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前世の記憶を取り戻した元クズ令嬢は毎日が楽しくてたまりません  作者: Karamimi


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第82話:やらなければいけない事はたくさんあります

 翌日、目を覚ますとファラオ様の姿はなかった。お母様の話では、私が眠りについた後、お父様とお兄様と長い時間話をした後、夜中に帰られたようだ。きっと昨日の事故の件の話をしていたのだろう。


 ただでさえお忙しいのに、今回の事故の件で、余計な仕事を増やしてしまった。アラン殿下とアイリ殿下がいらしてから、ほぼ寝ずに公務をこなしているファラオ様。


 私とお兄様が脱落してしまった事で、その負担がさらにファラオ様にかかる事は間違いない。ファラオ様、大丈夫かしら?


「ソフィーナ、ここにいたのだな。勝手に動いてはいけないと、医者に言われていただろう」


「あら、車いすなら移動してもよいとの事でしたので。それに今日は天気が良いでしょう。せっかくなので、中庭の散歩をしに来たのです。本来は朝早く王宮に足を運び、お花のお手入れとスカイの食事の準備をしなければいけないのですが。この足ではどうしようもありませんね」


「ソフィーナは律儀だね。確かに中庭を散歩したくなる気持ちもわかるよ。昨日まで目が回るほど忙しかったのだからね。急に何もしなくてもいいと言われても、困るよな」


 同じく車いすに乗っているお兄様も、ため息をついている。


「あら、お兄様には家でもやらなければいけない事が沢山あるのでしょう?午後からもお父様と一緒に、昨日の事故の調査の報告書に目を通すと聞いていますよ。それにこの機会に、領地経営の件も、着手するとも」


「まあ…確かに色々とやる事はあるが、それでも昨日までの目が回るほどの忙しさを考えたら、大したことはないよ」


 そう言って笑ったお兄様。きっと本当にやる事がなく、途方に暮れている私を心配して、様子を見に来てくれたのだろう。


 この足では、本当に何もできないものね…


「ソフィーナもソリティオも、こんなところにいたのね。ソリティオ、お父様が呼んでいたわよ。ソフィーナ、あまり車いすで中庭に来るのは良くないわ。あなたもお部屋に戻りなさい」


 やって来たのは、お母様だ。


「ですがお母様、私、本当にやる事が無くて暇なのです」


「それなら、本を読んだらどう?あなたはいずれ王妃になるのよ。頭にたたき込まなければいけない情報が、山ほどあるの。暇だわ~なんて、呑気な事を言っている場合ではないのよ。ほら、早く部屋に戻りなさい」


 お母様の言う通り、確かに私には覚えないといけない情報が沢山ある。私、何を呑気にしていたのかしら?


「そうですわね、すぐに部屋に戻って、他国の情報を集めないと。そういえば、ルドルフ様のご友人の国との貿易の話も進めないといけないのだったわ。やらなければいけない事が、山ほどあるのに」


「ちょっと、ソフィーナ。そんなに気合を入れなくても…」


 お母様が後ろで何か叫んでいたような気がするが、まあいいか。


 部屋に戻ると、すぐに王妃になるための勉強を開始した。さらに、教育係の力を借りつつ、他国の情報を色々と調べていく。


「お嬢様、次期王妃になるなら、他国はもちろんですが、自国の貴族の事も知っておく必要があります。最近お嬢様は、アラバシア王国の王族のご対応でお忙しく過ごしておりましたが、これを機にしっかりこの情報を叩き込んでください」


 嬉しそうに沢山の資料を持ってきた教育係。さすが私の教育係、私が今、何をすべきなのかを熟知している。


 この日から私は時間が許す限り、王妃になるために必要な情報を叩き込む事に専念したのだった。

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