第106話 東アフリカ蝗害対策 その4 2020.4
夜のナイロビ、
ケニアの首都ナイロビにある東部アフリカ砂漠バッタ防除機構の本部ビル。
通常は、バッタの発生状況を監視し、防除計画を練る緊張感漂う場所だが、今夜は違った。
打ち上げパーティを開催することになったのだ。
事務局長「皆さん、リリィさんたちは、我々のために群生相バッタの早期発見と駆除を支援してくださいました。魔法による画期的な手法でした。彼女たちに、心からの感謝を込めて拍手を送りましょう!」
「ナイロビの夜景を見ながら乾杯だ!」
その言葉と同時に、広場中に大きな歓声と拍手が響き渡った。
東アフリカ全域の防除作戦が展開され、ついにバッタの脅威を封じ込めたのだった。
祝宴の始まり
広々とした会議室が、カラフルな装飾と華やかなケニア音楽で包まれる。
テーブルには、東アフリカのご馳走が並んでいた。
「ニャマ・チョマ」(炭火焼き肉)
「ウガリ」(トウモロコシ粉の練り物)
「チャパティ」(薄焼きパン)
「ピラウ」(スパイス香る炊き込みご飯)
「この肉、めちゃくちゃ美味いな!」ガルドが、肉を頬張りながら言った。
「ソマリアの連中もやるな、こっちのスパイスも最高だ!」デムセがいう。
「みんなの協力がなかったら、バッタの群れは今頃ウガンダまで広がっていただろうな。」
そう言ったのは、エチオピア防除隊のエゼキエル博士。
彼のチームがバッタの集合フェロモンを解析し、防除作戦に大きく貢献したのだ。
「エチオピアのエゼキエル博士、君のフェロモン研究は画期的だった!」
「ケニアのエリック、君の航空防除チームは素晴らしい働きだった!」
「ソマリアのアブディ、君たちのドローン監視がなかったら、もっと被害は広がっていた!」
次々に功績を称えられ、メンバーたちは誇らしげに笑った。
ピーチの後、宴はさらに盛り上がった。
DJが音楽を流し始め、ナイロビの夜にケニアの伝統的なビートが響く。
「さあ、踊ろう!」
皆が笑顔で手を叩き、リズムに乗って踊り出す。
マーガレット「ニャニャ~!みんな、もっと踊るニャ!」
「次のバッタの大発生は、もっと早く防いでやる!」
「そうだ、今度はもっと効率よくやろう!」
バッタとの戦いは終わらない。だが、今夜だけは勝利を祝おう。
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【ニューヨーク拠点】
翌日——。
マモルは、パーティのSNS専用チャンネルに今回のケニアの砂漠バッタ撃退の様子と打ち上げ会の楽しい動画をアップした。動画は瞬く間に拡散され、爆発的に視聴回数を伸ばしていた。視聴者数も順調に伸びていた。570万人を超えている。
マモル「空が真っ暗になるほどのバッタの群れ、発生しなくて本当によかった。」
彼は画面を見つめながら、ふと呟く。