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第137話  ハイチ大地震  その1   2021.8

ニューヨークの拠点

マーガレット「リーダー、、また未来の自分からメッセージが来たニャ。今度は1週間先からニャ。」


リリィ:「了解。マーガレット。みんな集まって、会議するわよ。」


朝食後、くつろいでいたメンバーが集まってきた。


マーガレット:「2021年8月14日、ハイチ南西部に、マグニチュード7.2の地震が襲うニャ。死者数2200人以上、負傷者数12000人以上、建物被害は約14万棟が倒壊または損傷するニャ。道路も寸断するニャ。」


ジャック「死者2200人、負傷者数12000人って、酷いな。」


リリィ「地震は火山地震しか経験がないわね。」


ジャック「ハイチは日本と同じく、プレートが押し合っている地形だ。断層がずれて地震が起こったのかもしれんな。」


リリィ「ジャック、地震について、調べてたのね。」


ジャック「ああ、いずれ対策を必要とされると予想していたからな。しかし、知っているのは少しだけだ。」


リリィ「このまま、行っても、出来ることは限られているわね。」


ジャック「日本のシンクタンク、地震研究所に行ってみよう。なにかヒントがあるかもしれない。前のシンクタンクのコンテストで5位をとっている。コネは十分だ。これが電話番号だ。」


リリィ「分かった。協力を依頼してみる。」


リリィさんが、日本の地震研究所に笑顔で電話している。


リリィ「アポが取れたわ。すぐに行きましょう。」


ジャック「さすが、早い!」


リリィ達一行は、東京の菱紅商社の会議室に転移した。

三田部長「リリィさん、こんにちは、突然、どうされました。DNAシーケンサーの件ですか?」


リリィ「違うのよ。日本地震研究所に行きたいの。送ってくれるかしら。」


リリィ達一行は菱紅商社の車で日本地震研究所に降り立った。待っていたのは 山本所長と研究者たちだった。


所長「リリィさん、早いですね。さきぼど、電話をいただいたのに。」


リリィ「ニューヨークから転移魔法で来たから。」


所長「・・・・」返事に困っている。


リリィ「ハイチでマグニチュード7の地震が発生するかもしれません。地震のことについて、知りたいで教えてください。」


所長「分かりました。ハイチの地震ですか。日本と同じく、断層地震が多い国ですね。」


地震研究所の中を案内されて、プレートの動きや火山活動の観測・解析を行う仕組み、地震予知や防災技術の開発も行っている様子を説明してくれた。


リリィ「所長、地震を防ぐことは可能と思いますか?」


所長「私が神であっても、難しいでしょうね。」


マモル「所長、ちょっと聞いてもいいですか?」


リリィ「待ってたわ。マモル」


マモルが苦笑しながら、話を続ける。


マモル「プレートとプレートが擦れあって、力が溜まっている状態が開放されると地震が発生すると聞きましたが、その力が溜まっている状態を調べることは出来ますか。」


所長「難しいですが、基準点を設けて、長年にわたりズレを計測すれば溜まっている力を推測できます。衛星を使って、衛星測位システムを使い、プレートの動きや断層のズレをリアルタイムで監視します。」


マモル「溜まっている力を計測するのは難しいのですね。次にあなたが神の力をもっているとして、プレートに蓄えられた力を逃がすのは、どんな方法がありますか。」


所長「う~ん、分かりません。」


マモル「プレートとプレートの間に油のような潤滑剤があれば、力が蓄えられないと思いますか。」


所長「プレートの地層では、圧力で油は油のまま存在できません。」


マモル「失礼しました。じゃあ、質問を変えて、東京スカイツリーの耐震構造は、どのような仕組みでしょうか。」


所長「たしか、東京スカイツリーは心柱制振といって、心柱と外側が別々に動いて地震の揺れを約50%低減することと、制振オイルダンパーといって、振動を吸収する装置を備えていると記憶しています。」


マモル「建物の耐震構造は複雑なのですね。」


日本の各所の地震計の表示をモニターで確認しながら、マモルが聞く。


マモル「ここの地点の地震計の値はなぜ少ないのでしょうか?周囲の地域が震度1から2の震度のとき、ほとんど震度ゼロですね。」


所長「ああ、それは今調査中です。以前は地震計の値は周辺と同程度でしたが、1年ほど前から、地震計の値はゼロです。地震計の故障かと検査しましたが、地震計を取り換えても同じ値でした。」


マモル「地下空洞があればどうですか。」


所長「それは、震度ゼロになっている理由になりますね。」


マモルは大きく頷いて、言う。

「リリィさん、地震対策ができました。既に私たちは十分なテクニックを持っていました。」


ジャック「なるほど、そういうことか。」


リリィ「了解、あとで答え合わせを頼むわね。」


リリィは頷いて、所長に礼を行って、地震研究所から出た。帰り道で、車から降りて、ニューヨークの拠点に転移した。


・・・・・・・・・


ニューヨーク拠点

リリィ「それでは、マモル、あなたの考えを教えてちょうだい。」


マモル「それは、あの震度ゼロの地点は富士樹海の沼ダンジョンのある場所でした。」


リリィ「えっそうなの?地図では場所がよくわからなかったわ。地下に沼ダンジョンがあれば、地震が防げるの?」


マモル「地下の空洞が地震の振動を遮っているのですよ。きっと。」


リリィ「つまり、ハイチの地震を防ぐには、ハイチの被災する町の下にダンジョンを設置すればいいのね。」


マモル「そうですね。あまり、高さはいりません。低くてもいいので、できるだけ広くして、地震の振動を地面に伝えなければ、被害がでなくなると思います。」


ジャック「素晴らしいね。新ダンジョンコアなら、従来の10倍の広さのダンジョンを設置できる。新ダンジョンコアの数が十分にあれば、ハイチを救えるな。」


リリィ:「じゃあ、いつものように国連に行きましょう。」


・・・・・・・・・・

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