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深い森  作者: 神山 備
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序―メール―

 私にとって痛みを伴う作品が映画化され、公開されている。

 仕事終わりにメールを見たら高校時代の友人、曜子からメールが着ていた。

ーねぇ、翼はみた? あの映画。ケンイチ君かっこよかったよぉー

曜子からのそんなのんきなメールに、私は、

ー見てない。見るつもりもない。ー

とすげなく返信した。あの子は年甲斐もなくケンイチ君のファンだから、彼がどんな仕草をしようがかっこよく感じてしまうのだろうけれど。私は……

ー何で?ー

ー言いたくないー

ーどうしてよ、あんたらしくないー

間髪入れずにそう返ってきたメールに、私は大きなため息をついてから、

ー姫ちゃんを思い出すからって言えば解ってくれる?ー

と返信した。曜子から

ーゴメン……ー

と一言だけのメールが届いたのは、私がそのメールを送信して10分も後のことだった。


 


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