表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
前世の記憶を取り戻した元クズ令嬢は毎日が楽しくてたまりません  作者: Karamimi


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
41/100

第41話:やっぱり諦められない~ファラオ視点~

 ソフィーナ嬢の怪我は、大丈夫かな?手紙を書いて執事に渡したが


 “申し訳ございませんが、このお手紙を渡すことは出来ません”


 そう言われてしまった。それなら、公爵に直接渡そうと思っているのだが、最近王宮に姿を見せない。もしかしたら、ソフィーナ嬢の怪我の具合が、思ったよりも悪いのかもしれない。


 ソフィーナの兄、ソリティオも王宮に姿を現さないし…いくらソフィーナ嬢を毛嫌いしているとはいえ、彼ならソフィーナ嬢の様子くらいわかるだろう。


 僕の心とは裏腹に、どんどん悪い方向に進んでいく。そんな中、ソラ嬢との対面の日を迎えた。


「殿下、お久しぶりです。ソラ・アレソーヌと申します」


 侯爵に似て、物静かで穏やかな女性、ソラ嬢。この日はお茶をして過ごした。その日から、定期的にソラ嬢がやって来た。彼女は誰にでも優しく、王宮の使用人たちの心もすぐに掴んだのだ。


 だが、時折見せる悲しそうな表情が、僕にはどうも引っかかった。もしかしたら僕がソフィーナ嬢を好きな様に、彼女にも他に思い人がいるのか?なんて都合の良い事を考えてしまう。


 でも、この違和感が本物なら、ここで動くしかない。


「殿下、このバラ、とても綺麗ですね。このバラを見ていると、心が晴れる様ですわ」


「心が晴れるか…もしかして今、ソラ嬢の心は曇ってしまっているのかい?もしかしてその…他に好きな殿方がいるとか」


 僕の言葉に、ソラ嬢が大きく目を見開いた。明らかに動揺しているようだ。


「い…いいえ、滅相もございません。確かに私はルドルフ様に好意を…いえ、違うのです。私の片思いで。私はもう、彼の事なんて…」


「彼の事なんて…気になって仕方がないけれど、父親に言われて仕方なく僕に嫁ぐ…か…」


「申し訳ございません。その様な事は決して…どうか、このお話しはなかったことに」


 必死に謝るソラ嬢。完全にパニックになっている様だ。


「ソラ嬢、僕にもね、思い人がいるんだ。その子の事が、好きでたまらない。その子以外と結婚なんて、僕は考えられない。もちろん、今でもその子との結婚を、あきらめたわけではないよ。ソラ嬢、君をこんな事に巻き込んでしまって、本当にすまない。必ず君を、自由にするから」


 ソラ嬢に向かって、頭を下げた。僕がもっとしっかりしていれば、ソラ嬢をこんな茶番に巻き込ませることもなかったのだ。彼女には本当に申し訳ない事をした。


「失礼を承知で申し上げますが、そのお相手とは、ソフィーナ様の事ですか?」


「ああ、そうだよ。僕は昔から、彼女の事が好きだったんだ。あの子は世間から見たら、非常に我が儘で癇癪もちで、どうしようもない子だけれど、でもね。きっと自分をうまく表現できないだけなんだ。根はやさしい子なのだよ」


 僕は知っている、彼女が子猫を助けた時の姿を。あんなにも優しい眼差しをする子が、本当に悪い子には思えない。だからこそ、僕はソフィーナと結婚したい。そして僕の手で、彼女を幸せにしてあげたい。


 たとえどんな手を使っても。


「なんだかわかる気がしますわ。ソフィーナ様、誰かを傷つけた時、一瞬悲しそうな顔をするのです。きっと自分もよくない事をしているとわかっているのでしょう。ですが、どうしていいのか分からず…そんな感じですものね


 その事に皆様、気が付かれていないのでしょう。ただ、今のままでは…」


「ああ、分かっているよ。でも僕は、どうしても諦められなくてね。だから必ず、ソフィーナ嬢と結婚してみせる。ソラ嬢も、必ず解放してあげるから」


「殿下、ありがとうございます。私も出来る限りの事は致しますわ」


 ソラ嬢の気持ちも分かった。ただ、どうやってあの頭の固い貴族たちを説得するかだ…ここはもう、強硬手段に出るしかないか。


 僕は王太子だ、この王太子の座をかけて。


 僕は最終手段に出る事にしたのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ