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第119話 フィリピン タイフーン対策 その2 2020.10

【スービック港 – 実験準備開始】


 スービック港の広場に、多くの人々が集まっていた。フィリピン政府関係者、地元の漁業関係者、科学者、報道陣まで揃い、リリィたちの計画に大きな関心を寄せていた。


漁師「もしタイフーンが抑えられるなら、漁の安全も確保されるんだな?」


リリィ「そのとおりです。私たちは、タイフーンを防ぐことで、フィリピンの人々の生活を守りたいと思っています。」


漁師「それなら賛成だ! 毎年タイフーンが来るたびに網や船が壊れるのはもう勘弁だ!」


 港湾管理局長が一歩前に出る。


港湾管理局長「正式な合意の前に、一度、実験を行うというのはどうでしょう? 実際に泡を発生させる様子を見てもらえば、国民の理解も進むはずです。」


リリィ「その提案、いいですね! では、数日後にここで実験を行いましょう!」


 こうして、リリィたちはフィリピン政府と港湾管理者、漁業関係者の協力を得て、次のステップに向けて動き出すのだった。


【スービック港 – 実験当日】


リリィ「さあ、いよいよ本番ね! 実験が成功すれば、タイフーン対策の第一歩になるわ。」


ジャック「政府関係者や地元住民も見守っている。失敗は許されないな。」


港湾管理局長「リリィさん、準備は整いました。港から25キロ沖の深海で実験を行う予定ですが、どのように進めますか?」


リリィ「まず、高速艇で沖に出て、回遊しているクジラゴーレムと合流します。その後、クジラゴーレムを深海2000メートルに潜らせて、泡を放出します。」


 港の桟橋には、フィリピン政府の関係者、地元の漁師、科学者、報道関係者が集まり、皆が興味津々で実験の様子を見守っていた。


環境大臣「これで本当に海の温度を下げることができるのですか?」


コモン「理論上、可能です。すでに他で成功しています。」


漁師「でも、本当に海水温が下がるのか? そんなに簡単な話じゃないだろ?」


リリィ「だからこそ、実験を見てください。」


【高速艇、沖合へ!】


 準備が整い、高速艇が港を出発した。船上には、リリィ、ジャック、ガルド、コモン、そしてフィリピンの政府スタッフと科学者たちが乗り込んでいる。


ジャック「沖まで約30分。クジラゴーレムを呼んでおこう。」


 港の人々も用意したモニターで実験の様子を見守っている。


ジャック「よし、目標海域に到達! クジラゴーレム、浮上!」


 緑色の全長50mの巨大なクジラゴーレムが海上に浮いてきた。その圧倒的な大きさに、フィリピンの政府スタッフや科学者たちは息を呑んだ。


コモン「現在の海水温度は26℃。」


ジャック「よし、クジラゴーレム、深海2000mまで潜って泡を放出しろ。」


 クジラゴーレムが巨大な尾びれを動かしながら、ゆっくりと海中へと沈んでいく。


【約20分後】


コモン「水深2000メートル到達!」


ジャック「よし、転移魔法で空気を送れ!」


コモン「空気転移、泡の発生、開始!」


 深海2000mのクジラゴーレムから、大量の泡が放出され始めた。


【約30分後】


ガルド「あっ! あそこだ!」


 200mほど離れた海面に、大量の泡が湧き上がり始めた!


コモン「泡の周囲の海水温が10℃まで下がっている! 100m離れた場所でも20℃まで低下している!」


ジャック「よし! 深海の冷たい水が、一気に海面に運ばれている!」


リリィ「成功ね! 実際に海水温が下がったわ!」


【実験結果と住民の反応】


 港に戻ると、地元の漁師や政府関係者が実験の成功に驚いていた。


漁師「本当に海水温が下がったのか? たった30分で?」


リリィ「ええ、これを継続すれば、タイフーンが発生しにくくなるはずです。」


環境大臣「素晴らしい! これは画期的な技術だ!」


港湾管理局長「しかし、これを大規模に運用するには、どれくらいのコストがかかるのか?」


ジャック「コストは私たちが負担します。今は、フィリピン政府の協力が必要です。」


大統領「政府としても、この技術を導入する方向で進めましょう。次は、本格的な運用試験ですね。」


リリィ「はい! 次のステップは、実際にタイフーンの発生が予測される時期に合わせて、大規模な泡発生作戦を行うことです。」


 住民たちも期待に満ちた表情を浮かべた。


漁師「もしこれでタイフーンが防げるなら、俺たちの生活は大きく変わるな!」


リリィ「もちろん、そうなるわ!」


 こうして、リリィたちは泡を使ったタイフーン対策の本格導入に向け、さらなる準備を進めることになった!

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