世界大戦
第1章:技術進歩の加速と覇権争い
◆新星暦1150年
技術分野とエネルギー分野が飛躍的な発展を遂げたことで、各国は新たな資源と先進技術の獲得を巡り、激しい覇権争いを繰り広げるようになった。
一方で、各国の技術水準やエネルギー供給能力には大きな格差が存在し、その均衡は常に不安定だった。
・SDの開発
こうした時代背景の中で開発されたのが、人型兵器「スタンドドール」である。
SDは従来兵器を上回る高い汎用性と戦闘能力を備え、複雑化する戦場へ対応するための次世代主力兵器として誕生した。
その後、各国は競うようにSDの開発・配備を進め、軍事バランスは新たな局面を迎えることとなる。
第2章:覇権争いの疲弊と膠着
◆新星暦1185年
長年にわたり続いた争いは各国の国力を著しく消耗させ、人的・経済的損失は限界に達していた。
さらに、軍事技術や兵器性能も各国で均衡したことで決定打を欠き、戦況は勝者の存在しない膠着状態へと陥る。
こうした状況を受け、世界各国では「これ以上の戦争継続は無意味である」という認識が広まり、和平を目指す機運が急速に高まっていった。
各地では局地的な停戦協定や不可侵条約が次々と締結され、世界は少しずつ戦後を見据えた動きを見せ始める。
・天華共和国
その流れに唯一異を唱えた国家が「天華共和国」であった。
天華共和国は停戦や和平交渉への参加を拒否し、軍事力による覇権獲得という方針を崩さなかった。
この出来事を境に、世界は「平和と共存を目指す国家群」と「武力による支配を掲げる国家」という二つの価値観へと分岐し、新たな時代へ足を踏み入れることとなる。
第3章:オルフェ研究機関の設立
◆新星暦1187年
希少な存在であるエーテルコードは、各国や非合法組織による研究対象とされ、拉致・人体実験・殺害といった非人道的な被害が後を絶たなかった。
こうした状況を受け、エーテルコードの保護と研究を目的とした国際機関「オルフェ研究機関」が設立される。
設立理念はあくまでも人命の保護とエーテルの平和的研究であり、いかなる国家にも属さない中立機関として活動を開始した。
・反オルフェ派
その存在は各国にとって極めて大きな価値を持つものであったため、設立当初から多くの脅威に晒されることとなる。
各国による圧力やエーテルコードの奪取工作、裏社会の武装組織による襲撃、さらには内部情報を外部へ流す内通者の存在など、オルフェは常に危機と隣り合わせの状況に置かれていた。
・エーテル兵器の開発
保護下にあったエーテルコードが拉致・殺害される事件は繰り返され、従来の警備体制だけでは命を守れないことが明らかとなる。
この現実を受け、オルフェは保護対象を自らの力で守るための独自研究に着手した。
エーテルを防衛目的で運用する技術や専用装備の基礎研究が進められたが、それらは戦争のための兵器ではなく、あくまでも保護対象の生命を守るための「最後の手段」として位置づけられていた。
第4章:イシュタール財団の誕生
◆新星暦1196年
オルフェ研究機関は設立者同士の理念や研究方針の対立が決定的となり、内部で大きな分裂を迎える。
一方は「エーテルコードを保護し、人類と共存する未来を築く」という理念を貫いたのに対し、もう一方は「エーテルの力を新たな進化へ繋げるべき」という思想を掲げ、組織を離脱した。
離脱した勢力は水面下で新たな組織「イシュタール財団」を設立し、オルフェとは全く異なる理念のもとで独自の研究を開始する。
・目的
表向きには「オルフェ研究機関の打倒」を掲げていたが、それはあくまで周囲へ示す名目に過ぎなかった。
財団には別に真の目的が存在しており、その詳細は極秘事項として隠蔽されていた。
・拉致
イシュタール財団は研究対象となるエーテルコードを確保するため、かつてオルフェの保護下にあったエーテルコードを次々と拉致。
人体改造手術や各種実験を施し、エーテルの力を人為的に引き出す危険な研究を推し進めていく。
こうして、保護を理念とするオルフェ研究機関と、進化を名目に人体実験を行うイシュタール財団という、相反する二つの組織の対立が幕を開けることとなった。
第5章:表向きの平和と残された火種
◆現代
長きにわたる大規模な国家間戦争はひとまず終結し、世界は表向きには「平和」と呼べる時代を迎えていた。
各国は復興と経済発展へと舵を切り、人々の日常も少しずつ安定を取り戻していく。
しかし、その平穏は決して本物ではなかった。
各地では個人や武装組織による小規模な紛争が絶えず発生し、希少な存在であるエーテルコードを狙った誘拐や密売、違法な人体実験などの犯罪も依然として後を絶たない。
・脅威
水面下では人体改造実験を続けるイシュタール財団が暗躍し、天華連盟も独自の極秘計画を進行させていた。
それぞれが異なる目的のために力を蓄え、世界は再び大きな争いへ発展しかねない火種を抱え続けていた。
・閃の決意
後に物語の主人公となる閃は幼少時代、SD同士による小規模な武力衝突へ偶然巻き込まれる。
戦闘は住宅地にまで被害を及ぼし、閃は故郷の街を焼かれ、住み慣れた家を失った。
そして、その戦いによって家族を失うという取り返しのつかない悲劇を経験する。
この出来事は閃の人生を大きく変え、「二度と同じ悲劇を繰り返させない」という強い信念を抱くきっかけとなる。




