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第130話 政治AIアドバイザーアケミの活躍 エクアドル

南米の国、エクアドル。

アンデス山脈、アマゾンの熱帯雨林、そしてガラパゴス諸島を擁する美しい国であるが、

その一方で、経済の不安定さ、治安の悪化、資源依存、政治の腐敗という問題を抱えていた。


過去に度重なる政権交代やデフォルト(債務不履行)を経験し、国際社会からの信用も低い。麻薬密輸のルートとしても利用され、犯罪組織の影響力が拡大していた。


そんな中、首都キトの大統領府に、一つの黒い装置が届けられた。

それは、世界各国で変革を起こしてきた「政治AIアドバイザー・アケミ」だった。


大統領は慎重に装置を見つめ、深い溜息をついた。


大統領:「AIが、この国を救うことができるのか?」


側近がスイッチを押すと、優雅で理知的な声が響いた。


アケミ:「私は政治AIアドバイザー・アケミ。あなたの目的は?」


大統領は静かに、しかし確固たる決意で答えた。


大統領:「エクアドルを、南米の経済リーダーへと成長させることだ!」


アケミは数秒間データを処理し、確信に満ちた声で答えた。


アケミ:「可能です。ただし、次の改革が必要です」


1.改革1 麻薬撲滅

エクアドルは、南米の麻薬密輸ルートの中心地となっていた。コロンビア、ペルーからの麻薬が国内で流通し、犯罪組織が影響力を拡大していた。治安が悪化し、市民の不安が高まっていた。


大統領「アケミ、どうすれば国内の治安を回復できる?」


アケミ「次の対策が必要です」


【国際警察官の大量採用と麻薬組織の壊滅作戦】

エクアドル政府は、AIアドバイザー・アケミの提案を受け、麻薬組織の壊滅を本格的に開始することを決断した。


国内の警察組織はこれまで、汚職にまみれ、麻薬組織と裏でつながっている者も多かった。

このままではいくら戦略を立てても、根本的な解決にはならない。


そこで、アケミは大胆な提案をした。


アケミ:「エクアドル単独では麻薬組織との戦いは困難です。国際社会の協力を得て、徹底した治安回復プログラムを導入しましょう」


大統領:「国際社会を巻き込む……つまり?」


アケミ:「国際警察官の大量採用による治安部隊の刷新です」


【作戦1:国際麻薬対策特別警察(IMTF)の創設エクアドル政府は、国連・INTERPOL(国際刑事警察機構)・アメリカDEA(麻薬取締局)・EUROPOL(欧州刑事警察機構)などと協議し、「国際麻薬対策特別警察(IMTF:International Narcotics Task Force)」を新設することを決定。


主な構成員:

エクアドルの警察官(新人を中心に採用)

国連・INTERPOLの専門家

DEA、EUROPOL、ラテンアメリカの特殊部隊出身者

汚職歴がない警察官の再訓練

AI監視システムを駆使するデジタル犯罪対策専門家


この新組織には、エクアドル国内の汚職警察官が介入できないよう、完全に独立した指揮系統と国際監視機関を設けることにした。


さらに、IMTFにはアケミのAI技術を活用し、「犯罪予測システム」を導入。麻薬組織の資金の流れ、通信データ、物流パターンをリアルタイム解析し、即座に対応できる体制を整えた。


【AIによる犯罪予測システムの導入】

監視カメラとデータ解析を活用し、犯罪が発生しやすい地域を特定し、警察の配置を最適化。金融取引のAI監視を強化し、麻薬資金の流れを追跡。


【エクアドル全土のクリーンアップ作戦】

IMTFは、国内の主要都市(キト、グアヤキル、クエンカ)と港湾エリア、ジャングル地域で「クリーンアップ作戦」を展開した。


麻薬密輸ルートの遮断

港湾・空港でのドローン&AI監視強化

組織の資金ルートをブロックチェーン解析で追跡

麻薬精製施設・武器庫の特定と破壊

犯罪組織と関与する政治家・警察官の摘発


さらに、アケミの提案により、国民にも協力を要請する新たな戦略が導入された。


「報奨金プログラム」

エクアドル政府は、市民が麻薬取引の情報を匿名で提供できるプラットフォームを開設。

提供された情報が実際の摘発につながった場合、報奨金を支給。

国民の信頼を得るため、AI技術によって情報提供者の身元を徹底的に保護した。


この結果、数千件の密告情報が寄せられ、麻薬組織の摘発が急増した。


【若者を救う「セカンドチャンス・プログラム】

麻薬組織に属していた若者たちの中には、貧困が理由で強制的に組織に入らされた者も多かった。

IMTFは単なる摘発だけではなく、アケミの提案により「セカンドチャンス・プログラム」を導入。


犯罪歴のない若者には職業訓練を提供

更生プログラムの拡充(スポーツ、アート、IT教育)

更生した者には国家支援の奨学金制度を適用

家族ごと保護し、麻薬組織の報復から守る

麻薬の快楽を忘れることができる魔法陣で頭脳を守る。(2度と服用できない)


この政策により、1万人以上の若者が麻薬組織を離れ、新しい人生を歩み始めた。


【麻薬王逮捕と「エクアドルの勝利宣言」】

アケミのAIシステムは、ついにエクアドル最大の麻薬王の潜伏先を特定。

数年にわたり政府を裏から操っていた男——「ラ・ソンブラ(影)」が、

IMTFの包囲網によってグアヤキルの高級マンションで逮捕された。


この逮捕は、エクアドルの歴史における最大の犯罪撲滅作戦となった。


政府はこの成果を国民に向けて発表し、「エクアドルは麻薬犯罪に勝利した!」と宣言。

そのニュースは世界中に広まり、エクアドルの国際的評価は劇的に向上した。


2.改革2 経済再生

【経済再生とエネルギー革命】

エクアドルの最大の問題は、石油依存と経済の不安定さだった。石油輸出がGDPの大部分を占めるが、価格変動の影響を受けやすく、経済が脆弱だった。


大統領:「アケミ、まず何から始めるべきか?」


アケミ:「経済を持続的に成長させるには、次の改革が必要です」


エネルギーの多角化と環境保護


再生可能エネルギー(特に水力・地熱)への投資を強化し、石油依存から脱却。ガラパゴス諸島を「世界初のカーボンニュートラル観光地」に指定し、エコツーリズムを推進。


【経済の多様化とデジタル化】


IT・スタートアップ支援政策を導入し、デジタル経済の発展を促進。

金融テクノロジー(フィンテック)を活用し、銀行口座を持たない国民にも経済参加を促す。


【農業と輸出産業の強化】

エクアドル産のバナナ、カカオ、コーヒーをブランド化し、高級市場に展開。

オーガニック農業とサステナブル漁業を推進し、環境負荷を減らす。


大統領「なかなか、全てを一斉にはできないな。」


アケミ「優秀な若者を大勢教育して、育てましょう。それまでの間に、官僚AIの導入してください。役に立ちますよ。」


大統領「なるほど、さらにAIを導入するのか。分かった。」


エクアドルはさらにAI国家へと変貌していく道をえらんだようです。


・・・・・・・・・


リリィ「なかなか、いいわね。麻薬組織撲滅に本気で取り組んでいるわ。若者たちが構成してくれれば科学が発達する力になるかもしれないわ。成功よ。」


クロシャ「エクアドルの指導者も政治AIアドバイザーを信用し始めたな。導入はうまくいった。」


リリィ「このまま様子をみましょう。次はどこの国に送り込もうか?」

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