23話:運命のプレイボール
早明浦が目を見張る。
「ひえー、なんて人数だ!やっぱり、野球部は多いんだな!」
横にいた本田も同調する。
「ああ!あの中から、特に強い者たちが俺たちの相手だ!」
『これで、部員全員が揃いました!ここで、ポジションの発表も兼ねて、選手の紹介といきましょう!』
クイズ研究会
ピッチャー:斎藤一太 兆能力:マッドユーザー
キャッチャー:黒部武蔵 兆能力:アンチ・スケープゴート
ファースト:本田志賀之助 兆能力:摸地模致
セカンド:宮ケ瀬桜 兆能力:ブルーム・ファウンテン
サード:早明浦鈴之助 兆能力:エレクトリック・ショック
ショート:篠原牛滋 兆能力:ペインティング
レフト:三田荘介 兆能力:ハイパーウィップ
センター:川路善永 兆能力:テレポートビジョン
ライト:八ッ場丁三郎 兆能力:エニィウェア・フィッシング
野球部
ピッチャー:骨川力
キャッチャー:永井七尾
ファースト:赤坂美登利
セカンド:半崎保
サード:三矢鈍
ショート:鎗田鎌霧
レフト:石山高
センター:芦屋丹治
ライト:ホセ・アロマ
「山南の名前が無い!」
選手紹介を聞いて、善永が驚いている。八ッ場が言った。
「あいつは後半から出ることが多い。力を温存するためだ。」
「なるほどな…想像以上に本気だな。」
紹介されたメンバーが一列に並び、試合の挨拶をする。山南以外の野球部員は知らないため、特にやりとりは無かったが、善永たちは相手の圧を強く感じていた。
試合の開始が近づいていた。そわそわしながらメンバーが集まっている。
「円陣を組もうぜ!」
荘介の提案に皆が賛成し、なぎさも含めて円陣を組んだ。善永が大きな声で言う。
「絶対に勝つぞ!」
「「「「「「「「「おーーーーー!!」」」」」」」」」
先攻はクイズ研究会だ。野球部チームが守備についている。黒部が皆に言った。
「いいか!作戦通りにやれば、勝てる!」
「相手は俺たちの兆能力を知らない。よって、初見殺しで点数を稼ぎ、後は守備を頑張るのがいいだろう。よって、最初は確実に進塁する!」
という、黒部が思いついた作戦を、皆が思い出していた。
そして、一人目のバッターが打席に立った。
『クイズ研究会!一人目のバッターは早明浦さんだ!』
早明浦は元気よく素振りをしていた。
「さあ、どこからでもこい!…って、あれ?おい!ピッチャーがいないぞ!」
他の守備が立っている中、肝心のピッチャーがいない。そのとき、音楽が流れだした。聞き覚えのあるメロディーだ。
「TM NETWORKの『Get Wild』だ!」
グラウンドに宇都宮隆の歌声が響く。そして、眼鏡をかけた野球部員が、歓声に迎えられながら、マウンドに向かっているのが見えた。
『お馴染みの音楽と共に、やってきました!ピッチャー、骨川力さん!その剛速球と正確なコントロールから、別名『兆栄高校の掃除屋』!』
『えーと、最高で160km/h出しています!かなりの剛速球を投げてきますよ!クイズ研究会、対応できるか!』
「かっこいい登場じゃねーか!」
早明浦は興奮している。骨川がボールを手に持ちながら、マウンドに立つ。骨川は、早明浦を見てにやりとした。対抗するように、早明浦も笑う。そして、持っていたバットをレフトスタンドの方に向けた。
『おーっとぉ!早明浦さん!一打席目からホームラン予告だ!』
「馬鹿!お前はとりあえず塁に出ればいいんだよ!目立とうとすんな!」
黒部が頭を抱えていた。
「黒部、あいつはそういう男なんだ。」
善永が目をつむった状態で言っていた。テレポートビジョンを発動しているようだ。
(さて…相手の兆能力を知らないのは、こっちも同じこと…八ッ場の野郎、ろくに部員も覚えていないからな!少なくとも一回表でおおよそ知ることができればいいが…)
善永は、グラウンドを俯瞰できる位置に視界を設置して、相手の兆能力を把握しようとしていた。
ピッチャーの骨川がボールを手に持って、構えている。早明浦もバットを構える。緊張した空気感が流れる。
「プレイボール!」
球審が試合開始の合図をする。
「空き樽は音が高いってな!」
早明浦を馬鹿にしながら、骨川がボールを全力で投げる。かなりの剛速球だ。早明浦はなぜか余裕の表情だ。
(ふふっ!このバットはプラスに帯電させた!そして、今度はボールをプラスに帯電させる!プラスとプラスの斥力でホームランにしてやる!)
剛速球のボールが飛んできている。早明浦はボールに合わせてバットを勢いよく振った。斥力によってボールが飛んでいき、レフトスタンドに向かっていく。
善永の挑戦状:空っぽの樽を叩けば大きな音がすることに由来する、中身のない人ほどよくしゃべることをたとえたことわざは何?
前回の『善永の挑戦状』答え:釣り




