第25話:アレック様と楽しく過ごしました
「ゆっくり見ていたから、随分時間が過ぎてしまったね。ちょうどお昼時だ。お昼ご飯にしようか」
「はい、そうしましょう。それにしてもあの本屋さん、沢山の本がそろっていましたね。見ているだけで、とても楽しかったですわ」
「ソフィーナ嬢が気に入ってくれてよかったよ。また行こうね」
「はい、また行きたいです」
「それじゃあ、お昼ご飯を食べられるお店に行こうか。実は既に予約しているのだよ。少し走るから、馬車に乗って」
「予約してくださったのですね。ありがとうございます。アレック様が選んでくださったお店、楽しみですわ」
2人で馬車に乗り込み、目的地を目指す。しばらく進むと
「あのお店だよ。今王都で、とても人気なお店なんだ。造りからして、とても可愛いだろう?」
アレック様が指さす方向を見ると、可愛らしいキノコの形をしたお店が現れたのだ。あんなにも可愛らしいお店は、初めて見た。
「本当に可愛らしいお店ですね。キノコ料理が出てくるお店ですか?」
「建物はキノコの形をしているが、キノコ料理のお店ではない様だよ。とても美味しいらしいから、早速行こう。足元に気を付けて」
「ありがとうございます」
何を思ったのか、アレック様が手を差し伸べてくれたのだ。せっかくなので、アレック様の手を取って馬車から降りた。その流れで、2人で手を繋いでお店に入っていく。私達は恋人でもないのに、手を繋いでいていいのかしら?
そんな疑問を抱きつつも、振り払うのも失礼と思い、そのままにしておいた。
早速個室に通され、向かい合わせに座った。
「見て下さい、アレック様。机もイスもとても可愛いですわ。苺の机に苺のイスです。それにお部屋の中が、森をイメージした造りなのですね。こんな可愛いお部屋、初めて見ましたわ」
あまりの可愛さに、つい興奮してしまう。
「ソフィーナ嬢の言う通り、とても可愛いお店だね。今令嬢たちの間で、非常に人気の高いお店だそうだよ。お料理も運ばれてきたし、早速頂こう」
美味しそうなお料理が沢山運ばれてきた。お料理は動物の形をイメージして作られており、とても可愛らしい。きっと可愛いがコンセプトなのだろう。
食べるのが勿体ないくらい見た目が可愛いが、せっかくなので頂く。
「このお料理、とても美味しいですわ。お魚かしら?淡白でとても食べやすくて、それでいてソースとの相性抜群ですね。こちらのお野菜たっぷりのスープも絶品です。このお肉も柔らかくて美味しいわ」
あまりの美味しさに、手が止まらない。こんなに美味しくて可愛いお料理があるだなんて。そりゃ人気が出るわよね。
「確かに非常に美味しいね。この魚、川魚らしいよ。お肉もイノシシのお肉らしい。この国ではあまり食べないような食材を使っているそうだよ」
「まあ、そうなのですね。アレック様は、本当に物知りですね。さっきの本屋さんでも色々と教えて下さったし」
「俺はこうやって、調べる事が好きなだけだよ。ソフィーナ嬢こそ、何でも興味津々で聞いてくれるから、俺も説明のし甲斐があるよ。ソフィーナ嬢といると、とても楽しくてたまらない。君がこんな魅力的な女性だっただなんて…」
「まあ、そう言って頂けると嬉しいですわ」
きっとお世辞だろうが、それでも褒められると嬉しい。
その後も美味しいお料理を頂いた。
その後は街を見て回った後、家に帰ってきた。
「ソフィーナ嬢、今日は付き合ってくれてありがとう。その…また誘ってもいいかな?」
「こちらこそ、とても楽しい時間をありがとうございました。もちろんですわ、また街に連れて行ってくださいね」
「本当かい?また必ず行こうね。それじゃあ、今日はありがとう」
満面の笑みを浮かべながら、アレック様が手を振りながら馬車に乗り込んでいく。初めて殿方と2人でお出掛けしたが、とても楽しかった。それにアレック様はお優しいし、一緒にいて落ち着く。
またアレック様とお出掛けが出来たらいいな。




