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 ダンスキノコを大量に倒し獲得した経験値によるレベルアップがあった。



柳生 冷


性別 男

種族 人族

 

ユニークスキル スキルストレージ 

職業 無職狂戦士バーサーカー

レベル3801←300アップ


体力  15509←800アップ

攻撃力 15509←800アップ

防御力 15509←800アップ

魔力  15509←800アップ

精神力 15509←800アップ

素早さ 15509←800アップ


剣術レベル1659←170アップ

柔術レベル1659←170アップ

槍術レベル1659←170アップ

弓術レベル1659←170アップ

斧術レベル1659←170アップ


鼓舞を覚えました。

[ランドショット]を覚えました。

[スキル想像]を覚えました。


[スキル想像]

 習得したスキルを組み合わせて新しいスキルを作り出す。素材スキルは合成後に無くなる。


 冷は無職狂戦士レベルが3800にまで達したのは特に気にしてはいなくて、本人も無視していたし、何の意味もない職業と聞かされていたのもあるし、ここに来て信じられない成果が現れ驚いた。

 先ずはランドショットというスキルを覚える。

 これは狂戦士のスキルであった。

 もう1つの覚えたスキルもまた狂戦士独自のスキル。

 スキル想像は今までに覚えたスキルを組み合わせて、つまり合成して新しいスキルを作るだと、何が出来るのかは作ってみないとわからないわけで、冷はその場で悩んでしまう。

 しかし新しいスキルを作る作業は面白そうだなとも冷は思っていて、武術の世界では他人の優れた技をマネして自分の技にすることはあるし、それが認められた世界でもあり、いかに自分流に体得出来るかが1流と2流の差といえて、物は試しとばかりに実験をしたい気持ちになった。

 

[ランドショット]

土属性魔法である。

土の塊を放出し小ダメージを与える。


 新たな攻撃スキルを覚えたのは収穫といえて、使いこなせるように練習が必要になりそうで、なおかつ全て新しい属性だけに楽しみな冷であった。

 そこで新しいスキルを試そうと思い相談してみる。


「新しいスキルを覚えたから試し打ちしてみたいのだがいいかな」


「それなら使ってみたら。冷のスキルを私も把握しておきたいし」


 この時はまだ気づいていなかった彼女たち。

 そのスキルの偉大さに。

 とてつもない可能性に。


「ランドショット!」


 冷は覚えたてのスキルであるランドショットを放ったら、土属性の魔法なので土が固まり放出されると森の林を数本はなぎ倒す威力であり驚いた。


(これはけっこうな威力だな)

 

「凄いです。これは威力があります」


「これだけじゃないぞミーコよ。実はもう一つ知らせがある」


「何でしょうか」


「俺の職業で無職狂戦士がレベル3800になったらあるスキルを覚えたんだ。スキル想像だ」


「スキル想像? よくわからないですが?」


 冷がスキル想像の説明をするとみんなは興味深く聞いてはいたが実際は想像と聞いてもピンとこないでいたのである、もちろん冷本人も同じであった。


「俺もわからない。だからこれから使ってみるぞ」


 スキル想像を使ってみようとすると、頭の中に浮かんだ文字。


(なんだこれは。どうなってんだかな)


[スキル想像]


 新しいスキルを想像しますか?

 はい/いいえ


 急に質問された形で驚いた冷だが、要は選択していけばいいのだろうと思い、はいを選択してみた。



 想像するスキルを一つ選択してください。


[邪眼]

相手のステータスを閲覧する。

邪眼を封じる方法もある。


[オメガランサー]

破壊的な突きで敵を全滅させる。


[睡魔封じ]


[睡魔]

敵全体に睡魔の効果を与える。


[盗人ガード]


[ダンジョンライト]


[攻撃回避]


[闇の毒]

敵に触れただけで毒の効果を与える。

徐々に体力を奪う。


[フレイムバーン]

魔法使いの魔法スキル。

火の属性。


[ドラゴンブリザード]

竜騎士の魔法スキル。

水の属性。


[斬鉄斬り]

戦士の大剣スキル。


[癒やしの手]

整体師が持つスキル。手から光属性の魔力を発して触れたものに魔力を注入し癒やしの効果を与える。


[水の壁]

水属性の魔法スキル。


[ガイコツの息]

吐いた息を吸うと相手はその場で気絶する。


[鼓舞]


[ランドショット]

土属性魔法である。

土の塊を放出し小ダメージを与える。


 複数あるスキルの中から選択を迫られた冷は、最も興味深いのが攻撃的に使えるスキルのパワーアップであり、そうなるとオメガランサーが有力であったので、オメガランサーを選択した。


 オメガランサーを選択されました。

 オメガランサーはランドショットと想像可能です。

 スキル想像後はオメガラウンドが生まれます。

 よろしいですか?

 はい/いいえ


 オメガラウンドとなると説明されてもその効果がわからないが、ある意味賭けの覚悟で想像してみようと思う、作るとオメガランサーは消失してしまうのは痛いが冷は選択することに決めた。


(大丈夫かよ。もし失敗したら痛いぜ。オメガランサーは強力だからな)


 オメガラウンドが生まれました。


[オメガラウンド]

オメガランサーのダメージ力のアップ。


(どうやら成功したらしいが……)


 スキル想像には成功した。

 それはあくまでも説明文での話であり、実際は使用してみてわかる。


「どうやら俺のスキル想像は成功したようだが」


「成功したのなら試してみたらどう?」


「そうだな。はっきりするしな」


 冷は今生まれたばかりのスキルを試してやろうと意気込んで、先ほど放ったランドショットと同じ方向に向けて放った。


「オメガラウンド!!」


 すると以前のオメガランサーよりも巨大な、隕石くらいであったが、それを超える大きさにまで膨らみ膨張していき、冷は正直大丈夫かこれと不安に思うほど成長して森の山ごと一つ吹き飛ばすくらいの力であった。


「たまげた!!」


 見ていた全員が驚がくしたのは言うまでもなく、しばらくぼう然となる程の破壊力で、冷は自分の持つ職業のスキルにこんな秘めた力があったと嬉しくもなった。


(ヤバイぜこれは!)


 スキルを確認するとオメガラウンドは新たにあるが、合成したオメガランサーとランドショットは消えていたので、合成想像したら無くなるというのは本当のようであり、ただし冷が喜ぶべきポイントは破壊力は凄まじい程に上がっていた。

 そこで続けてもう一つ作れるかを検証してみて、斬鉄斬り、これをスキル想像するとどうなるかが冷は興味をかき立てられて実行してみた。


「調子に乗ってもう1つ想像してみるぜ」


「失敗するなよ」


「わかってるぜ」


 ミーコの心配をよそに試みる。


[スキル想像]

 

 斬鉄斬りを選択されました。

 斬鉄斬りはドラゴンブリザードと想像可能です。

 スキル想像後は水竜斬りが生まれます。

 よろしいですか?

 はい/いいえ


 もちろん冷は、はいを選択した。


(水竜か。とても強そうな感じがある。おもいきって想像してみるか)


 水竜斬りが生まれました。


[水竜斬り]

斬った相手に水属性の巨大ダメージを与える。


(よし! いいぞ。今回も成功したようだ)


「どう?」


「ああ、バッチリだぜ。いずれお披露目してやるから楽しみにな」


「その言い方だと結果は良かったらしいとお目見えする」


 これは今後にも期待していいだろうスキルの予感が漂う結果となり冷も満足度はあり、次の実戦が初お披露目となるだろうと思うのだった。

 新たに手にしたスキル想像によって冷の成長は更なる高みへとまい進するのであった。

 またスキルストレージ内に[鼓舞]も加わってて、素早さのステータス値が上昇するので、今後の役に立つのに期待したい。

 ピルトの町に帰還し冒険者ギルドに立ち寄るとユズハが待っていた。

 

「冷さん、お帰りなさいダンスキノコは会えませんでしたか、こんなに早く帰れるわけないので」


「これを見てよ」


 持ち帰った袋をユズハ店員に見せた。


「こ、これはダンスキノコの素材ですが。どうやってこんなに大量の素材を取れたのですか。普通は取れて2、3匹がいいところでして、素早さがあるので見つけても捕らえるのが難しい魔物なの」


「足は早かったなあ。しかも大量に遭遇しちゃって、全部捕まえるのに苦労したさ。ざっと50匹はあると思うんだ、よろしく」


「50っ匹を倒したと!!!! いくら冷さんでもそれは無理。足がたりません」


 話をしてもユズハは信じようとしなかったのは、強さだけなら冷を認めるが、足の速さには限界という制限がある。


「ここに50匹分あるんだよ」


(見てもらえばわかるだろう)


「本当に……ありますね。もうどうやって集めたかはききません。きいても私が混乱するだけですから、止めときます。ちなみに足の速さはどのくらいあるのかだけでも教えて欲しいかな」


「足の速さは普通だよ。特別速いわけじゃないんだ」


「これのどこが普通なんですか!! ギルド的にはとても普通だと認められません。異常な数だと断言させてもらいます。そうしないと他の冒険者が自信を失いかねないし、ヤル気を無くしてしまいます。俺なんか冷と比べたらもうダメだとなってしまう。だから冷さんは完全な異常な冒険者としておくしか方法がなくなりました」


「異常な冒険者って、もうチョイいい呼び方あるでしょ。まぁいいです何でもさ。ではまた来ます」


 冷は何だか納得したような、してないような感じでギルドを出た。

 ギルド店内では冷の収穫を見てただ驚くしかなく、ユズハの言うように自信を無くした冒険者が現れた。


「あの、俺は冷と比べたらダメな冒険者ですよね。無理だろうか続けるのは」  


 冒険者は不安そうに言う。


「ダメではありませんから心配せずに続けてください!!!! ひとりでも多いほうがいいのよ。あの方は何人、いや何十人分を働いただけですから。比べたら頭がおかしくなりますので無視しましょう」


「無視ですか。そうですね、とんでもない冒険者が現れたものだよ。この世界を救えるなんて噂があるくらいだ。頼もしいけど、まさかあの魔人に手を出すことはないだろうか。それが気がかりなんだ。彼なら手を出しかねない」


 その冒険者は冷を認めているも不安も持っていた。


「あの魔人ですか……わかってます。サイクロプス……」


「ああ、まさかだと思うがオークを倒したのは衝撃的だった。その貢献度は凄いと思う。国王からも賞賛されたのは同然だろう。オークは町を破壊しだしたし、人々を大量に殺したのだから罰を受けるべきだ。ただし同じ中級魔人とはいえオークとサイクロプスは違うだろ。サイクロプスがもしも機嫌を悪くしたらそれこそ大変な事態に陥るぜ。国王だって危ういな」


「ギルドとしても、そこはわかってます。冷さんには近づかせない様に配慮したクエストを紹介することになってます。なにせあの調子ですからサイクロプスと遭遇しただけでも、ゾッとします。考えたくありません」


 冒険者と会話しながらその手は震えていた。

 冒険者ギルド側でもすでに検討をしていて、万が一サイクロプスに出会ったらどうなるかを話し合った。

 その結果はとても冒険者達には話せない内容であり、伏せておくことに決まった。

 

「あの事件は知ってるのかい冷君は?」


「あの王都騎士団を10万人を殺害した惨劇」


「サイクロプスは、たったひとりで10万人を殺害したんだ。それもほんの数分の間だったらしい。生き残った人は頭がおかしくなったそうだ。知らなければ教える必要があるな」


 その時に周りにいた冒険者が、ユズハの会話が聞こえたのだった。

 冷とサイクロプスが遭遇したらと聞こえて、身震いがした。

 当然のことだがこの町、いやこの国に住む者が知らずに暮らせるわけないのがサイクロプスである。

 誰もが恐れる中級魔人のひとりであり、ピルトの町で逆らう者は存在しない。

 それはサイクロプスが王都と激しく衝突した話。

 まだ冷が転生してくる以前のことであるが、サイクロプスの軍100人と王都騎士団10万人の軍勢がある日衝突した。

 王都騎士団側は相手の数が圧倒的に少ないのを見て、勝利を確信していた。

 100人と10万人では歴然たる格差があるのは、戦いを知るものならわかるだろう。

 戦場は騎士団がサイクロプス軍と向かい合った。

 直線にして端から端まで見えない程の距離に連なる軍隊。

 騎士団長は瞬殺を命令する。

 相手は魔人、手加減は不要だけに完全なる消滅を配下の軍に言い渡した。

 大群はその号令で動き出すとサイクロプスを潰しにかかった。

 対するサイクロプスは大軍勢を前にしても慌てふためくことはなく、むしろ冷静で敵を迎えうった。

 サイクロプスの配下の軍が出て来ると予想した騎士団長は、全くの予想外な展開に戸惑った。

 それどころか相手の軍がただ立っているだけで、何もしようとしないのに理解できない。

 サイクロプスはたったひとりで前に向かっていくと、剣を持つ部隊100人と打ち合う。

 真っ先に剣がサイクロプスに当たったが、剣は2つに折れた。

 騎士団員は腹を拳で貫かれていた。

 更に剣、槍の部隊がサイクロプスめがけて突進していくと、ことごとく拳で潰された。

 いや潰されたというよりも溶けたと言えたのは、拳が高温で熱せられており武器は溶かされ、鎧や兜も意味なく溶かされた。 

 辺り一面には騎士団員の溶けた死体10万人が山となっていて、騎士団長は何が起きたかわからないでいた。

 どう考えても数分しかたっていないにも関わらず、10万人もの軍勢が拳で殴られて溶かされたなんて信じようとしても無理と言えよう。

 目に見える速度を超えていて、人族のなせる技ではないと理解した。

 この時になって相手が魔人なのだと知ったが、すでに知るには余りにも犠牲者が多く出た。

 時間が止まった様に感じた時に、騎士団長の腹はサイクロプスの腕が貫かれていた。

 こうしてわずかに逃亡した騎士団員を除いて壊滅状態にしたのが魔人サイクロプスである。

 この話は王都を震撼させた。

 国内でも危険魔人として知れ渡るが、サイクロプスはと言うとそんなのは興味なかった。

 実は、たまたま遠征をしていたのであるが、それも理由は美味しい肉料理が食べたかったから。

 戦う気など毛頭なく、配下の魔族にも食べさせたかったのであり、単に食べ歩きであったのを騎士団が勘違いして逆に壊滅状態にさせられた形であった。

 サイクロプスはと言うと無用な戦いは避けたいのが信条で、同じ中級魔人達、ゴーレムやギガースには仕方ない奴だと思われていた。

 しかしサイクロプスの実力は札付きで誰も相まみれたいとは思わない為に、その力は誇示され中級魔人の地位を確固たるものにしていた。

 ユズハ店員もこの話は聞かされた後に、悪夢を見て眠れない日々が続いたほどだ。

 

「おいお前さん、サイクロプスの噂話はしてはいけないぞ」


「ああ、わかってる。変な心地がするんだ」


 冒険者はユズハから去っていった。

 

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