天城さん、おつかれっす。どうぞこちらに」
西中が心花の隣の席を案内する。「好きなものを食べていいぞ」と岡崎に言われたが、ドリンクバー付きのランチをオーダーする。心花が「なにを飲みます?」と訊くので、ウーロン茶を注いできてもらう。
「西中がサッカーをやってるのは知っていたが、天城があんなにサッカーがうまいとは思ってもなかったよ。しかもプロ相手だろ。いやあ、驚いた」
「午前中、仕事を休んできたから午後から地獄ですけどね」
工場長が皮肉っぽく言った。
66歳の口うるさい工員が真顔でたしなめる。
「工場長、いけませんよ。そんなこと言っちゃ。いつも一緒に働いて同じ釜の飯を食っている天城くんが活躍したのを見たんでしょ。あの感動があれば仕事も張り切れますよ。なあ?」
他の工員たちも66歳の工員に同調する。
「すみません。失礼しました」と工場長が天城に謝るように言う。
「いえいえ」と笑顔を作って天城はウーロン茶を口に浸す。ロベルトにぶつかられた時に、いつの間にか口を切っていたらしく、頬の内側にウーロン茶が沁みた。
天城は社長のはしゃぎようをはじめとして、工員たちの笑顔に違和感を感じていた。
天城はプロスポーツをほとんど見ない。子供の頃は人並みに野球選手に憧れたことはある。小学校低学年の頃は、大人になって後楽園球場のマウンドに立つ自分の姿を夢想したこともあった。だが、体育の授業や遊びでやる野球で、自分は野球が他の子よりもうまくないんだと気づき、少年野球にも入らず、プロ野球選手の夢はあきらめた。自分がプロ野球選手になれないと気づくと、すっかりプロ野球を見ることにも、関心がなくなってしまった。ましてやJリーグや他のスポーツを見ようとは思わなかった。
唯一見るプロスポーツは競馬だが、競馬は観戦を楽しむ面もあるが、結果が直接天城に利益をもたらすこともあるギャンブルの側面のほうが強かった。たしかに、中央競馬から捨てられ地方競馬で過酷に走り、あげくリップルランドのように命を落とす馬に感情移入をすることはある。レースに出ると必ず馬券を買う、応援している馬もリップルランド以外にも何頭かいる。ただ、それと同じような感情を、プロスポーツ選手に抱く気持ちはわからなかった。たとえばリップルランドが勝って馬券が当たれば天城にも利益が生まれる。それがプロ野球だと、どっちのチームが勝っても何も生活が変わらないじゃないかと思うのだ。むしろ下卑た言い方だが、何億と年収を稼いでいる金持ちを、金を払って応援する人たちの気持ちが理解できなかった。
「わたし、後半途中から泣いちゃいました」と心花が言うと、「ほんと、わたしまで泣きそうになりましたよ。天城さん、素敵すぎて」と知香子も言う。
ふたりともその表情は真剣だった。
「天城は疲れてるみたいだから、ゆっくり休んで明日から頑張ってくれ。それじゃあ、仕事に戻りましょうかね、みなさん。崎津さんも諏訪さんも食事まで付き合ってくれてありがとうね」
天城が食事を終えると、社長が立ち上がった。
「天城、おまえ本当に最高だったよ」
いつも会社で会っている社長から握手を求められ、「あ、どうも」と握手をする。心花がそれを笑顔で見つめている。
会計が終わり、ファミレスの入口で、知香子を西中が大学まで送るなどの段取りをしていた時、初老の夫婦が入店しようと歩いてきた。
「岡崎! 岡崎じゃないか!」
男のほうが声を弾ませ、岡崎に近づいた。
「本泉か。何年ぶりかよ」
どうやら社長の旧友らしい。立ち話が始まった。
「工場長はおれの車に乗ってください。先に帰りましょう」
工員が言う。
「そうだな」と工場長が言い、「社長、先に戻ります」と工員たちや天城、西中は車に乗っていく。
「ちょっとお茶を飲む時間ぐらいあるだろう」と言われ、岡崎はファミレスに戻った。
初老の男は、岡崎の中学までの同級生の本泉だった。本泉は二年前に警察官を定年退職したという話だった。たまにシルバー人材センター経由で暇つぶしがてら、草刈りなどの仕事をすることはあるが、退職金が3000万円あったそうでのんびり楽隠居しているという話だった。
「うらやましい身分だな」
そう言いながらも岡崎は、現役で働いていない分、本泉の見た目は5歳以上はおれより老けて見えるなと思う。
「そうでもないよ」と本泉は謙遜するが、社長業に追われている岡崎に比べると、時間を持っている余裕は感じられた。
「今日も奥さんとお出かけだったのか」
「ああ」と言いながら、岡崎はその行先を聞いて、なんとも言えない気分になった。本泉夫妻は特に用事のない日は、ほぼ毎日夫婦でゲームセンターに通っているらしい。
「ゲームセンターなんて、少年課にいた頃に中高生を補導をしに行ったことしかなかったんだけどな。これが楽しいんだ。ゲームも面白いが、それをきっかけに常連さんと仲良くなって話をしたりするとね、あっという間に時間が過ぎちゃうよ」
「若い人との交流なんかもあるのか?」
岡崎はゲームセンターの常連を勝手に若者だと思ってた。
「あるわけないだろう。平日の昼間だよ。そんなときに遊んでるのは年寄りだけだよ。でもみんないい人で楽しいんだよな。なあ」と本泉が言うと、本泉の妻も笑顔で頷いた。
ゲームセンターのことを思い出しながら話しているため、本泉の顔も朗らかだ。
「おれってさ、ファミコンは子供のおもちゃと思っていたし、パソコンも仕事で使わなかったから、やってなかったんだよな。携帯も電話しかできないやつで、ああいうゲームとかコンピュータには背を向けて生きてきたんだけど、やってみると楽しいな。しかもメダルゲームなら一日1000円もあれば一日遊べるしな」
岡崎はコーヒーを飲み終えるとポケットからスマートフォンを出した。
「そうか、それはよかったな。もうこんな時間か。仕事に戻るわ」
これ以上、本泉と話していても時間の無駄だ。岡崎は千円札をテーブルに置くと立ち上がる。
「忙しいのな。またな」
「ああ」
また会うことはあっても、ゆっくり本泉と話すことはないと岡崎は思う。
ファミレスを出て岡崎は空を見た。
ファミコンに夢中の子供を叱っていた親が、いまじゃ毎日ゲームか。
そういう人生も悪くはないのかもしれないが、おれには無理だなあと思う。
知香子は大学に戻ったが、こんな時間はめったにないと、心花は午後を天城と一緒に過ごすことを望んだ。
車に乗ると、天城は「タートルリバーレに入らないかと言われたんだけど」と心花に言う。
「本当ですか!」と心花は目を輝かせた。
「次の試合からですか?」
「いや規定で今年は入れないらしいから、選手になるとしても来年の話だけどね」
「残念。タートルリバーレもいま調子悪いから、天城さんみたいな選手がいたらいいのにですね」
「まあ、いまのおれでは通用しないから、まず体力を来年までに作ってくれとは言われた」
「でも素敵ですよ。サッカー選手か」
心花は夢見心地に言う。サッカーをやっているところに惚れた彼氏が、プロのサッカー選手になるのだ。うれしくないはずがない。
天城はそんな心花を見ても、浮かない顔をする。
「それでいいのかなあと迷ってるんだけどね」
車窓には、タートルリバーレの水色に染まった「売上金の一部がタートルリバーレ亀川に寄付され活動資金に活用されます」と書かれた自販機が立っている。
「どうして迷うんですか? 転職したいと言っていたし、ちょうどいいじゃないですか。すごいですよ。Jリーガーになるんですよ」
「……西中のことを考えるとな」
天城が岡崎旋盤製作所を辞めてしまえば、残業などの激務を西中がひとりで被らなければならないかもしれない。たしかに昨日と今日は、他の工員が協力してくれて天城は仕事を休めた。だがそれは、天城を休ませるためという一時的な状況が、面倒見のいい工員の心を動かしたからこそやってくれただけで、慢性的になれば誰も協力しなくなるのは目に見えている。
「西中さん、サッカー大好きだから喜んでくれますよ。西中さんだって、天城さんが心配しているようなことが起こったら、会社を辞めてもいいでしょう。職業選択の自由ですよ」
「そうだけどなあ」
西中に英語を勉強しようと言われた時はぜひやろうと思った天城だったが、無軌道な若者と違い、四十代となればしがらみが多かった。
詳しく経営状況がわかっているわけではないが、天城と西中が辞めて平均年齢が六十代になった岡崎旋盤製作所は倒産するんじゃないかとさえ思う。自分の気持ちでしか仕事をしない工員、すぐに帰る工場長では、社長が仕事をしたくても仕事を入れられず、売り上げは立たないはずだ。FXで失敗して実家に帰ってきた天城を、日本中が不景気にあえいでいた2009年に、正社員として採用してくれたのは岡崎旋盤製作所だった。紹介してくれた親父の知り合いの顔をつぶすことにもなるだろう。心花の言う通り、職業選択の自由は天城にある。だが、天城が古い人間なのかもしれないが、そこですっぱり割り切ることに抵抗があった。辞めるかわりに誰か替わりの人を紹介できたらとも考えたが、人手不足でそこそこいい仕事が転がっている昨今に、岡崎旋盤製作所の待遇では誰かに勧めることなどできなかった。
「わたしはどんな天城さんでも好きです。でも、できるならば才能を生かして輝いている天城さんを見たいです」
心花はそう言うと、シフトレバーの上に置いている天城の手に手を重ねる。
人生、いいときもあれば悪いときもある。
62年生きてきた岡崎はその言葉を聞き飽きるほど聞いてきたし、わかっていたつもりだ。
だが、今日の落差は厳しい。
午前中は、従業員である天城のサッカーに夢中になった。うちの従業員でよく知っている男が、プロのサッカー選手を相手にゴールを決める姿は痛快だった。天城がうちの従業員でよかったと心の底から思った。
ただ、天城のサッカーに岡崎も夢中になったが、夢中になったのは岡崎だけではなかったのだ。
17時になり定時のベルが鳴った。天城のプレーに触発されたのか、またその天城が仕事を休んだのをみんなでカバーしようと考えたのか、今日は他の工員たちもよく働いてくれている。工場長が無理だと言った納期も目処がついてきた。その工場長も今日は母親を妹の家に預け、残業してくれると言った。天城のおかげで会社が一丸となってくれている。岡崎は定時のベルが鳴っても休むことなく工場がフル稼働している姿に涙が出るほどうれしくなっていた。
ところが、事務所に戻ると、西中がすぐに入ってきた。
「サッカーの知り合いの竹部さんという方から聞いた話で、たぶん明日天城さんから言われると思いますが、驚かれる前に早めに悪いことこそ伝えようと思いまして」
どうにも口が重い。
「ん? どうしたんだ?」
岡崎が急かすように聞くと「驚かないでくださいね」と念を押し、それから西中は意を決したように口を開いた。
「あの、天城さん、来年からですが、タートルリバーレの選手になるみたいです」
驚いた。
考えてみると、あれだけのプレーを見ておきながら天城がプロになるなど、岡崎は予想もしていなかった。
そもそも天城がプロの選手との練習試合に出るということが、奇蹟のように岡崎はとらえていた。一生に一回の晴れ舞台かもしれないと思い、会社も午前中休みにして全員で応援に行ったのだ。
試合が始まるまで、まさかあんなに天城が活躍するとは思っていなかった。だからこそ、天城がプロになるなど予想もしていなかった。
「そうか」
会社に、辞めると言った従業員を引き留める権利はない。退職までに1か月の猶予をもらうことしかできない。
しかし、天城が辞めてしまえば、岡崎旋盤製作所の強みである短納期対応の主力を失ってしまうことになる。松永鍛造が言っていた「人手不足倒産」という言葉が重くのしかかる。
「おまえはどうするんだ?」
直感的に西中も辞めそうな気がした。西中は28歳だ。天城は42歳と14歳離れているが、それでも歳が近いほうで、天城が辞めてしまうと西中の次に若い工員は57歳になる。だいたい、いまの時代、二十代ならいくらでも職があるだろう。
「え?」
「天城が辞めたらおまえも寂しいだろう」
西中は一度考えるように天井を見る。
「たしかに寂しいですけど、天城さんがサッカー選手になるのはうれしいし、誇りです。ぼくのことはまだわかりません」
「そうか」
岡崎は「まだわかりません」と言う西中の言葉を噛みしめるように頭で反芻する。「辞めません」ではなく「わかりません」か。
「わかった。ありがとう。心の準備をしておくよ」
社長はそう言ってパソコンのマウスを持った。「失礼しました」と言って西中は工場に戻る。
翌日、朝七時に天城は出勤してきた。まだ会社には岡崎しかいない。
「天城、早いな」と言うと「昨日はお休みいただきありがとうございました」と天城は頭を下げる。
昨夜、心花を送ったあと帰宅して天城はタートルリバーレのことを両親に話したが「いいんじゃない」とあっさりしたものだった。「もし選手としてダメでクビになっても岡崎さんのところならまた雇ってくれるだろう」と親父は楽観的に言い、母親も「喧嘩して辞めるわけじゃないからね」と気楽に言った。
彼女も賛成、親も賛成、そうなると反対しそうなのは岡崎ぐらいしかいなかった。昨夜も竹部からは「いつ頃返事かもらえるか、前田さんがせっつくんだけど」と電話も入っていた。
「社長、お話があるんですけど」
「なんだ?」
岡崎が事務所の床を掃いている手を止めた。朝会社に来たら、トイレ掃除と事務所の掃除、会社の前の道のゴミ拾いが岡崎の日課だ。
「いままでたくさんお世話になりましたので申し訳ないのですが、今年いっぱいで会社を辞めさせていただけませんか。タートルリバーレの選手にならないかと誘われたんです」
岡崎は笑顔を作った。
「そうか。昨日見て思ったよ。天城なら、そりゃあ、プロだって放っておかないよな。がんばれよ」
「ありがとうございます」
天城は深々と頭を下げた。
「応援してるぞ。でもな、うまくいかなかったらいつでも帰ってきていいからな。もちろん、サッカー関係で東浜技研に就職するならそれでもいいが」
「大手の仕事はぼくには無理かもしれませんよ」
「まあ、どっちにしろ未来は輝いてるんだ。おめでとう」
天城はどういう顔をしていいかわからず、へらへら笑顔を浮かべていた。そして、これまで岡崎旋盤製作所で働けたことを誇りに思った。思っていたよりも、社長の懐の深さを感じたからだ。
「社長の下で働けてしあわせでした」
本心だった。
「おれだって、従業員がJリーガーに出世するなんてうれしいよ」
岡崎だって本心だった。
朝の光が工場を照らし、スズメの鳴き声が聞こえる。
天城が会社を辞めると伝えた日から、岡崎の動きががらりと変わった。
これまでは事務所で顧客から来るFAXを見ては見積りをしたり、電話番をしていることが多かったが、最近は昼間はほとんど会社にいなかった。
午前9時には会社を出て、18時頃にしか帰ってこない。そのあとはパソコンに向かっていた。
天城や西中が23時まで残業をして帰り支度をしている時でもパソコンに向かっているときもあった。
またその逆で18時過ぎにはスーツに着替えてどこか飲みに行っている風でもあった。
「社長、新しい取引先でも探しているんですかね?」
天城が工場長に訊いても、工場長もわかっていないようで、「さあ?」と答えるだけだ。
そして一週間後、朝から作業服を着て出かけた社長が、軽トラに荷物を積んで17時過ぎに帰ってきた。岡崎が昼間事務所にいないので、仕事の引き合いは落ち着き、天城も西中も定時で帰ろうとしていた。岡崎の軽トラが戻ってきたので、天城は一度閉めた工場を開ける。軽トラの荷台シートをはがすと、テーブルほどの大きさの物が毛布で包まれている。西中がフォークリフトに乗って、軽トラの荷台の物を降ろす。「ガラスがあるから慎重にな」と心配そうに岡崎はその物を手で押さえていた。工場内に置いて毛布をはがす。
「宇城の地金屋に取りに行ってたんだよ」
「懐かしいっすね」
天城はそれを駄菓子屋やボウリング場で見たことがあった。テーブル型のアーケードゲームの筐体があった。
「テレビですか?」
西中は初めて見たらしく、それがなにかを訊く。
「ゲームだよ。まだあと十台、地金屋が持ってるらしいんだ」
岡崎はそう言いながら、筐体を拭きだした。
「延長コードあるか? 100ボルト?」と岡崎が西中に訊く。「はい」と言って西中がコンセントに刺したコードリールを持ってくる。
「これな、スクラップ扱いなのにちゃんと動作するんだよ」
そう言うと岡崎はコンセントのプラグをコードリールに差した。
ぱんと白い光が黒いブラウン管で輝き、そのあとPACK MANの文字が表示される。
「パックマンじゃないっすか。懐かしい!」
天城が声を上げた。
「ちゃんとコインセレクターも動くんだ」
岡崎はそう言うと、ポケットから100円玉を出す。入れるとゲームがスタートする。画面上の黄色い丸が点を追っかけて動く。
「コントローラーもちゃんと生きてるんだぞ」
天城と西中は「ほー」「ほー」と感心しながら見ていた。
岡崎のゲームの腕は大したことなかった。すぐに主人公の黄色い丸が先回りしている青い敵にぶつかって死ぬ。
「やられちゃったよ」
岡崎はゲーム機を見て、満足そうに息を吐いた。
そして西中を見て言う。
「明日さ、大矢野さんと、この機械をばらして掃除してくれないか」
大矢野は61歳の工員だが工業高校の電気科出身で、岡崎旋盤製作所の機械が故障したときは、メーカーに修理を頼む前に、先に機械をばらす人だった。メーカーに修理を依頼しないで直すことも多い人だ。
「わかりました」
「あと十台あるからね。ちゃんと動くかわからないけど、動作する分はレストアしてほしいんだ」
これは仕事なのだろうかと天城は考えたが、社長が言うのならば工員はやるしかないだろう。
「がんばってな」と天城は西中の背中を叩いた。
「頼んだぞ」と岡崎が言う。
天城が会社を辞めるまであと二か月半ある。




