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『不審者の情報について』  作者: Pyayume


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9/10

第9報【共有】無線機誤送信事案報告

【発生日時】

令和8年8月21日 08:21頃



【概要】

令和8年8月21日08時21分頃、警備員用無線機において意図しない音声送信が発生した。


当該送信は約2分17秒継続し、本ビル管理室、地下防災センター及び巡回中警備員の無線機に同一音声が配信された。


音声内容を確認したところ、麦田警備員と要観察対象である髙橋氏との会話が記録されていた。



【対応内容】

確認の結果、麦田警備員が制服胸部へ装着していた無線機の送信ボタンが、巡回中に何らかの理由で押下状態となっていたことが判明した。


当該状態のまま巡回を継続したため、周辺音声が継続的に送信されたものと推定される。


なお、本件は故意によるものではなく、機器操作上の偶発的事象と判断する。



【管理会社所見】

送信された音声内容に業務上の機密情報は含まれていなかった。


一方、本件により対象女性と麦田警備員との私的会話内容が複数の関係者へ共有される結果となった。


対象女性は当該事実を認識していないものと推察される。



【再発防止策等】

警備員各位におかれましては、巡回開始前に無線機の送信状態を確認してください。


また、無線機を装着した状態で私的会話を行う場合には、誤送信防止に十分留意してください。



──添付資料─────────────────────


【資料1】無線記録(抜粋)


08:21:11

(麦田警備員の足音)


08:21:18

麦田警備員「おはようございます。」


対象女性「お、おはようございます。」


08:21:25

(約4秒沈黙が発生)


08:21:29

麦田警備員「足はもう大丈夫ですか。」


対象女性「だ、大丈夫です。……かすり傷だけでしたし…」


08:21:36

麦田警備員「それなら良かったです。」


08:21:43

対象女性「……あの。」


麦田警備員「はい。」


対象女性「その……冷蔵庫に、置いておいたプリン、……おいしかった、ですか?」


08:21:52

(約3秒沈黙が発生)


麦田警備員「おいしかったです。」


08:21:56

対象女性「……!」


08:21:58

麦田警備員「特にカスタードのやつが、濃厚で好みでした。」


08:22:03

対象女性「……っ、ふ、あ、ありがとうございます!」


08:22:07

麦田警備員「あと……実は、ヨーグルトも結構好きなんですけど。」


08:22:10

対象女性「……!」


08:22:15

麦田警備員「持って帰られましたよね。……少し、残念でした。」


08:22:20

対象女性「つ、次は……ちゃんと、直接、お渡しします……!」


08:22:24

麦田警備員「いえ、そういう意味で申し上げたわけでは……お気持ちだけで十分ですよ。」


08:22:27

対象女性「そうですよね……ごめんなさい…」


麦田警備員「……そんな謝らないでください。………あ、……無線押してました。」


※ここで音声は切れた。


──────────────────────────


【資料2】管理室内状況


08:21:58

無線記録を受信中であった管理会社職員2名が同時に作業を停止。


08:22:10

地下防災センター勤務者より「これ業務連絡ですか。」との問い合わせを受信。


08:22:16

管理会社より「違います。」と回答。


08:22:31

地下防災センター勤務者より「そうですか。」との返答を受信。


──────────────────────────


【資料3】他警備員からの本部に対する苦情メール


【件名】公用無線機における私的音声の垂れ流しおよび警備業務への支障について

【送信者】1階エントランス立哨担当・警備員S

【受信者】内部監査部アドレス


本日、1階エントランスホールにおいて立哨および来客対応業務を行っていたところ、全警備員に配布されている無線機より、当ビル担当の麦田警備員と一般利用者である髙橋氏の極めて私的な会話が継続的に大音量で放送されました。


会話の内容は、麦田警備員が髙橋氏から贈与を受けた菓子の感想についてであり、業務に関係はないものでした。


当該音声の受信に伴い、周囲の来客に不審に思われないよう平常心を保とうと試みたものの、頬筋の制御不能な弛緩を抑制することが極めて困難となり、警備員としての厳粛な表情を維持できず、来客に対する威厳保持およびプロ意識の提示に著しい支障を来しました。


現在も顔面の筋肉が軽く痙攣しており、今後の警備品質を担保できません。


このような精神的影響を伴う誤送信が再発しないよう、当事者である麦田警備員への厳重な注意指導を強く具申いたします。


何卒、よろしくお願いいたします。


──────────────────────────


【資料4】担当者所見


対象女性は、麦田警備員から食品に関する感想を得た際、著しく感情が高揚している様子が認められた。


一方、麦田警備員は対象女性へ配慮した応答を継続しており、結果として対象女性の期待を増大させる可能性については、今後留意を要する。


なお、本件音声記録は管理会社規程に基づき保存対象とした。


──────────────────────────


【資料5】今後の対応方針


対象女性による接触行為は、物品設置から会話を伴うものへと変化している。


一方、麦田警備員は対象女性との会話を特段避けていないことが確認された。


今後も施設管理上の問題に留意しつつ、継続観察を実施する。


以上

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