発狂 ②
【闇堕ち少女、怨霊と化す!】
憎悪の炎は死んでも消えない!
呪い系バッドエンドサイコホラー。
奈央は叫びながら目を覚ました。
全身が不快な汗にまみれ、荒々しい自身の呼吸だけが部屋に響く。
「夢……だったの?」
動揺が収まらぬ中、奈央は夢の内容を振り返った。
あまりにもリアルな夢だった。普段なら目が覚めた瞬間に夢の記憶は霧散するのに、今見た夢は細部まで鮮明に思い出せた。そのため、夢から醒めたというのに、恐怖心は消えるどころか増すばかりだ。心なしか、背中と腰に鈍い痛みが残っているような感覚もあった。やがて、全身が激しく震え始めた。
すると突然、スマホが鳴り出した。
奈央がスマホを手に取ると、「非通知」の文字が浮かんでいた。すぐさま壁掛け時計がカタカタと音を立て始めた。
「きゃっ!」
壁に目を向けたとたん、壁掛け時計が外れて床に落ちた。
続いてカーテンが大きく揺れた。
「ひい!」
奈央はびくりと身をこわばらせた。揺れるカーテンに目を向けると、一瞬、女性の黒い影が浮かんだ。全身が粟立ち、心臓が激しく高鳴る。
人影はすぐに消えたが、薄暗い部屋の中でカーテンは静かに揺れ続けている。何者かの視線が、痛いくらい肌に突き刺さってくる。
「もう……いや……」
恐怖に打ち震えていると、壁が音を立て始めた。音はベッド側の壁から始まり、対面の壁へと移り、天井や床へと広がっていく。四方八方から押し寄せる振動に、まるで外から総攻撃を受けているような錯覚に陥った。
振動が止むと、おぞましいほどの冷気が全身を襲った。その直後、冷たい息が耳元にふっと吹きかけられた。
突然、頭の中でプツンと何かが弾けた。
両手で頭を押さえると、奈央は声の限りに絶叫した。
〈了〉
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