第91話:突き止めた真実【前編】
~アラン殿下から手紙を受け取った日~
まさかアイリ殿下とファラオ様が…
いいえ、そんな事はないはずよ。だってファラオ様は、ずっと私の事を愛してくれていたのだから。
こんな写真、見たくない。でも…
再び写真を見つめた。あら?何だか顔の輪郭と首が合っていないような…そもそもファラオ様は、もっとガッチリとした体つきをしている。それに、首にあるはずのほくろもない。
見れば見るほど、写真は違和感しかない。よく見ると、肌の色も少し違うわ。
「これは顔から下を加工したわね…それにしても、もう少しうまく加工できないものかしら?いくら何でも、雑過ぎない?こんなの、子供が遊びでやりそうなレベルじゃない」
あまりにもレベルの低さに、ついため息が出る。こんなものに騙されると思われただなんて、どれだけ私の事をバカしているのかしら?
こんな卑猥な写真を加工までして、私とファラオ様を別れさせようとするだなんて!第一ファラオ様の顔写真を使って、こんな事をするだなんて、ファラオ様に対する酷い侮辱だわ!
あの男、絶対に許せない!こんな酷い事をされて、黙ってなんていられない!もしかして、今回の事故もあの2人の仕業だったりして!
とにかく一度、アラン殿下に会って話を聞いてみよう。でも、会話はバッチリ録音させてもらわないと。そう思い、すぐに使用人に小型の録画機を準備してもらった。
そして挑んだアラン殿下との面談。よくもまあ、あんな嘘を並べられるものだわ。もちろん、アラン殿下を許すつもりはない。もしかしたら、もっとろくでもない事を考えているかもしれない。
ここはアラン殿下に騙されたふりをして、こっそりと準備を進めよう。その為には、私がショックを受けて悩んでいる風をよそおわないといけない。準備も兼ね、部屋に引きこもる事にしたのだ。
そしてその日の夜
「お父様、急に呼び出して申し訳ございません。実は、アラン殿下が私とファラオ様を別れさせるために、こんな写真を送って参りました。この写真はアラン様の顔をくっつけただけの、偽物ですわ」
はぁっとため息をつきながら、お父様に写真を見せた。
「何だこれは!本当にファラオ殿下ではないのか?」
「よく見て下さい、お父様。顔の色と首から下の色が違うでしょう。それに、微妙にずれておりますし。こんな写真に騙されると思われていたことが、残念でなりませんわ…」
「確かにソフィーナの言う通り、不自然だな…それにしても、我が国の王太子殿下の写真を、この様な事に使うだなんて!これは我が国への侮辱に値する行為だ!これは見過ごせない。ただ、この写真が殿下から送られてきたという証拠がないと、もしかしたらしらを切られるかもしれない」
「それなら大丈夫です。今日アラン殿下に会い、その時の会話を録画しておりますので。そこで写真の事も、しっかり触れられております。それにアラン殿下の話では、アイリ殿下が夜な夜なファラオ様のお部屋で愛し合っているとも」
「あの部屋でかい?それはないだろう。だってあの部屋は…」
「ええ、普通の令嬢が見たら、ドン引きするでしょうね」
ファラオ様のお部屋には、一面私の写真が飾られているのだ。それだけではない、私をイメージした人形、私をモデルにした彫り物など、見るに忍びないレベルの私が、沢山いるのだ。
ちなみにそう簡単に片づけられる代物ではない。中には壁に埋め込まれている写真などもあるからだ。そのため、ファラオ様のお部屋で愛しあっていたなら、沢山の私に見つめられながら愛し合った事になる。
話はそれてしまったが、アラン殿下の話は、矛盾だらけなのだ。




