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第44話 インドネシアの火山で金儲け その3 2019.1

◆火山周辺の住民説明会と交渉


インドネシア・スマトラ島、アナク・クラカタウ火山のふもとにある村。

火山活動が繰り返されてきたこの土地は、豊かな自然と危険な災厄の両方を抱えていた。


リリィたちは、首都ジャカルタでの協議を終えた足で、溶岩資源工場の建設予定地となるこの村を訪れていた。政府の後押しもあり、村の広場で住民向けの説明会が開かれることとなった。


木造の集会所の前には、漁師、農民、商店主、子ども連れの母親までが集まり、不安と興味が入り混じった面持ちでリリィたちを見つめていた。


「火山の溶岩を利用する?そんなことが本当にできるのか?」 漁師の老人がしわの刻まれた顔をしかめてつぶやく。


「この工場ができたら、私たちの村にどんな影響があるの?」 若い女性が抱いた子どもをあやしながら問いかける。


「畑に悪い影響が出たりはしないだろうな?」 農民の男が鋭い視線を向けてきた。


リリィは一歩前に出て、村人たち一人一人の目を見ながら口を開いた。


「皆さん、私たちは、この村を守るため、そして皆さんの暮らしをより良くするために来ました。火山の力を、あなた方の未来の力に変えたいのです」


ジャックが腰の端末を操作し、空中にホログラムマップが投影される。火山、村、工場の位置関係、災害対策施設の配置図が丁寧に示された。


「このプロジェクトでは、火山の溶岩を制御し、鉄・アルミニウム・チタン・二酸化ケイ素などの資源を抽出する工場を建てます」

ギルスが冷静に説明し、金属サンプルを掲げて見せた。


「それだけじゃない。雇用も生まれます。村の皆さんには工場作業、物流、施設保守など、多くの仕事の場が提供されます」 コモンが胸を張って語る。


ざわついていた人々の中から、若い漁師が声を上げた。 「それって、俺たちにも仕事があるってことか?」


「もちろんだ」 コモンが力強く答えた。


しかし、依然として不安げな声もあがる。 「もし噴火が起きたら、どうなるんだ?」


その問いに、スジャナ内閣官房が補足説明を行う。 「そこは、リリィさんたちの持つ魔法技術に頼ることになります。火山の圧力は、定期的に抜くことで安定化が可能です」


リリィが頷きながら説明を続けた。 「私たちは、ダンジョン技術を使って地下に空洞をつくり、マグマを安全に抜き取ることができます。これで、突発的な噴火を防ぐのです」


「加えて、溶岩流を防ぐための防壁も設置します。実際に、今からご覧に入れましょう」 ジャックが言い、火山の中腹へ視線を向ける。


リリィが結界魔法を展開すると、火山の斜面に半透明の魔力の壁が出現した。


「この防壁が、万一のときに溶岩の流れを制御します。では、少量だけ溶岩を誘導します」 ジャックが手をかざし、小さな噴出口から粘性のある溶岩を流す。


それは魔力の防壁に沿って安全なルートを流れ、まったく村の方には近づかなかった。


「・・・・!」


息を呑む村人たち。誰もが、それが魔法の成せる業であることを理解した。


「火山を恐れる必要はありません。使いこなせば、豊かさを生む資源なのです」 リリィが穏やかに語りかけた。


しばしの沈黙ののち、村のリーダー的な男性が一歩前に出た。 「この工場ができれば、我々の生活は変わるかもしれない。安全が守られるのなら、我々は協力します」


「ありがとうございます!このプロジェクト、必ず成功させてみせます」 リリィは深く頭を下げた。


拍手が沸き起こる。村人たちの表情が、安堵と期待に変わっていった。


こうして、インドネシア・クラカタウ火山のふもとに、新たな資源開発の未来が拓かれた。

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