試験対決!~夢と勇気の戦士VS闇を扱う戦士~
前回の夢の物語!
父、侑希との再会を果たした俺!
戦闘試験という試験をやることになった俺は、
さっそく試験会場に行こうとするが……
「待て、対戦相手だけここで教えてやる。ここで待ってろ!」
「!お前は……!」
再び驚愕した理由とは?!
その目でまた見ろ第4話!
どうぞっ!
「黒皇!黒皇じゃねぇか!久しぶり!」
「ああ!久しぶりだな、勇!」
闇野黒皇。勇の良きライバル。だが、暫く再会ができなくなっていた。
「久しぶりだな!11年ぶりくらいか?」
「そうだな!改めて、試験を担当する闇野黒皇だ!よろしくな!」
「よろしく!」
2人が握手を交わす。
「ねぇ、早速試験会場に行こうよ!場所はどこなの?」
「まあ一旦待て!行く前に、ほんの少しだけ学園の設備の説明をしておこう。花、ゲートを。」
「はいっ!移動門!」
花が扉に円を描くとゲートができる。
ゲートの先には下駄箱前の景色が見える。
「じゃ、行くぞ!」
「おーうっ!」
ゲートに入りワープする。
「まずは下駄箱。」
「あっ、なんか多いよな。高校生とか、大学生分まであるのか?」
「それだとさすがに詰まるからな……小学生と中学生の分だけだ。高校生と大学生の場合靴は自己管理させている。」
「へぇ……」
「次に下駄箱を通り左に曲がる。そして突き当りを右に。少し進むと左側に『小校棟』って書いてある通路があるから、そこを通ってみてくれないか? 」
「わかった。」
侑希の説明通り進む。
すると、棟入口に改札機のようなものが見えた。
「ん?なんだあれ……」
「まずは入ってみろ。」
「わ、わかった。」
通ろうとすると、改札機の扉が締まりアナウンスが流れる。
「うわっ……!?」
「セイトショウカ、キョウインショウ
ヲセンサーニタッチシテクダサイ。」
「びっくりしただろ。
生徒が他の棟を除く違う棟へ行く場合は生徒証、
校長、副校長、教頭、教師を除く教師の場合は、教師証をセンサーにタッチしないと入れない仕様になっているんだ。」
「そうなのか……じゃあ、生徒の親とかが来る場合は?」
「教師が代わりに開ける。
学園祭やクリスマスパーティーなど、外部の人も集まる行事だったら常に開けておく。」
「なるほどな~」
「じゃあ他の説明は明日に回して、体育館行くか。」
「お!じゃあ早速行こうぜ! 」
「ああ。本棟に戻って、体育館って書いてある通路を進めばいい。」
「わかった!よーしっ!やるぞー!」
本棟に戻り、北側にあった体育館と書かれた通路を進み、中に入ると……
「へ〜、これが体育館か~
すっげぇ……やっぱうちの運動場と全然違う!」
〜突然始まる夢野ビル&夢野学園体育館紹介〜
夢野ビル(勇が住むビル)は、全10階建かつ地下2階建ての大きなビルだ。
1階はリビング、2階は勇の部屋、3階は泊まることができる個室が複数。
4階は運動館(体育館のような構造をしている部屋)、5階はバイキングも可能な食事部屋、
6階はゲームセンター、7階は映画館、8階は音声室(レコーディングスタジオを兼ね備えた音楽室)。
9階はフリールームになっており、10階ではプラネタリウムを通して四季の星空を見ることが出来る。
地下1階は倉庫、地下二階は温湯プール(銭湯とプールを兼ね備えた入浴部屋)となっている。
詳しい紹介は、後々彼がしてくれるだろう。
そして、夢野学園の体育館は両サイドが観覧席、かつ二階建てとなっている。そのため、他の学校の体育館よりも大きい構造をしている。
最大4クラスは授業が出来るものの、それぞれ各学校の時間割を調整しても必ず5クラス以上は被ってしまうため、合同になることが多いのだとか。
「よしっ、じゃあさっそくっ!」
中心に移動しファイティングポーズを取りながら黒皇達が来るのを待っていた。
その時……
「待った!まだ始まらない……いや、正しくは……『始められない』か? 」
「えっ、なんで?」
「もし仮に体育館か外に傷や被害が出てしまっても、花の魔法を使えば元の状態に直すことができる。
だがお前のことだ。もしかしたら……
って時の為に!これを!」
入口近くの微かに色が違う壁の凹みを掴み、それを扉を開けるように引っ張る。
すると、レバーとボタンが複数出てくる。
「スタンドレバー!オン!」
1番左のレバーを引くと……
「うわっ!?なんだ?!急に足元が!?」
勇の足元から台が出る。高さ40cm程になったくらいで動きが止まる。
「次に……花!」
「はい!防壁空間!」
花が魔法で大きな半球形の障壁を作り出し、台を包み込む。
「わっ、すごっ!天上ギリギリまで空間が!」
(すげぇ……出会ってない間にこんな魔法まで!花と戦うのも、もっと楽しみになってきた……!
再会できただけでもめちゃくちゃ嬉しいけど、あいつがこんなに魔法を持ってるなら、黒皇はめちゃくちゃ強くなってるんだろーな……)
「よし!負けてられねぇ!やるぞっ!」
「じゃあ準備が整ったところで!ドームの中に入ってくれ!」
「はい!」
黒皇が自信に満ちた表情をしながらドームの中に入り、構える。
「へへっ……久しぶりに本気でいけそうだ……!」
「それは……俺もだ!
オーラの出し方、覚えてるよな?」
「もちろん!手を握って、目を閉じて……集中!腹に力を込めて……一気に開放!はぁっ!!」
叫んだ瞬間、勇の周りに白いオーラが出る。
「よしっ!じゃあ俺も!
はぁぁぁっ!!」
同じように行うと、黒皇の周りに黒いオーラが出る。
〜オーラとは?〜
オーラとは、体内に流れるエネルギーのことである。
常人は見ることができず、特定の行動・修行をクリアしなければ、視認したり、発動させることができない。
オーラを発動させる事により、発動者の中にある「力」を開放させることができる。
さらに、オーラを使いこなすと「オーラボール」というオーラの球体を作り出すことができ、「相手を攻撃する」という意思がなければ、通常のボールとして扱うことができる。
他にも防御壁を作ることや、エネルギー上にし光線(オーラ、ビーム、ブラスト、キャノン等)を放ったりなど、多彩に扱うことができる。
属性もあり、それによって得意・不利がある。
基本は「無」属性だが、修行をこなすことで色が付き、その色によって属性が判明する。
(例:赤系→火属性など 青系→水、氷属性など)
中には、その人にしかない特殊な属性も存在している。
「おおっ……!!ふたりとも気合が入りまくっているな!
それではこれより、戦闘試験を開始する!台の外に出たらアウトだ!よーい、始め!!」
「ふうっ……はっ!」
助走をつけ黒皇に突撃。
そのまま殴りかかろうとする。
(これは……頭らへんか!へっ、やっぱりお前は分かりやすいぜ!)
頭の周りをガードしようと、腕をバツ字に交差させる。しかし……
「おりゃあっ!!」
予想は外れ、腹にパンチを喰らう。
「ぐうっ……!?がはぁっ!!」
あまりの強さに唾を吐き、後退してしまう。
(いきなり……腹パンかよ……!?だったら、こっちもあれを……!)
「ダーク・ゾーン!」
「な、なんだ!?何も見えなく……!」
勇の周りにフィールドを発生させる。
だんだん周りが暗くなっていき、何も見えなくなる。
「何処だ……あいつは……!?」
「ハッ!」
「うっ……!」
「ダッ!!」
「うわあっ……!!」
対応しようとしても見えず、ただ戸惑いながら連撃を喰らうしか出来なかった。
「くっ!ダメだ……暗くて見つかりようがない……!!」
「ダァッ!!」
(勇、お前がああするなら……こっちも負けさせる勢いで行くぜーっ!)
「ぐうっ!!落ち着け……」
(……そうだ、目をつぶって……集中するんだ!そうすれば……)
勇は目をつぶり、意識を集中させる。
(集中して……いる場所を見つけるんだ!)
集中していたその時。後ろに黒皇がいるのを感じた。
(!ここだ……!ここに黒皇はいる!!やるしかない!!)
そう思った勇は、拳を後ろに振りながら叫ぶ。
「おりゃあぁぁぁっ!!」
「ぐぅぅっ……!?おおぁぁっ……!!」
当たった感触がし、目を開けると
拳が黒皇の頬にめり込んでいる。
「うぉぉぉっ!!でぇりゃぁぁっ!!」
そのまま拳にオーラを集中させ押し込み、吹っ飛ばす。
「ぐわぁぁっ!!」
(……やっぱりお前は強いぜ……そうか……またあの時みたいに、一緒に……へへっ、これからが楽しみ……だぜ……)
そのまま場外。
「そこまで!担当者場外のため、試験合格とする。」
「ダァッ……ダァッ……やっ……たあっ……」
汗をかき、激しく吐息を漏らしながら、手を膝に付ける。
「勇。手紙を送った時点で、もう生徒として認めてはいたが……
改めて任命しよう。
明日からは、この学校の生徒だ!
入学おめでとう。」
「……!はいっ!ありがとうございます!」
こみ上げてくる嬉しさ。仲間との再会に、長年夢見ていた学校への入学……
満面の笑みを浮かべながら、勇は元気よく返事をした。
──帰り道にて──
「はあっ……疲れた……」
疲労を感じながらビルへと向かう。
早く帰って夕食を食べ、風呂に入り寝たい……
そんな気持ちでビルへ。
「ついた……ただいま〜……
……あれ?美華さん?みんな?」
明かりがついているものの、誰もいない。
「2、それか3階?いや、そんなわけ……
なら4階?それとも……?
うーん、考えても仕方ないし、とりあえず……」
不思議に思いながらもエレベーターに向かう。
「エレベーター……
えっ、こんな時に……?!」
前に「点検中」と書かれた看板が立っていた。
「いつもなら動いてるんだけどなぁ……
なら、階段に……」
階段前に移動するも、何故か寒気を感じた。
「なんか少し怖い気がする……
ま、まさか何かが……!な、なわけねーよな……」
いつもは明かりがついてるはずの階段。
だが電気がついていない。
時刻は午後4時。まだ明るいはずのに、何故か怖い。
「こ、こんな程度でびびってられるか!
俺は進むぞ!う、うおおっ!」
怖さをかき消そうと、叫びながら駆け上がる。
「はぁっ……はぁっ……ついた……
よしっ。まずはここから……!
……電気がついてない……やっぱ誰もいないよな〜……」
運動館に入ろうとしたものの、明かりがついておらず、再び階段を上がり5階に移動した。
「今の時間帯なら多分ここに……もしここに居なきゃ……いや、まさかそんな訳は……ねーよな……?」
不安になりながらも食事部屋に入る。
「う、嘘……」
自動ドアは開くものの、明かりが付いていない。
思った通りになりそうで、勇は唖然したままドアの前で数秒立ち止まってしまう。
「ち、違う……そんなまさか!いや、絶対上にいるはず! 居なくなるなんて……ある……わけが……」
少し悲しそうな表情をしながら、後ろを向き6階に行こうとすると……
「うおっ!?」
急に明かりがつき、「パン!パァン!」というクラッカーの音がが部屋全体に響きわたる。
「勇様。」
「勇!」
「勇ッ!」
「勇さん!」
「えっ、なんでみんなが……?!
「夢野学園へのご入学……」
「「おめでとう!」」
「「「おめでとうございます!」」」
計34人の声が響きわたる。
「あ、ありがとう!本当に!」
「勇様、お席へ。」
「うんっ!」
真ん中の席へ案内。
テーブルの上には大量の料理と飲み物が置かれている。
「うわぁっ……!美味そう!」
「見ての通り、勇様がお好きなものをすべて用意いたしました。」
「すっげー!じゃあ、ほらっ!みんなも!」
勇の右側に黒皇、その隣に侑希。左側に花、その隣に美華。それ以外の席にメイドと執事がすわる。
「今日の主役は勇様です。いつものように私の号令を待つのではなく、勇様が号令をかけてください。」
微笑みながら言う。
「じゃあ……
ありがとう。俺のために。
どんな誕生日よりも嬉しいよ。
父さんも、黒皇も花もいる。
めちゃくちゃ久しぶりっつうか……
とにかく、まじ嬉しい!
ありがとう!」
「……よし、さっそく手と手を合わせて……せーの!」
「「いただきます!」」
黒皇達と会話を楽しみながら食事をする。
今日はみんな泊まることにした。
みんな気持ちよく寝れたとさ。
「いや~めちゃくちゃ楽しかったぜっ!」
「ああ。ある意味これがお前の入学式ってとこだ! 」
「ふふっ、明日から楽しみですね……♪」
「そうだな!
……よし、寝るか!おやすみ~っ 」
「おやすみ!」
「おやすみなさい……♪」
「っと、……ふぅ……っ……」
勇は2人の声を聞き終わると電話を切り、スマホの電源を落とす。
「楽しみだ…また…みんなで……」
目をゆっくり閉じる。 徐々に寝息が聞こえてきた。
次回!
「ようこそ!夢野学園へ!」
──Dキャラ紹介!──
さて、今回のDキャラは~?こちら!
・闇野黒皇
闇野一族という一族の1人で、勇の親友でありライバル。
漆黒の髪、紫寄りの黒目が特徴な男の子で、運動が得意。
幼少期に夢野ビルに行ったことをきっかけに、勇と友達になる。
持ち前の気合で、どんな恐怖にも恐れず立ち向かうことができる。