第9話:これからは俺がソフィーナを守っていこう~ソリティオ視点~
ソフィーナのお茶に付き合う事を彼女に伝えると、何を思ったのか、嬉しそうに俺の手を握って来たのだ。
手から伝わる、温かくて柔らくて、俺よりも小さな手。その手を握った瞬間、幼かった時の記憶が蘇る。
“おにいさま、まってください。わたしをおいていかないで”
まだソフィーナが可愛かった時の記憶が、一気に蘇る。俺は間違いなく、妹を大切に思っていた。俺がソフィーナを守る!そう思っていたあの頃…
だが、あの時の気持ちは、ここ数年ですっかり消え失せてしまった。それどころか、ソフィーナを疎ましく思う様になっていた。
ソフィーナは、俺の大切な妹なのに…
その後も今までの自分の行いが恥ずかしいと、子供の様に泣きじゃくるソフィーナ。俺の腕の中のソフィーナが、なんだか小さな女の子の様に見えた。彼女は彼女なりに反省し、今苦しんでいる。そう思うと、俺も胸が締め付けられる。
俺がもっとソフィーナを気にかけていたら。なぜだろう、今のソフィーナを見ていたら、なんだか妙にそんな気にさせるのだ。
次から次へと溢れる涙を、そっと拭いてあげた。ソフィーナはいつも、俺の手を焼かせるのが上手いな。でも…
なぜだろう、こんなにもソフィーナを愛おしいと感じるだなんて。俺のたった1人の大切な妹。己の行いを後悔し、感情を爆発させているソフィーナを、俺は支えていきたい。
この子を俺の手で、守ってあげたい。そんな思いで、ソフィーナを慰めた。
すると
「お兄様、大好きですわ。これからも私の傍にいて下さいね」
なだ涙は止まっていないが、それでも俺の方を見てにっこり笑ったのだ。
大好きか…
“おにいさま、だいすきです!ずっとそばにいて”
幼い頃、満面の笑みで何度も俺に言ってくれた言葉。またこの言葉を聞く事が出来るだなんて。
「俺もソフィーナの事が大好きだよ。これからはどんなことがあっても、ソフィーナを守るから」
気が付くと、そんな言葉が出ていた。俺の言葉を聞き、また嬉しそうに笑ったソフィーナ。彼女の笑顔を、これからも守っていきたい。いつかソフィーナが心から愛する人が出来るその日まで、俺がソフィーナを守ろう。
ソフィーナの笑顔を見て、改めてそう決意した。
その後はソフィーナと一緒に、色々な話をした。こんな風に、ソフィーナとゆっくり話をしたのは、いつぶりだろう。
いや、もしかしたら初めてかもしれない。
「あら?もう日が沈みかかっていますね。お兄様のお話が楽しすぎて、時間も忘れて話し込んでしまいましたわ。お兄様、またこうやって、私と一緒にお茶をしてくれますか?」
「ああ、もちろんだよ。これからは何でも相談してくれ。ソフィーナは俺の大切な妹だからな」
大切な妹。まさか自分の口から、こんな言葉が出てくるだなんて…
「お兄様、大好き!私にとっても、大切なお兄様ですわ。たった2人きりの兄妹ですものね」
俺の手を握り、にっこり笑ったソフィーナ。そう、俺たちは世界に2人しかいない、大切な兄妹だ。今まですれ違い、傷ついた事もあった。だが…
これからは少しずつ、開いてしまった溝を埋めて行けたら。そう思っている。
※次回、ソフィーナ視点に戻ります。
よろしくお願いします。




