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兆兆発止 第2部 学園戦争  作者: ぱんろう
粛清委員会編
40/109

40話:復讐の炎

いつものように放課後、善永は誰もいない廊下を、ただ一人歩いていた。

(あの日、一太さんと本田さんをやったのは、間違いなく…山南恵南!あいつだ!)

善永は、パイロキネシスの山南が犯人であると断定していた。

(さあ、今の俺は一人だぜ?どこからでもこい!)

そして、彼の攻撃を誘い込むために、あえて一人になっていたのだった。そのとき、どこからともなく炎の弾が飛んできた。

「きたな!」

善永は、目をつむり、テレポートビジョンを発動する。炎の弾を仕掛けた犯人を見つけるためだ。善永は炎の弾から逃げつつ、犯人を探す。

(炎の弾は、俺を追跡している。間違いなく、俺を視界に捉えられる位置にいるはずだ!)

しかし、善永がいる位置から半径50m以内では、その犯人を見つけ出すことができなかった。

「馬鹿な!なぜ炎の弾は、俺を追える!」

善永はとにかく走り回り、炎の弾をかわし続ける。すると、早明浦が歩いているのが見えた。

(しめた!あいつに押しつけてやろう!)

「早明浦!」

善永に呼びかけられた早明浦が反応する。

「おう、よしな…ん!?」

善永は、早明浦の横を通り抜ける。

「頼んだぞ!早明浦!」

しかし、炎の弾は、早明浦を避けて、善永を追いかけてくる。

「嘘だろ!?」

「それはこっちのセリフだ!お前、俺を身代わりにしようとしただろ!」

善永は再び走り回る。途中で数人の生徒とすれ違ったが、善永のことを見て見ぬふりしていた。

「ありゃきっと、生徒会を怒らせたんだよ…関わると危険だぜ。」

「だな。」

炎の弾が器用に善永を追いかけ続ける。


(もしかして、相手は2人か!?山南の他に、敵を探知する兆能力を持っている奴がいる!)


善永は、走り回りながら、もう一人の敵がいる可能性を考えた。

「ならば!」

善永は中庭に出た。八ッ場がいつものように、小池に釣り糸を垂らしていた。

「おっす、善永。廊下は走るなよ。」

「八ッ場!俺を釣って、体育館裏にリリースしてくれ!」

「ん?…ん!?」

八ッ場は、善永を追いかけている炎の弾を見て、異常を感じたようだ。善永に言われた通りに、エニィウェア・フィッシングを発動した。善永は釣り針を掴み、急いで釣り糸を手繰り寄せる。それと同時に、八ッ場が勢いよく釣り竿を振るった。


「うああ!」

善永は、体育館裏にリリースされた。しゅたっと着地した善永は、辺りを見回す。炎の弾はやってきていない。

「ふっ。甘かったな、山南。」

そのとき、炎の弾が飛んできているのが見えた。

「なんだと!?まだ追いかけてこられるのか!?」

善永は再び走ることになった。

(おいおい!こっちはクイズ研究会だぞ!そんなに走れないぜ!)

善永は走りながらも考える。

(てっきり、テレポートビジョンのように、目で俺を索敵しているのかと思ったが…どうやらそうではないらしい!)

善永はグラウンドの方に向かう。

(音?いや、そうとは思えん…まさか!心拍数か!?確か、それを測る兆能力あったよな!)

善永はグラウンドに目をやる。そこには、男子サッカー部や陸上部が活動しているのが見える。

(俺以外にも走っているのがいる…心拍数だけで俺を特定するのは難しいな…ちくしょう!全くわからん!)

「あれ?何やってんだ?善永!」

声をかけてきた男がいた。男子サッカー部にも所属している黒部だ。黒部が善永と並走し始める。

「黒部!この炎の弾なんだが、お前のアンチ・スケープゴートでどうにかしてくれないか!?」

「難しい!そのレベルの炎の弾は、相手に押しつけるには威力が高すぎる!」

「くそっ!そうだ!お前ならわかるかもしれん!相手を索敵できる兆能力ってどんなのがある!?」

善永は、息を切らしながらも黒部に尋ねる。


「すまん!兆能力に関しては、俺もあまり詳しくなくてな!だが、この状況を考慮するに、嗅覚が怪しい!」


善永の挑戦状:心拍数の状態で、通常より速くなることを頻脈といいますが、通常よりも遅くなることを何という?


前回の『善永の挑戦状』答え:砂の美術館

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