出発
「それでは、行ってきます」
「約束は覚えてる?」
「はい、手紙ですね」
領地で暮らす事の許可を貰った日、1つ約束をした。
定期的に手紙のやり取りをする事だ。
「毎日書いてね」
「それはちょっと……」
流石に毎日では書く事が無くなるし、運んでもらう予定のニクスもキレると思う。
ほら、ニクスも驚愕の後、とても嫌そうな表情を浮かべている。
「2日に1度?」
「月に1度くらいで良いのでは?」
「3日に1度?」
「半月に1度でも十分ではないかと」
「週に1度」
「……わかりました」
週に1度でも、そんなに書く事があるのか疑問に思うが、そういう事では無いのだろう。
無事に暮らしている事が確認できれば、手紙の内容なんて何でも良いのかもしれない。
最後に少しの間、しゃがんだ母様に抱きしめられる。
「……行ってらっしゃい」
「はい、行ってきます」
名残惜しくはあるが馬車に乗り、まずは壁門へと向かう。
そこでドルガさん、フライアさん、アルムさん達と待ち合わせしている。
一緒に行ければ道中守れるし、どうかなと思い、声をかけてみた。
誘っておいて、じゃあ後は自分で来てくださいというのも変だし、何かあっても嫌だしね。
ドルガさん、フライアさんは元々準備してくれていた。
なので、少し予定を早める形にはなったが、こちらに合わせてくれた。
壁門の外に出ると、そこには既に3組とも揃っていた。
ドルガさん達が6人。
フライアさん達が5人。
アルムさん一家が4人。
代表が簡単な自己紹介と挨拶を済ませ、移動し始める。
1人1人していては時間がかかるので、詳しくは休憩時間の時で良いだろう。
1度行った事のある僕達が先頭で進んでいく。
前回より人数が多いので、移動スピードは落ちるだろう。
だけど、この旅路が楽しくなれば良いと思うのだった。




