どなたかのいせかいてんせい
先日、前話を修正しました。
修正後の前話を読んでいない方は、前話を1度読んでからこの話を読むことをお勧めします。
ハルマは巨大ダンゴムシを見据える。
今まで忘れられていたであろう、ステータスを見る能力を使って、視る。
ハルマが退いていたのはこの為だ、と誤魔化すためである。決してサボっていた訳では無い。めんどくさいとか言ったことない。
まぁでも、かなり有効な能力のため、見ること自体に損は無い。
「やっぱ体力バーは出ねぇか…まぁ、水属性耐性は持ってるだろうな…」
ご存知の通り、ダンゴムシは生物学的にはエビやらカニやらと同じようなものなのである。
現実世界のダンゴムシも、水にダンクシュートしても泳ぎ出すほどだ。
そんなダンゴムシがモンスターになれば、そりゃ当然水属性耐性くらいは持っているだろう。
となると、水属性が適性となるプリーストが後方支援に徹するのは得策だと思える。
言い忘れていたが、この世界には職種ごとに、適性となる属性が存在する。
もちろん、それ以外の属性を選んでも、問題ない。
例えば、アタッカー系は無属性。
プリースト系は水属性。
ウィザード系は火属性。
ガンナー系は光属性。
と言ったところだ。木属性と闇属性は、今のところ適性職業がなく、使用者はほぼいない。
また、職業の他に、個人ごとにも、適性属性は存在する。
モミジは火属性。
ツバキは光属性。
イノは無属性らしい。
揃いも揃ってズレまくりだ。
ちなみにハルマは、まだ適性診断を受けていないため、わからない。
そんなことを頭の片隅で考えながら、ハルマはダンゴムシを見る。
「あぁああぁ!!! やっぱ先輩じゃん!!」
その時、大きな声が聞こえた。
その声に、ハルマは思い切り顔をしかめる。
「うぇえ? なんでそんないやそーな顔するんすかぁ」
「嫌だからに決まってんだろ!!」
心外というような顔をする女子に、ハルマは怒鳴り返す。
だが、当の女子はそんなのどこ吹く風だ。
チッ、とハルマは舌打ちをする。
さっき感じた嫌な予感が見事当たったわけだ。
「なんで舌打ちなんてするんですか、先輩♪」
ハルマの顔を覗き込む。
そんな彼女こそ、この世界で初めて出会う、『もとの世界』での知り合いだった。
「お前といるとほんと調子狂うわ…」
「そーですかぁ? 私は普通なんですけどね」
「誰もお前の話なんてしてねぇよ!」
「あ、もうここ『あっち』じゃないんで、タメ口でいいすか? あと先輩じゃなくて名前呼びで」
「人の話聞けや!!」
ここに来てハルマのツッコミ業務に拍車がかかってしまう。
僕としては、新キャラが出るならツッコミ枠を望んでいたのだが。
「ツッコミ枠を望んでたの!? ならばこの結城におまかせを!!」
「お前はこの作品史上最強のボケキャラだ!!」




