ノートに書くのは
土日は2話分掲載予定です。
平日はまた1回になっちゃう…かも?
『 私の幸せリスト 』
ノートの表紙に題名を書き、さっきから「ウ~ン。ウ~ン。。」と頭をフル回転させながら、アーモンドチョコレートをパクリ。
ウ~ン。…パクリ。ウ~ン。…パクリ……と繰り返していた。
自分を幸せするために…って、いざ考えると意外と難しいものね〜。
今日は学園が休みなので、自分の部屋の机にノートを広げ、朝から考えてるのだけど、まだ1行も埋まっていない。
そういえば、10歳にローア殿下と婚約してから、王子妃になる為に殆どの時間は教育にあてられた。マナーや作法、ダンスに国の歴史や経済など……全然子供らしく遊ぶってことをしてこなかった。なんとも淋しい幼少時代だろう。なので同年代の仲が良い友人は出来なかった。
今こんなに時間があるのは、ローア殿下が学園に入るときに『18歳の成人になったら、もう自由な時間はなくなるだろ?だから学生時代を満喫する為に公務は学園に通う間は控えよう』って話があったからだ。
結局、ローア殿下の自由時間は、アミーリア嬢と過ごして、私はほったらかしだったけどね。
わぁ〜。いま改めて思うと、私の今までって自分のための時間なんて、ほぼ皆無だったんだわ。
折角いま自由な時間をなのだから、私のために私の自由時間を使いたいと思う。
そういえば、前回2人に暴言を吐かれてから数日たつが、あれからあの2人とは学園で遭遇していない。まぁ〜遭遇しても、もう声なんて掛けないって決めたんだけどね。
婚約解消するって決めてから、ローア殿下に対して何も思うことはない。むしろ私の知らないところで、どうぞお幸せに。っと思うくらいには。
夢から覚めたように、私の心も目が覚めたわ。
私は、私のことを蔑ろにする人に、私の心も時間も使いたくない。
私自身を大切にするって決めたのだ。
なので!まずこのノートをって思ったんだけど
ウ~ン。…パク。ウ~ン。…パク……。幸せになること何かあるかしら??
あら?アーモンドが終わってしまったわ。
ちょうど気分転換の休憩のために、お茶を淹れてくれているナタリーに参考に聞いてみようかしら。
「ねぇ。ナタリー。ちょっと質問なのだけど、貴方が幸せだと感じるのは何?」
「私の幸せですか?………そうですね〜。家族と過ごす時間ですかね。」
「そっか。。長女のアメリはもう5歳になるのだったかしら。子供は可愛いものね。」
「はい。この前なんか、おままごとをしている口調が私そっくりで笑っちゃいました。それがまた可愛いくて。」
「それは愛らしいわね…」
ほぉ。っと息をついた。ナタリーの真似をする5歳の彼女の姿は想像しただけで、胸がホッコリする。
確かに家族って大切で幸せよね。私もお父様もお母様も弟もみんな大好きだし、一緒にいると幸せだわ。
ん〜〜。でも、ノートに書きたい内容と少し違う気がするのよね。
「他に幸せになれるの、家族以外だと何がある?
」
「あとは……寝る前にアロマを焚くことですかね。頑張った自分にご褒美タイムで、その日の気分で変えてます。」
「自分にご褒美………っいいわねっそれ!ナタリーありがとう!!ご褒美って自分を幸せにする為にする行為よね。」
そうよ。色々と難しく考えてたけど、自分を喜ばせるご褒美って、幸せになるってことよね。
私はご褒美に……美味しいものが食べたい。
好きなものを食べると、幸せ〜って思えて、嫌なことも忘れちゃうもの。
そういえば、マルコニ洋菓子店にも最近は顔を出していなかったわ。ジョージ様ともあれ日以来会っていない……ワンピースを思い出し、そっとクローゼットに目をやる。
ワンピースのお礼もまだだったわね。まだお店にいるかしら?チラリと時計をみる。ちょうど開店の午前10時にもう少しでなるところだ。急げば少し会えるかしら……?ギリギリ帰る時間に間に合うかも…。
「ナタリー。これから出かけたいのだけど、準備お願いできるかしら?」
「かしこまりました。どちらに?」
「マルコニ洋菓子店よ。」
ナタリーが意味深気に微笑み、「それは腕の見せどころですわ。」と張り切りだして、忙しそうに他の侍女達と準備を始めた。
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