表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
深い森  作者: 神山 備
PR
5/7

姫ちゃんからの電話

 そして、かー君が死んだ。姫ちゃんは親戚でも来賓でもない後ろの席で、ひっそりとかー君を送った。でも、かー君が出棺した後、入院友達が、

「全部終わったね」

って言ったとき姫ちゃんは、

「まだ早いから、かー君の病院に寄ろうかな」

って言ったので、その娘は慌てて姫ちゃんを彼女の家まで送り届けたそうだ。時々あるそうだ。悲しすぎて記憶がとんでしまうこと……

 いや、解っていてもそう言いたかったのかもしれない。家に戻った姫ちゃんはちゃんとかー君の死を受け止めていて、私に『サビシイ』コールをしてきてくれていたから。

 

 そして、それが一週間後ぷっつりとなくなった。その前日、

『以前から約束していた映画に行ってくるよ。行きたくないけど』

と言っていた。映画を見て、すこし吹っ切れたんだろうか。それとも、人混みにやられて最近でなかった発作がまた出たのかも。

 その当時、私は立ち上げたばかりの新しい企画に参加していて、毎日帰るのは日付が変わる寸前で、だから休日は泥のように眠っていて……姫ちゃんはそれを見越して日付が変わったくらいに電話してきていたけれど、さすがに私からそんな時間に電話することもできなかった。

 ううん、本当は怖かったのだ。彼女の家族から姫ちゃんは入院したのではなく、もうすでにかー君のところに旅立ったと言われてしまうのじゃないかと。

 25日後、企画が一段落して私はやっと姫ちゃんちに電話を入れた。

 



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ