トラップ ①
【闇堕ち少女、怨霊と化す!】
憎悪の炎は死んでも消えない!
呪い系バッドエンドサイコホラー。
「ゆるさない、ゆるさない、ゆるさない……」
ワンルームの狭い部屋に、不気味な声が響き渡る。
やがて、スマホへの録音を終えると、マコが少し照れくさそうに顔を歪めた。
「ちょっと、恥ずいね」
「でも、いい感じだったよ」
恭弥は素直な感想を口にした。彼女の声には感情がこもっていて、不気味さがしっかり出ていた。演技の才能があるのかもしれないと内心で感心する。
録音した音声を再生する。
「ゆるさない、ゆるさない、ゆるさない……」
音声が流れたとたん、マコが両手で顔を隠して驚きの声を上げた。
「うわっ、ええ〜やだぁ〜! あたし、こんな声してんの!?」
恭弥はそんなマコを見て笑みをこぼす。
「自分の声って、違って聞こえるからね。でも、お世辞抜きで、いい声してるよ」
「ほんと?」
「うん」
恭弥はもう一度録音音声を再生するが、マコはいまだ頬を赤らめている。
「うん、悪くない」
「自分の声聞くのは恥ずいけど、この作業、なんか楽しいかも」
「そう? じゃあ、今度はもう少しゆっくりめでやってくれる?」
「おっけー」
恭弥が録音ボタンをタップしてスマホをマコに向ける。部屋に再び不気味な声が響く。
「ゆるさない、ゆるさない、ゆるさない……」
表情が声に合わせて険しくなっている。その真剣に取り組む姿を内心で微笑ましく思いながら恭弥はスマホを向け続ける。
すると、手に持っていたスマホが突然鳴り出した。画面に「雅先輩」の表示。
「あ、雅先輩からだ」
恭弥は電話に出て相手の声に耳を傾けた。その間、マコが心配そうな目でじっと見つめてくる。
「わかりました。じゃあ、今日中に設置しちゃいます。はい、では」
通話を終えるなり、マコが聞いてきた。
「雅先輩、なんて?」
「あの女を終電近くまで引き止めてくれるって。だから、今日中に仕込んじゃおうと思う」
「今から行くの?」
「いや、暗くなってからにする。そのほうが目立たないだろうし」
「だね。でも、もし早く帰ってきたら?」
「そんときは連絡がくるよ」
「ああ、そっか」
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