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第104話  東アフリカ蝗害対策  その2   2020.4

マモル「デムセさん、群生相のバッタ、少し、手に入りますか。実験したいことがあります。」


デムセ「はい、別の所で、群生相のバッタを研究しています。そちらでなら、実験できますよ。行きましょう。」


別棟の研究施設に移動した。


デムセ「博士、国連の特使の皆様です。少し、群生相バッタの実験をしたいそうです。」


博士「なんだ~、忙しいのにのぅ。」


デムセ「国連の事務総長の特使ですよ。特別です。」


博士「分かった。では、こちらへ」


博士「ここの密閉水槽の中に群生相のバッタを入れてある。実験とやらをしてみろ。」


リリィ「マーガレット、この水槽にだけ、お花畑魔法をかけてみて。ここだけよ。」


マーガレット「うにゃ~、こんなちょっとだけ?難しいニャ」

マーガレットさんが水槽に片手を付けると、中に小さな魔法陣が展開した。


博士「おおおお、これは? 群生相のバッタの体の色が少し緑色になった。おとなしくなった。単独相に少し変化した。猫耳のお嬢さん、あんた、何をしたんだ。」


リリィ「うまく行きそうね。事務局長にも説明しましょう。」


・・・・・・・


大変な騒ぎになった。水槽の単独相に変化したバッタを次々に見に来る研究者たちやスタッフたち、やがて、大きな会議室に移動して、説明を求められた。


博士「さあ~、説明してくれ。」


ジャック「彼女は、魔法が使える。バッタの飢餓感を抑えるように、魔法をかけたんだ。」


博士「そんなことが、出来るのか。素晴らしい。もう一度やってみてくれ。ここに用意した。」


リリィ「マーガレット、やって。」


マーガレット「わかったニャ~」

マーガレットさんにが水槽に片手を付けると、中に小さな魔法陣が展開した。


博士「やはり、群生相のバッタの体の色が少し緑色になった。おとなしくなった。単独相に少し変化した。素晴らしい。」


大勢の見ているスタッフたちが拍手し始めた。


騒ぎを聞きつけて事務局長が来ていた。

「だが、これを現場で役立てられるのか。どうやる?」


マモル「群生相バッタの群れにこの魔法をかけて、飛ばなくしてから、駆除します。」


事務局長「辺り一面、見渡す限りのバッタ全てにこの魔法をかけられると?」


マーガレット「広い範囲の方がやりやすいニャ~」


事務局長「そっ、そうなのか?よし。次にバッタの群生を見つけたら、君たちも一緒に出動してくれ。このところ、毎日、出動しているから、明日も発見できるだろう。」


リリィ「出動の件、分かったわ。参加します。」


リリィ「ここの駐車場の一角をお借りしてもいいかしら、拠点を作りたいの。」


事務局長「いいぞ、使ってくれ。」


・・・・・・・・


リリィ「みんな拠点を設置するわよ。」


皆がマジックバッグから、駐車場にコンテナハウスを建てていく。それを見ていた事務局長とスタッフは、唖然とみるしかなかった。


コンテナハウスの中は、空間魔法によって、外から見るよりも何倍も広く、個人別に部屋が用意されていて、各部屋に風呂とトイレもある。リビングルームもある。ニューヨークの拠点よりも小さいが、快適に過ごせる。


・・・・・・・・・・


翌日、緊急バッタ対策チームの本部の監視室で待機していた。

ここでは、衛星データをもとに、ドローンを使って、現地調査をしている。


そこへ住民からの電話情報が入ったようだ。

事務局長「この農作地にバッタが大量に飛来したようだ。ヘリで向かおう。」


リリィ「いえ、私たちはすぐに行きます。ガルド、マーガレットと行って、お花畑魔法を全開で展開してちょうだい。」


マーガレット「わかったニャ~」


マーガレットさんがガルドさんとともに衛星座標をもとに転移していった。


衛星画像で現地の状況が見える。マーガレットさんがお花畑魔法をかけたのが、衛星画像でも分かるほど広範囲で展開された。


現地で対応していたスタッフから、バッタがおとなしくなったと連絡があった。すぐに、別動隊のドローン数機による農薬散布がはじまった。バッタが飛ばないので簡単に駆除できているようだ。


デムセ「凄いですね。魔法って。僕たちにも出来ればいいのに。」


コモン「そうだな。」


事務局長「君たちの活躍の場が決ったな。しばらくは、ここにいて、バッタの駆除に協力してくれ。」


ジャック「了解です。」


・・・・・・・・・

会議室にて、


リリィ「さて、現状を確認するわよ。何が問題か分かる?」


ジャック「マーガレットのお花畑魔法が有効なことが分かった。頼りにされている。でも、ここにばかりもいられない。しかし、バッタを今駆除しても、数か月後にはまた、発生するかもしれない。」


コモン「マーガレットの魔法は、一般化できている。だから、AIゴーレムをここに常時待機させて、マーガレットの代わりをさせればいいだろう。」


ジャック「AIゴーレムを貸し出すのは賛成だ。でも、一般化したお花畑魔法の範囲はかなり狭い、マーガレットの魔法の1割だろう。」

コモン「特製のお花畑魔法の魔法陣を作らねばならんな。バッタ専用にして。人に悪用されるのを防がなくては。危険だ。」


リリィ「その特製のお花畑魔法の魔法陣はどれぐらいで出来る?」


ジャック「大丈夫だ。小型が一般化できているから大きしてバッタ専用に付加するだけだ。明日までに用意できる。」


リリィ「了解、ジャック、頼んだわ。他にも問題があるわね。分かる?」


マモル「発見が遅い。衛星画像では集団が大きくなれらないと見つけられない。住民からの情報がメインのようだ。」


リリィ「そうね。東アフリカ全域をカバーできるバッタの監視体制が必要だわ。黄金虫ゴーレムにやらせるとして、どの程度の数が必要なの?準備にどれぐらいかかる?」


コモン「約1000万体だな。準備に1カ月はかかるだろう。」


リリィ「しかたないわ、やりましょう。いずれは、世界中の穀物地に広げないといけないし、手始めにはいいわ。」


マモル「1000万体が、手始め?凄すぎる。」


リリィ「とりあえず、この国だけでも出来ない?」


ジャック「平野部だけなら可能だ。」


リリィ「じゃあ、やって。」


ジャックがAIゴーレムをマジックバッグから取り出し、黄金虫ゴーレムの召喚魔法陣の紙を大量に取り出して指示した。黄金虫ゴーレムに認識阻害と物理結界をかけて、ゆっくりと少しずつ飛び立っていく。バッタの羽音と勘違いしたら大変だからだ。


ガルド「おれは、この草原地帯に行って、AIゴーレムに黄金虫ゴーレムを大量に召喚するようにやってくる。」


リリィ「お願いね。」


ガルドさんが別のAIゴーレムを連れて転移していった。


準備には数時間はかかるだろう。

・・・・・・・

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