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第122話 フィリピン タイフーン対策 その5 2020.10

【祝賀会 – スービック港の夜】


 そして迎えた祝賀会当日。夕方になると、スービック港の広場には数千人の人々が集まり、色鮮やかなバナーが掲げられていた。フィリピン国旗が風に揺れ、夜の祝祭の幕開けを告げる。


 ステージには政府関係者、防災関係者、科学者、そして地域のリーダーたちが並び、フィリピン大統領が壇上に立つ。


大統領「皆さん、リリィさんたちは、我々のためにタイフーンを撃退してくださいました。また、土砂崩れの危険地域を補強し、安心をもたらしてくれました。彼女たちに、心からの感謝を込めて拍手を送りましょう!」


 その言葉と同時に、広場中に大きな歓声と拍手が響き渡った。


 続いて、防災庁の長官が立ち上がる。


防災庁長官「皆さん、今年の豪雨の時期に豪雨災害が発生していません。これは、これまでにない素晴らしい成果です。この喜びを分かち合いましょう!」


 再び大きな拍手と歓声が沸き起こる。


【音楽とダンスの夜】


 音楽が流れ出し、会場は一気に祝賀ムードに包まれた。フィリピンの伝統舞踊「ティニクリン」がステージ上で披露されると、観客も一緒になって踊り始める。竹の棒を打ち鳴らしながらリズムよく跳ねるダンサーたちの姿に、場内は大いに盛り上がった。


 夜空には花火が打ち上げられ、鮮やかな光が闇を照らし出す。歓声とともに、人々の笑顔が輝いた。


 屋台には、フィリピン料理の名物「レチョン」(丸焼き豚)や「ハロハロ」(カラフルなかき氷デザート)がずらりと並び、訪れた人々が笑顔で食事を楽しんでいた。


 そんな中、マーガレットは子供たちと一緒に踊っていた。彼女の周囲には魔法の花が次々と咲き、子供たちは興奮した様子で花を手に取り、楽しそうに輪になって踊り出す。


マーガレット「ニャニャ~!みんな、もっと踊るニャ!」


 子供たちは笑顔で手を繋ぎ、大人も交じって広場いっぱいに広がる。


 やがて、夜も更けた頃、フィリピンを代表するシンガーがステージに登場し、「我ら一つ、フィリピン」を熱唱した。その歌声に観客は手を取り合い、感動の渦に包まれる。


【未来への誓い】


 祝賀会の最後に、大統領が再びマイクを握った。


大統領「我々は、これからも手を取り合い、未来の世代に安全なフィリピンを残していこう!」


 その言葉に、全員が声を合わせて応えた。


「マブーハイ!(万歳!)」


 歓声と拍手が響く中、フィリピンの人々は、自然災害に負けない強い国を作るための新たな一歩を踏み出した。


【ニューヨーク拠点】


 翌日——。


 マモルは、パーティのSNS専用チャンネルに今回のフィリピンのタイフーン対策の様子と祝賀会の楽しい動画をアップした。動画は瞬く間に拡散され、爆発的に視聴回数を伸ばしていた。視聴者数も順調に伸びていた。860万人を超えている。


マモル「こんな風に、災害を減らしていけば、世界が平和になっていくのかな……。」


 彼は画面を見つめながら、ふと呟く。


リリィ「人が死なない世界になることが重要なのよ。政治形態なんて表面的なものよ。民主主義が万能なわけでもなく、共産主義、社会主義、立憲主義、帝国主義も、結局はリーダー次第なのよ。人民の命を守るリーダーが優秀だと思うわ。」


 彼女の声は静かだったが、深い意志を感じさせた。


リリィ「悪人が治めれば、人が死ぬのよ。」


 マモルは黙って頷いた。

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