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ミーコがたったひとりて乗り込んでいく。
怖いのは当たり前だ。
それを必死に隠して進んだ。
冷には知られたくないのもあった。
こういう場合の為に、苦しい訓練をしてきた。
怖いけども成長した自分をみれるチャンスでもあった。
その様を見ていた冷は、ミーコの度胸の良さに感銘を受けた。
(ワームズが何匹居るかもわからない状態でも、危険をかえりみず立ち向かうなんて、ミーコもやるな)
危険はあるが危険から逃げていては強くはなれないと冷は経験から知っていた。
だが本当に死んでしまうのは不味い。
それではランク6に来た意味がないからだ。
ミーコは周囲に注意しつつ歩いて土の上を歩いていくと、何やら土が動くのを察知した。
まるで生き物がそこにいると語っているかのように。
ミーコはそれがワームズだと確信した。
そこに聖剣ヴェルファイアを差し込んでやると決める。
目標は決まったら行動するのみ。
「そこだ、ワームズ!!」
ミーコの聖剣が地面へと刃が刺さる。
盛り上がる土は、生き物がいると。
「!!」
土に刺さるとミーコは変に感じた。
感触がないのだった。
まるで空気が入っている風船を割ったかのようだ。
確かに土は盛り上がっていた。
その時にリリスがミーコに叫んだ。
危険を知らせる為に。
「後ろだミーコ!」
「し、しまった!」
ミーコはワームズだと思ってたのが違っていて、背後に大きな盛り上がる土が。
次に土からワームズが頭を現せて、ミーコに襲いかかる。
リリスだけでなく、アリエルも絶句してしまう。
やはりミーコひとりに任せるべきではなかったと思った。
ワームズは情報通りにイモムシの形をしていて、ミーコに襲いかかるとミーコは、寸前で横にステップした。
高速でステップしたのが成功して、ワームズの奇襲は空振りとなった。
ワームズは地上に完全に現した。
「……危なかった」
ミーコはワームズをかわしたが、リリスとアリエルには無理であろう。
素早さが3人の中でずば抜けているミーコだからこそしのげた。
「今行くぞミーコ!」
「待ってなさい!」
リリスとアリエルもホッとしてる暇はない。
直ぐ様、ミーコの近くに参戦しに行く。
ワームズの全容はミーコよりも遥かに大きかった。
トラックが1台分はゆうにある。
ミーコと相対しして見合った。
聖剣ヴェルファイアを構えると、頭を目がけて飛び込んでいった。
「2回攻撃いきます!」
ミーコ得意の2回攻撃を出した。
通常ならヒットするはずだが、ワームズは大きな割に動きが速かった。
「ミーコの2回攻撃をかわした!」
アリエルもミーコの近くに来て驚いてしまう。
「うう、かわされた……」
ミーコは空振りに終わり着地した。
「動きがスムーズだわ。来るわよ!」
攻撃を交わした後に直ぐに攻撃へと切り替えてくるワームズ。
体をクネクネと動き変則的な動きで、アリエルに迫った。
「アリエル、逃げて!」
「わかってる!」
アリエルはワームズから離れる。
アリエルには当たらなかったが、土は猛烈に巻き上がられて土ぼこりが舞った。
1回の攻撃の破壊力は彼女達が戦った相手のなかで最も強力であろう。
まともに喰らえば大ダメージは免れない。
致命傷にもなり得る。
当然に彼女達は精神的に恐怖していた。
突っ込んでくる頭から逃げるのに成功したが、そこでワームズは再び土の中に潜って行く。
「また潜っていったわ……」
「クソ、戦いづらい相手だな。戦うのか潜るのかはっきりしろっつうの!」
リリスはワームズの戦い方に不満を言い、魔剣を潜って行った場所に向ける。
「また……出てくるわよ。その時がチャンスでしょ。アリエル、リリス、私にもう一度やらせて欲しい!」
ミーコは2人にお願いした。
次こそ攻撃を当てたいと思ったからだ。
簡単にかわされたのが、頭に来たのもある。
「……イケるのミーコ……」
「ええ、考えがあるから」
ミーコは秘策を持っていた。
ワームズに対して有効な攻撃を考えていた。
それはワームズから逃げていてはダメだということ。
自分よりも大きな体をしているし、破壊力もあった。
逃げていては、必ず先に殺されるとわかった。
そこでミーコは逃げずに逆に近くにいく作戦をとることに。
考える時間を与える程、ワームズは甘くはなかった。
彼女達の足元の下をさまよっていたのだった。
再び土が盛り上がると、ワームズは頭を地上に出して、ミーコに照準を合わせる。
まるで弾道ミサイルのようにして狙いを定める。
ミーコに突進してきた。
「ミーコ!!」
「逃げてはダメ。こっちから攻めてやります!」
ミーコは決して逃げずに剣を構えると、ワームズに向かい激走した。
ワームズも速度を更に上げて突進する。
両者は中間点で激接した、
ミーコはワームズとぶつかる直前に頭の突起物にしがみつくのに成功した。
そしてそのまま頭から離れずにくっついていた。
「ミーコ!!」
リリスが叫び声を。
「大丈夫!」
大丈夫ではないのは明らかであるが、ここでミーコは聖剣ヴェルファイアを頭に突き刺したのだった。
ワームズは頭に刺さり激痛が走る。
「オオオーン!!」
痛みを発した奇声を上げた。
「いいぞミーコ、もっと刺すんだ!!」
リリスはワームズが痛がってるのが伝わりミーコに指示する。
ミーコも攻撃を緩めるほど、おしとやかではない。
2度3度と繰り返し聖剣ヴェルファイアを刺す。
刺すたびに体をくねらせる。
体が大きく揺れる為にミーコは振り飛ばされそうになるが、ここで離れたら負けた確信した。
だから絶対に離れないように聖剣ヴェルファイアを握りしめた。
ワームズの動きに精彩が無くなる。
見る間に動きが悪くなっていたのをみたミーコはリリスに言う。
「リリス、今ならあなたのディープスピンが当たる!」
鈍くなったワームズに対してリリスのスキルを与える作戦である。
自信はなかったがリリスはミーコの考えにのることにした。
「やってやるぞ……」
リリスは魔剣グラムに魔力を注ぎ込んでディープスピンのじゅんびを開始した。
多少の時間がかかるのは仕方なく、その間はミーコが踏ん張る。
待ってろよとリリスは意識を魔剣に集中させて、やっと放てる段階に。
その時にミーコはもう限界に近かった。
「リリス、ミーコに当てたらダメよ」
アリエルはミーコを外して当てるように言った。
「わかってるぞ。でも難しいかな……」
引き離されるそうになっていた時にリリスが、
「ミーコ……お前の頑張りは無駄にしないぞ……ディープスピン!」
魔剣グラムは暗光りを発してワームズに光線が放たれた。
それでも遅くなったワームズに命中させれるのは難しい。
止まってる相手ならいざ知らず、動いている相手だ。
もし狙いがズレてミーコに当たったらと考えた。
だから絶対に外せないし、失敗は許されない。
「オオオーン!!」
またもワームズの奇声。
「当てたぞ!!」
リリスのスキルが炸裂した瞬間であった。
ワームズの頭の下部の胴体部分に的中。
いっそうワームズの動きは悪くなる。
そこが狙い目でる。
「トドメをさそう!」
「接近戦だ」
アリエルとリリスはこの瞬間を逃さずに接近戦に切り替えた。
ワームズに接近し打撃を与える。
体を地に着けて動けなくなるまで、3人は攻撃を続けた。
やがて力尽きて固まった。
「ミーコ!」
「私もやる時はやる!」
ワームズの上で勝ちを宣言した。




