第124話 アメリカ大統領替わる 2020.11
ニューヨークの拠点
リリィ「みんな、アメリカ大統領から招待状が来たわ。」
朝食後、くつろいでいたメンバーが集まってきた。
ジャック「昨日のニュースでアメリカ大統領選挙の結果が出てましたね。・・・大統領が替わるんですね。」
リリィ「二期目も頑張ると思っていたのに残念ね。」
マーガレット「それで、招待状って何ニャ。お別れ会かニャ。」
リリィ「なんか、怒れる会らしいわ。」
コモン「怒れる?イカれる?漢字を間違えると、狂っているみたいな会だな。なんじゃそりゃ?」
マモル「リリィさん、行くんですか?」
リリィ「さて、どうしようかな?案外、気に入ってたのよね。あの大統領。」
マモル「じゃあ、皆で行きましょう。元気づけてあげましょう。」
マーガレット「そうニャ。落ち込んでるはずニャ。」
リリィ「でも、ホワイトハウスで怒れる会=晩餐会を開くのね。」
ジャック「最後に豪華な食事でも楽しむのかな。」
・・・・・・
1週間後、ホワイトハウスにて 2020.12
晩餐会の夜、大統領官邸のホワイトハウスには華やかな装飾が施され、厳重な警備の中、多くの賓客が集まっていた。リリィが姿を見せると、会場全体がざわめきに包まれた。その場にいた人々の視線は一斉に彼女に注がれた。
大統領執務室にいる首席補佐官は、疲れた表情で微笑んでいた。大統領は鏡の前で笑顔の練習をしていた。
「リリィさん、久しぶりだね。よく来てくれたね。ありがとう。今回の選挙、不正だよ。私が負けるわけがない。前回の得票数を超える票を獲得しているのに負けるなんておかしいだろ。国際警察官に調べてもらいたいよ。まったく。」
「大統領、貴方は、まだアメリカ合衆国のトップです。変な愚痴を誰にでも言わないでください。」と首席補佐官が注意する。
大統領「リリィさん、4年後、もう一度、大統領選に出るからね。そのとき、リベンジするから。見ててね。それまでの4年間でしっかりと計画を建てて、国内を掃除するからね。」
補佐官は眉をひそめた。「皆が聞いていますよ。大統領。周りはスパイが多いのに、声を小さく控えて下さい。」
晩餐会が始まり、ホワイトハウスは華やかな雰囲気に包まれていた。各国の要人や大物たちが集まっていく。リリィは金髪を軽く揺らしながら、優雅に歩を進めた。真紅のドレスが彼女の神秘的な雰囲気を一層際立たせている。
大統領は手を差し伸べ、リリィを丁寧に案内した。
晩餐が始まり、大統領はリリィに話しかける。「リリィさん、あなたの力で世界の災害が減少している。避難民の国ができつつある。国際警察が平和を維持している。本当に素晴らしい功績だ。」
リリィは控えめに笑いながら答えた。
「恐縮です。私の願いはこの星の科学力を高めることです。そのためには、大勢の人間の力を結集しなくてはいけません。争いはダメです。」
それを聞いた大統領は、驚いた顔で、
「リリィさんの目的を初めて聞いた気がする。世界平和に貢献することが目的と思っていた。」
リリィ「それは目的ではなく、手段です。平和の先に目指す未来があります。」
周囲で聞いていた人々は、リリィの話に魅了されていた。彼女の語る未来のビジョン、国境を越え、互いに支え合う世界、科学力を高めて幸せになる。誰もが深い感銘を受けた。
その時、大統領夫人がそっと近づき、小声で話しかけた。
「リリィさん、今後とも主人を助けていただけますか?」
リリィ「大統領夫人、ご主人の魂は白です。指導者には珍しい清純な魂です。私は。清い魂の人には、優しくすると決めています。」
大統領夫人「まあ、そうなの?なんか嬉しいわね。異世界の人の誉め言葉って独特ね。」
晩餐会の終わりが近づき、大統領が壇上で感謝の言葉を述べた。「皆様、私の4年間は邪魔者が多すぎて、力を発揮できなかった。今回、4年の休暇をもらった。この間にこの国を救う計画を練るつもりだ。そして、4年後、ここに帰ってくる。待っていてくれ。」
会場全体が拍手喝采に包まれる中、大統領は心の中で呟いた。
「彼女の力を味方にできれば、私はさらに強くなる、!」
リリィは、大統領、首席補佐官、ファーストレディーだけで、会話するタイミングで、回復魔法をかけた。首席補佐官は、キリキリと痛む胃痛の表情が和らいだ。首席補佐官は、リリィさんに涙を浮かべて感謝し、涙を浮かべていた。
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【ニューヨーク拠点】
翌日——。
マモルは、パーティのSNS専用チャンネルに晩餐会の華やかな動画をアップした。動画は瞬く間に拡散され、爆発的に視聴回数を伸ばしていた。視聴者数も順調に伸びていた。1200万人を超えている。
彼は画面を見つめながら、ふと呟く。
マモル「晩餐会、リリィさんが一番輝いてましたね。」
ジャック「リーダーは、ああいう場は、煌めくからな。最強だよ。」