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ネイルが仲間になりメンバーは冷と4人になった。
戦闘タイプでないのは邪眼を使い、所有するスキルで判断できた。
「ネイルは職業が整体師となっていたけど魔物と戦った経験はあるかい?」
「えっ、どうして整体師ってわかったのかな不思議。魔物との戦った経験は無くて完全に非戦闘員だと思っていいし、苦手なの」
「俺はスキルで邪眼を持ってるんだ。みんなのステータスを見れた。整体師でスキルが癒やしの手となっていた。マッサージ的な能力なのかな」
「疲れた体をマッサージしてあげられますから。奴隷になる前から身につけていた能力。ご主人様にもしてあげます!」
「そ、それは夜にでも頼もうかな。あと仲間を紹介する、アリエルとリリスと元勇者ミーコだ。ちなみにアリエルは職業が女神、リリスは淫魔、ミーコは盗賊だから、ネイルは俺たちが冒険に行ってる間はお留守番になるんだぞ」
無理に探索に行かせる必要はなかった。
なにしろ大金を払ってゲットしたのである。
大事にしたいと思うのは当然だろう。
「えっえええええ。女神と淫魔って言いましたか。聞き間違いだと思うけど、神族と魔族の2人だとしたらここにいるわけないですよね」
「女神ですよろしく。訳ありでこの世界に来ちゃった」
「淫魔だが、驚いていいぞ」
「私はミーコです。盗みなら負けないよ!」
「よろしく。今日は冒険に行かれるの?」
「予定としては養成所にも行きたいので、いったん宿屋に行こう」
ネイルを預けるため宿屋に戻ったら、エクセリア店員が待っていて、
「冷さん、あら、またひとり増えたみたい」
「ネイルっていいます。宿屋に泊まれるなんて嬉しいなあ」
ネイルは丁寧に挨拶する。
「それでは5人分の部屋でよろしいですか、5000マリです」
「お願いします」
冷のハーレムの人数が増えて驚いた店員であった。
ネイルが増えて夜が楽しみになっていた冷は必死に我慢する。
(う〜〜〜ん、またひとり増えて夜の楽しみも増えたぞ〜〜〜〜〜〜!)
部屋に入るとネイルは奴隷から開放された嬉しさで、ベッドの感触を楽しんだ。
冷は自由にさせてあげたのは理由があったのだ。
(奴隷から開放されたと言っても今だけだぞ〜)
女の子が増えてワクワクしているが、他にやることがあった。
ミーコが冷をみて、
「養成所に行くとして、いくつかのコースがあります、例えば戦士学科、魔法使い学科、僧侶学科などあってどれを選ぶかは本人の興味、適正で決めます。私は盗賊になったのは盗賊学科を受講したから。冷氏がどの学科を選ぶか初めに決めておいた方がいいですよ」
「なるほどな、職業はひとり1個だから複数受講する者はいないのだな」
(全部受講するのは勘弁てとこ。基本は魔力が欲しいわけで、それ以外の職業は必要ないだろう)
「そうです」
「じゃあ俺は魔法使い学科を希望したい。魔力について知識が全くない。魔法を使ってみたいし、面白そうだ」
「お前の面白そうだは、やや不純な気がするぞ。たいていエッチなことの時がそうだ」
見事にみすかれていた。
「エッチなことなどミジンも考えてない、俺は純粋に強くなりたいのだ」
「その顔が怪しいもんだ」
「俺の顔は中々いいと思うけどなあ。それとネイルはお留守番を頼む」
「はい、養成所頑張ってご主人様!」
今日の予定としては養成所に通うと決めていることもあり、今はネイルはそっとしておくとした。
ネイルは宿屋にお留守番となる。
職業を得るため養成所に向かうことしたが、やはり学校システムに興味がないのは変わらなかった。
最強の武術家はひどく学校が苦手であって、まだ魔人の方が苦手意識はないのだ。
養成所に到着すると、まずは受付けをした。
養成所は古い建築で歴史を感じさせる。
実際に受講するのは冷だけだが、アリエル達も同行して見学となった。
宿屋にいても暇だし退屈であり、それと魔人を倒した冷がどんな風に受講するのか興味があるのだった。
校舎に入ると受講生徒の姿が見えた。
受付けには黒髪で黒メガネをかけた女性が対応した。
すらっと背は冷よりも高い。
胸は大きいと言うよりも、スレンダーな曲線であった。
冷は邪眼で拝見しておいた。
(うわあああ、とびっきりの美人だなあ〜〜〜)
[イリサ]
性別 女
種族 人族
職業 養成所教師
スキル 縄縛り
「こんにちは、養成所に入校希望で来ました」
冷が初めに声をかけるとイリサは、
「入校はそちら様の全員ですか?」
「入校希望は俺だけです。俺の現在の職業は無職狂戦士なので職業が欲しいです」
「無職ということは冒険者になって魔物と戦いたいのですね。それは歓迎します。ここはどなたでも学ぶ気のある方なら大歓迎。あなたはまだ若いし、入校したら厳しいかもしれないけど、頑張れば立派な冒険者になれますから」
「まだ言ってなかったけど、もう冒険者登録はしてありますし、クエストランクは3です」
イリサは冷だと知らずにごく普通の見習い冒険者だと思っていたので、嘘を言ってると断定する。
「なに! 無職のままでギルド登録をしたと。まあそこまでは許そう。だが無職でクエストランク3は嘘だろう。まず職業設定が無職の時点で攻撃力、防御力、素早さ、魔力、体力などのステータスが激減。つまり何らかの職業を得てクエストに行くのが常識だ。それをランク3などと、私に誤魔化しは通用しない。正直に言うんだな、まずは名前だ、名前を言いなさい」
養成所の教師も勤めるだけあって、生徒に舐められては困る為に、上からものを見るように言う態度で言う。
「嘘はついてません。名前は冷です」
(俺のことをまだ知らないようだな)
「冷か、変な名前だな。何事も正直が大切ですから。入校するには手続きが必要で…………ち、ち、ちょっと待てよ、今、冷と言ったか?」
「言いましたよ。冷です問題ありですか。まさか変な名前だと入校できないとか」
「違う、違う、確か魔人オークを倒した若者がいると町は大騒ぎだ。この町を絶滅の危機から救ったと。しかもたったひとりの人族であって、名前が冷だと。キミがその冷だと?」
「ああ、そうだけど。そんな騒ぎになってんのか、まいったな〜」
(やっぱり名前は知れていたか)
「し、し、し、失礼した。あの冷なら無職でのクエストランク3も納得できる話だ。しかも無職でステータスが増えない状態で倒したとは規格外だ。ただし気になるのは無職狂戦士という職業だが、この教師である私が知らない職業だな。元の能力はどれだけあるのか底がしれない。キミが望むなら職業は変更した方がいいだろう。なにせステータスは増加するしスキルだって習得できるんだ。断っておくが職業はひとつしか設定できない為、普通はいくつかある学科の中からひとつを選択してもらう!で、入校するならどの学科を希望されるのだ」
冷だと発覚すると上から目線を止めて、怖がる様に話出した。
オークを倒したと言う話を聞いた時は衝撃を受けたのだった。
その人物が目の前にいることで動揺した。
「魔法を使いたいので、魔法使いの学科を受けたいです。イマイチ魔法てのがわからないので。打撃系の経験はあるから使えます」
冷は魔法に大変興味があるのであったので、そのむねを伝えてみる。
「魔法使い学科か。なるほど、オークを倒した時は打撃系で倒したということか。魔法が使えたら更に強くなれる。凄い素質を持っているのは理解しました。オークを倒した打撃のセンスなら魔法も覚えられるでしょう。それでは入校の手続きをする」
意外と簡単に入校の手続きが完了した。
これで魔法使いへの道への道が出来たわけである。
ただし魔法使いの職業を得るには条件があり、冷が条件をクリアしなければならない。
目的はあくまでも魔力が使えればいいのであって、魔法使いの職業は興味がなかった。
条件は冷は自信を持って言える。
(登校拒否しなきゃいいけどな〜〜)
現世では登校拒否は当たり前であっただけに、不安も隠せないでいた。
その学習の様子をアリエル、リリス、ミーコは見学となった。
「頑張って冷!」
と応援されてやる気を上げていき、イリサの案内で養成所校内を歩き教室へ行く。
広い校庭のような広場が見えた。
教室では多くの受講生徒がいて、まだ初心者だろう落ち着きがなくみえた。
冷は緊張しないようにしていたが、さすがにこの手のシチュエーションは緊張する。
まるで転校生になって初めて教室に入る気分にも感じた。
「では皆さん。今日の魔法学科の新しい生徒を紹介します。冷君です。彼はまだ無職狂戦士ですので、みなさんが教えて上げてください」
イリサは冷を紹介する。




