14話:兆次元サッカー
「この学校全体だと!?それじゃあ、兆能力は…」
荘介が動揺している。宮ケ瀬は答える。
「もちろん、ありですわ!」
「お前!校舎の方にはオーラ感知機が…!まさか!」
善永は何かに気づく。
「つまり、兆能力を使えるかどうか、それを見極めることが重要ってわけか…!」
「流石、善永様ですわ!理解が早い!」
宮ケ瀬は手を叩いている。荘介が呆れながら言った。
「おいおい、普通にグラウンドでやろうぜ…」
「何おっしゃってますの!使えるか使えないか、ハラハラしながらやるのが楽しいのでしょうが!」
善永と荘介がため息をつく。
「そのハラハラってのが嫌なんだよ…今まで、どれだけ痛い目に遭ってきたと思うんだ。お前のせいで。」
やる気を無くしていた2人に、宮ケ瀬がある物を見せる。それは手鏡であった。
「鏡!」
「2人とも、よくって?もし、逃げるのであれば、これをなぎささんに…」
「わかった!やろう!やればいいんだろ!?」
2人は果たし状が届いたとき以上に動揺している。それを黒部が不思議がる。
「何を怯えているんだ?鏡に。」
「黙ってろ!さっさとやるぞ!」
それを聞いて、宮ケ瀬は嬉しそうな顔をする。ボールに足を乗せ、口を開いた。
「ショットクロックは10秒。つまり、ボールを保持してから10秒後に、相方にパスしなければなりませんわ。ゴールは、正門と裏門にしましょう。私たちが正門で、あなたたちが裏門ですわ。」
「ツッコミどころがありすぎるが…急を要する…いいぜ!キックオフといこう!」
宮ケ瀬はにやっとした。そして、右足の内側でボールを蹴った。インサイドキックだ。
「黒部!」
ボールは黒部の方に飛んでいく。黒部はボールを華麗に受け止め、裏門がある方角に走っていく。
(現在位置はグラウンド…正面には校舎が見える。右に向かえば正門、左に向かえば裏門!まずは、奴のボールを奪う!グラウンドなら兆能力を使える!)
善永は青色のオーラを発生させながら、黒部の方に向かう。しかし、その頃には、黒部はボールを宮ケ瀬にパスしていた。
(させるか!)
『アイビーム』
宮ケ瀬めがけてビームを発射した。女性相手でも容赦なしである。
「きゃっ!」
宮ケ瀬はビームを華麗にかわしながら、ボールを足で受け止める。
「もう!強引ですわ!その強引さは、私への攻撃ではなく、アタックに使ってくださいまし!」
「いちいちうるせーな…荘介!俺はあの女に攻撃する!お前は男の方をマークだ!」
「おう!」
荘介は黒部の方をマークしていた。
「素晴らしいマークですわ!でも、これを受け止められまして?」
宮ケ瀬が青色のオーラを発する。それを見て善永は驚く。
「お前、兆能力がレベル2になったのか!」
宮ケ瀬の周りに花びらが舞っている。そして、全力のキックをボールにぶつける。ボールはとんでもないスピードで、花びらを舞わせながら、黒部の方に飛んでいく。
「『ブロッサムシュート』!」
(『ブルーム・ファウンテン』!奴が操る花びらは、皮膚を容易に切り裂く!)
荘介は花びらを恐れ、飛んできたボールをかわした。
「へっ、甘ちゃんが!」
黒部はそのボールを難なく胸でトラップしてみせた。よく見ると兆能力を発動している。青色のオーラが揺れ動いているのだ。
「あのボールを受け止めたのか!?」
2人は驚いていた。善永は荘介に言う。
「荘介!お前も兆能力を使え!」
「ああ!ちょうど発動しようと思っていたところだ!」
荘介もオーラを発生させようとする。が、
「いいのかしら?校舎が近いけど?」
「!」
(しまった!こんな所まで来てたのか!攻撃に集中していて気がつかなかった!)
4人は、校舎に近づいていた。この校舎の中庭を通って右を曲がれば、正門だ。宮ケ瀬や黒部はオーラを消滅させていた。善永も兆能力を解除する。
黒部と宮ケ瀬は華麗なパスの応酬で、確実に正門の方へ向かっていった。
善永の挑戦状:「21世紀への贈り物」というキャッチフレーズがある、神奈川県の相模川水系中津川に建設されたダムは何?
前回の『善永の挑戦状』答え:ガルリ・カスパロフ




