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リリスが倒れてしまったのを見てネイルは止めに入る。
「ご主人、コレは何の真似ですか? 仲間に攻撃するなんて。あり得ない行為ですし死んだらどうするの」
「ふふふ、ネイルよこれは攻撃じゃないんだよ。習得したスキルの訓練なのさ」
その時初めてネイルは慌てた。
なぜかアリエルとミーコが慌てていた理由がわかったのだった。
「ええあああえああ!」
どうしていいかわからず、尻尾を振り回す。
「ネイル! 逃げるのよ!」
「そうはいかないぞ[ガイコツの息]!!」
逃げようとしたネイルにスキルが炸裂。
クラクラとなりベッドに横たわった。
2人を気絶させた後に残ったのはアリエルとミーコ。
「冷くん、仲間なんだから仲良くしようね〜〜」
「そうですよ、魔法使ったから疲れてるでしょう。早く休みましょう」
言葉で冷を説得しようと試みるも。
「ふふふ。仲良く訓練しようじゃんか?」
「待ちなさいったら〜〜〜〜〜〜」
2人同時にベッドに倒れてしまった。
なんともあっさりと4人を気絶させるのに成功し、後は気絶から目が覚めるまでのお楽しみとなったのは、当然であろう。
念のため触ってみると何の反応もない。
熟睡してるように動かないのだ。
男からして女の子が4人も並んで寝ているのを見たらどう思うか。
興奮するのは当然だろう。
(何しても俺の自由だぞ〜。ならばこうしてやろかなぁ〜)
そこで冷は先ほど町の服屋で購入した服を取り出した。
袋から出すと服は水着であった。
4人分の水着が袋から出ると冷はなんと服を脱がして水着を着せるのであった。
寝てる人の着せ替えるのは意外と大変なのだと勉強になる。
4人を水着に着替えさせ終えると、満面の笑みを浮かばざるを得ない。
(よし出来たぞ、目が覚めたらのお楽しみだな〜)
しばらくして、4人にかけた気絶スキルの効力が切れた。
効力が切れれば目が覚めるのであるが、周りの着てる服にお互いに視線がいった。
「ななに、その服は、水着じゃないミーコ?」
「あはははは、アリエルだってなんで部屋で水着を着てるのよ!」
アリエルとミーコはお互いに姿を見合わせて指摘した。
「くくくくくっ、ネイル、部屋で水着着て泳ぐ気か、水なんてねえぞ」
「リリスこそ、なんて派手な水着きてるのよ?」
「ええええええええええつ!」
4人とも自分の体を見てみると、しっかりと水着が装着されていたのには驚いた。
「う〜〜〜〜〜〜〜ん、いい眺めだ。最高最高!」
際どいラインで体の露出が大きい水着をわざわざ選んだので、胸はほとんど見えた状態となる。
それを知って急に恥ずかしがる女の子達。
「きゃあ〜〜、見ないでよ冷。恥ずかしいから、女神は泳げないんだから〜!」
「そうなのか、泳いだことがないと?」
「そうよ〜」
「てことは、水着は未経験か」
「初めてよ着たのは。変な感じだし、恥ずかしいし。早く服を返して!」
水着を着つつ返してと体を振るので胸が左右に振れまくった。
(おお〜〜)
「これは何の真似ですか。盗賊から服を取り上げるなんて、最高の屈辱的な行為ですが?」
「その代わりに新しい服をあげただろう。気に入ったか」
「盗賊とは本来はあまり目立たない職業。影に隠れたりして相手を襲うこともある。それがこの格好じゃ見立ち過ぎてダメですから!」
言ってることは正論だろう。
盗賊たるものが、肌を露出して歩いていたら男は全員ガン見するに決まってる。
「盗賊アイドルとして人気出るかも知れんぞ」
「売れたくない〜〜」
ベッドで足をバタバタさせて嫌がると、水着が脱げそうになった。
(おお〜〜)
「い、いつの間に、こんな服に? これじゃあ整体師じゃなくなってしまいます!」
「いいじゃないか、その水着でネイルがマッサージさたら客は喜ぶさ」
「それはもはや整体師とは別の職業です〜!」
ネイルは嫌がるので胸が弾けそうになり、水着が破けそうだった。
(おお〜〜)
「おいお前なぁ、淫魔にこの可愛らしい動物の絵の水着はなんでだ? 仮にも淫魔だ、もっとエロい水着があるだろう」
リリスだけは可愛らしい動物の水着が充てがわれた。
エロいというよりも可愛らしい感じに仕上がっていた。
「なかなか可愛いぞリリス」
「か、可愛いだと〜〜。淫魔に可愛いだなんて、許さんぞ、もう見るな〜!」
両手で胸を隠して恥ずかしがるのだったが、かえって冷には可愛いく見えていた。
(おお〜〜)
4人は早く服を返せと朝まで叫んだが、冷は見物して楽しい時間を過ごしたのだった。
あの魔人を倒して町を救い、伝説的な強さをみせた冷。
いつ滅ぶかと噂される今、世界を救う聖者とも言われる。
町の誰もが冷が特別な冒険者であると疑わない。
普通の冒険者ではなく、神に選ばれたといってもいい強さ。
まだあどけない顔で少年らしさは残っていた。
それがこの変態っぷり。
変態としか言いようがない素行。
この事実を知ってるものはいない。
判明したら一大事であろう。




