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前世の記憶を取り戻した元クズ令嬢は毎日が楽しくてたまりません  作者: Karamimi


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第79話:女性たちの時間

「分かりました、すぐに参ります。ソフィーナ、すぐに戻って来るから、ソラ嬢とこちらで待っていてくれるかい?ソラ嬢、ソフィーナを頼みます」


「ええ、任せて下さい」


 お兄様がルドルフ様と一緒に、部屋から出て行ったのだ。


「ソラ様、ルドルフ様が動揺していた様に見えましたが…もしかして、何者かが馬車に細工を仕掛けたのでしょうか?」


 ポツリと呟く私に、ソラ様が大きく目を見開いた。でも、すぐにいつものお優しい顔に戻ったかと思うと


「それはまだ分かりませんが…ただ、何か重要な事が分かった事は確かですね。ソフィーナ様、大丈夫ですわ。あなた様の周りには、沢山の方たちが付いております。ファラオ殿下・ソリティオ様・アレック様・セシル様、それに私もルドルフ様も。皆ソフィーナ様の味方かですから」


 皆私の味方か…


「とにかく今は、怪我の治療に専念してください。お可哀そうに、こんなにひどい怪我をなさるだなんて…もし故意で事故を起こした者がいるのなら、私は絶対にその者を許しませんわ!」


「ありがとうございます、ソラ様。そうですね、私にはたくさんの味方がいて下さるのですよね。それに何よりも、もし誰かの仕業ならきっと、お父様とお兄様が徹底的に調べ上げるでしょう。我がリレイスト公爵家の名に懸けて」


「確かにそうですわね」


 そう言って笑ったソラ様。


「お嬢様、リレイスト公爵様と夫人がいらっしゃいました」


 お父様とお母様、さらにソラ様のご両親もやって来たのだ。


「ソフィーナ、可哀そうに!けがをしたのですって?」


「なんて事だ、私の可愛いソフィーナが、また事故でけがをするだなんて…アレソーヌ侯爵殿、夫人、ソラ嬢。今回の件、本当にありがとうございました。娘がすぐに治療を受けられたのも、すぐに馬車の調査が出来たのも、あなた様達のご協力があったからこそ。なんとお礼を申したらよいか」


 お父様とお母様が、ソラ様のご両親とソラ様に深々と頭を下げた。私も一緒に頭を下げた。


「リレイスト公爵殿、夫人もどうか頭をあげて下さい。私どもは当然の事をしたまでです。それよりも今回の事故で、気になる事があると、ルドルフ殿とソリティオ殿が調査をしております。私どもも参りましょう」


「アレソーヌ侯爵殿、本当にご協力ありがとうございます。そうですね、そちらの方も、気になるところですので」


 そう言うと、お父様とソラ様のお父様は出て行ってしまった。


「今回の件、何から何まで本当にありがとうございました。このご恩は、決して忘れませんわ」


 改めてお母様が、ソラ様のお母様とソラ様に頭を下げたのだ。


「いやですわ、夫人。大げさな。そもそも誰かが家の目の前で事故に遭っていたら、助けるのは貴族として当然ですもの。それにソラが、随分とソフィーナ嬢にお世話になっている様ですし」


「どちらかというと、ソフィーナがソラ嬢のお世話になっていると言った方が正解ですわ。この子はなんと申しますか、ずっと友達がおりませんでしたので。ソラ嬢がお友達になって下さった事、私も主人もとても喜んでおりますのよ。


 私どものせいで、ソラ嬢には辛い思いをさせてしまったのに…ソラ嬢、その…殿下との件、本当にごめんなさい。あなたを振り回してしまった事、私も主人も本当に申し訳なく思っているのよ。もちろん、ソフィーナも」


「その件は、お気になさらないで下さい。それにあの件があったから、私はルドルフ様と婚約が出来たのです。むしろ感謝しているくらいですわ」


「ソラ嬢は心優しい方なのですね。ソフィーナが好きになるのも、頷けるわ。ソラ嬢、どうかこれからも、ソフィーナの事をよろしくお願いします」


「私からもお願いしますわ。ソラ様が傍で支えて下さったら、もっと頑張れそうですわ。もちろん、ソラ様に何か困りごとがありましたら、全力でお支えしますので」


「まあ、ソフィーナ様ったら。私の方こそ、よろしくお願いします。私、ソフィーナ様の唯一のお友達として、貴族世界でも鼻高々なのですよ」


 そう言って笑ったソラ様。


「せっかく夫人も来てくださったのです。宜しければ皆でお茶でもしませんか?中々こんな機会もないですし」


「まあ、よろしいのですか?それでは、お言葉に甘えて」


 早速お茶をお菓子が運ばれてきた。今日事故に遭って怪我をしたのだけれど…でも、お母様もソラ様のお母様もソラ様もとても楽しそうだから、まあいいか。


 それにこんな風に、お母様世代の夫人と話すことなんて珍しいし。


 その後お父様が迎えに来るまで、女性だけで楽しい時間を過ごしたのだった。

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