第105話 東アフリカ蝗害対策 その3 2020.4
翌日、緊急バッタ対策チームの本部の監視室で待機していた。
まだ、住民からの電話情報は入っていない。
リリィはデスクを一つ借りてモニターを設置している。黄金虫ゴーレムからの画像をもとに、AIゴーレム4体が画像分析を高速でやっている。
AIゴーレムが手をあげた。
別のAIゴーレム達が「チェック、ok」、「チェック、ok」、「チェック、ok」といっている。画像の確認をして相互チェックしている。見間違いが発生する難しい作業だからだ。
リリィ「発見したようね。事務局長、ここに群生相バッタの集団がいます。衛星画像の一か所を指さす。」
事務局長「何もバッタは見えないが?」
リリィ「こちらのモニターをみて下さい。」
草原で草に隠れて大量の黒い群生相バッタの集団が草を食べているのが見えた。地面の黒い色に隠れて発見しづらい。
事務局長「これが、ここの映像か?」
リリィ「そうです。出動をお願いします。」
事務局長「君たちも行ってくれるのか?」
リリィ「いいえ、こちらのAIゴーレムを1体連れて行ってください。役に立ちます。」
AIゴーレム1体を連れて裏からヘリで現場に向かっていく。
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1時間後、モニターでヘリが現場に着いたのを確認した。
すぐに、AIゴーレムが両手を広げて巨大なお花畑魔法を展開する。群生相バッタの動きがおとなしくなった。
やがて、別動隊が到着し、ドローンで農薬を散布し始めた。バッタが飛ばないので簡単に駆除できているようだ。
事務局長「あのAIゴーレムが魔法をかけて、バッタをおとなしくさせたのか。素晴らしい。」
リリィ「ここの監視システムとAIゴーレム4体をここに常駐してください。お役に立ちますよ。」
「まったく、その通りだな。助かるよ。ありがとう。」事務局長は満足そうに笑った。
・・・・・・・
数日間、群生相バッタを発見しつつ、着実に駆除をできることを確認した。
事務局長「最初は魔法なんて信じなかったが、今では頼りにしている。まさかここまでとはな。」
リリィ「事務局長、活動対象国、全てに同様のAIゴーレムの拠点を設置しますので、手配をお願いします。1か月ほどでしていただければ助かります。」
事務局長「さっきのAIゴーレム4体の配備を他の8か国全てに行うというのか。」
リリィ「そうです。先方との交渉、デスクの場所の確保をお願いします。出来次第に、先方に設置に行きますので。」
事務局長「わっ、分かった。まったく、君は忙しいな。」
リリィ「事務局長、バッタは待ってくれませんよ。」
事務局長「わっ、分かってる。・・・・」
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さらに、数日後、
次々と駆除をしていくことで、群生相バッタの発見数が減少していった。
ジャック「もう引き揚げ時かもしれんな。」
リリィ「そうね。他の国にも監視システムとAIゴーレムの配置をするのもニューヨークから出来るしね。」
マーガレット「お祭りはなしかぁニャ~」
ガルド「無しかもな。」
リリィ「じゃあ、打ち上げ会しましょう。」
全員「「「「賛成」」」」
リリィ「事務局長~、打ち上げ会しましょう。」
事務局長「へ?ここで、飲み会か?やったことないぞ。」
リリィ「たまには息抜きしないとダメですよ。準備しましょう。」
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