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追補7: 紙とネットの違い、人それぞれの違い

1.紙の新聞とネットの新聞の違い


 唐突ですが、皆さん新聞を読んでいらっしゃるでしょうか?

 ネットの小説サイトを読む方々ですから、紙ではなくて新聞のネットサービスで読んでいるかもしれませんね。ただ、完全にネットに移行してしまった人も昔は紙で読んでいたと思います。

 それらの違いを思い浮かべていただければと……。


 たとえばネット(Webサイト)の新聞なら、こんな書き方だと思います。



===ネットの例(ここから)===

 ○○県の△△動物園は15日、ライオンの赤ちゃんが誕生したと発表した。


 父親はタロウ、母親はハナコ。誕生日は4月1日、性別はオスが1頭、メスが2頭。いずれも順調に育っているという。


 飼育員の××さんは「3頭ともとても元気です。公開は四月末を予定していますので、ゴールデンウィークには、ぜひご来園ください」と語っていた。


 公開時には1日2回の見学時間を予定している。同時に行われる撮影会は有料。問い合わせは△△動物園(×××-×××-××××)。

===ネットの例(ここまで)===



 しかし紙の新聞では、同じ記事がこうなると思います。



===紙の新聞の例(ここから)===

 ○○県の△△動物園は15日、ライオンの赤ちゃんが誕生したと発表した。

 父親はタロウ、母親はハナコ。誕生日は4月1日、性別はオスが1頭、メスが2頭。いずれも順調に育っているという。

 飼育員の××さんは「3頭ともとても元気です。公開は四月末を予定していますので、ゴールデンウィークには、ぜひご来園ください」と語っていた。

 公開時には1日2回の見学時間を予定している。同時に行われる撮影会は有料。問い合わせは△△動物園(×××-×××-××××)。

===紙の新聞の例(ここまで)===



 インタビューのコメントなども紙の新聞なら詰めますが、Webだと前後に空行を設けることが多いです。

 数は少ないですが、行頭の字下げを省くニュースサイトもあります。一行ごとに全て空行を入れるのであれば、字下げをしなくても充分に判別できるからでしょう。




2.紙とネットで形式が異なる理由


 紙とネットで形式を変えるのは、下記の理由からだと思います。


その1.Web上の文章は空白を用いても紙を浪費せずコストが増えない。

その2.Web上の文章は目が滑りやすい。


 その1は紙資源の保護からも望ましいことですが、ネットの場合は関係ありません。空白を入れても改行コードやWebの改行タグが加わるだけで、データとしては数文字分が追加されるだけです。


 その2については、感覚的には多くの方が実感されていると思います。

 新聞ですと、多くの記事は一枚の紙に収まっています。したがって視線を少しずつ動かすだけで済みます。また雑誌や本などでも、ページを捲ったとき次に目を向けるべき場所は決まっています。

 それに対しWebやスマホなどで参照する場合、どれだけスクロールしたかで次に目を向けるべき場所が変わります。したがって適度な空白を設けて文章を分けた方が見やすくなります。


 ちなみにWeb上の記事では雑誌系のニュースサイトも含め、例のように一行ごとに空白を設ける場合が多いようです。画面内に収まる程度の短い記事でも同じですから、スクロールを抜きにしても視認性を向上させた方が良いと判断しているのでしょう。




3.掲載場所に合った選択、人それぞれの選択


 つまり「空行が多いのは望ましくない」「字下げをしないのはルール違反」などは、紙での提供を前提にしているからです。あるいは紙の文化を引き摺っている、とも言えます。

 文章を読ませるプロである新聞社や出版社の編集者もネットならネットに合わせた形式を選ぶのですから、ネット小説を書く方がネットに最適化『しても』問題ありません。


 敢えて『しても』と記したのは、何を優先するかは人それぞれだからです。


 たまたまネット上に掲載しているが最終的には紙での発表を考えており、そのための感覚を鈍らせたくない。そういう方もいるでしょう。

 その場所ごとに調整し、読みやすくする方もいるでしょう。または、そうしたくとも時間の関係で断念する方もいるでしょう。


 新聞や雑誌などを紙とネットの双方で発行する場合、殆ど全てがネットではネットの形式に合わせています。ですが、これは商業目的で一人でも多くの読者を呼び込むためです。

 それに対し投稿者は、各自の目標や意図以外に何の制約もありません。ですからレイアウト的な構成であれ、ストーリー上の構成であれ、はたまた題材や表現法や長短であれ、公序良俗や発表場所の規約に背かない限り、どのような形にしても構いません。

 選んだものに共感してもらえるかという問題はありますが、そもそも他者の評価を気にしない人もいるでしょう。


 前回まで、「小説家になろう」では、一般の書籍では、と事例や考察を記しました。しかし、これらはそれぞれで好評を得やすい形式を探ったに過ぎません。

 掲載場所の特徴を知りつつも、敢えて自身の道を行く。誰にも迷惑が掛からないのであれば、それもまた良しだと思います。




4.誰に見せたいのか、何のために書いているのか


 私は単なるアマチュアですので「どのような構成が」と書いても説得力はありませんし、自身も日々模索している身です。

 したがって「何が良いか」は記しませんし、そもそも記せません。


 ただ一つ言えるのは「どのような人に読んでもらうか意識する」のが大切だと考えています。若い方か、年輩の方か、男性なのか、女性なのか、あるいは複数を対象にするのか。もっと細かく、何が好きな人に向けたものなのか。

 もちろん「自分だけが対象」という方針もアリだと思います。自分自身に最適化された、自分のための小説。趣味でしたら、それもアリだと思うのです。あるいは「これにチャレンジしたいから」という習作もアリでしょう。

 たとえば手芸やDIYなどで、自分が使う物を作る。腕を上げるために取り組む。それと同じでは、と。


 それぞれの投稿者が、それぞれの思いで書いた作品。一面的な見方ではなく、個々の思いを尊重したいものです。

 もちろん合わないものを無理に読む必要はないですし、私自身もする気はありません。ただ、それぞれが楽しみ、そして運よく好みの作品と出会えたら……とてもステキなことだと思います。


 これにて完結といたします。

 お読みいただきありがとうございます。


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