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13話:果たし状

「大変だ!」

本田との対決があった次の日、何かを持った荘介が焦った様子で部室に入ってきた。その日の部室には、善永と一太がいた。

「どうした?」

荘介が部室内を見回す。

「なぎさ、見なかったか!?」

「そういえば、放課後になってから見てないな。」

「やはり!…善永!これを見ろ!」

荘介は持っていた物を善永に渡す。それはくしゃくしゃの紙だった。

「なんだよ?」

「いいから!書いてあること読め!」

善永は紙に書かれていた内容を音読する。


雪代なぎさは我々が預かった。返してほしくば、グラウンドの倉庫前に来い。ただし、来るのは三田荘介と川路善永様だけだ。


「果たし状ですね!」

一太が口を開く。善永は持っていた紙をくしゃくしゃにする。

「なんて野郎だ!なぎさを巻き込むなんて!あまつさえ、人質にするとは!」

「わかっただろ!今すぐ向かおう!」

「ああ!」

善永は持っていた紙を捨て、荘介と共に、急いで部室を後にする。捨てられた紙を、一太が拾った。

「それにしても、善永君を様づけとは…相当惚れてますね。」


2人は指定された場所に着いた。しかし、誰かがいる様子はない。

「おい!来たぞ!出てこい!」

善永が叫んだのを聞いて、一人の男子生徒が出てきた。

「約束通り来たな。」

その生徒はサッカーボールを持っていた。

「サッカー部か…!」


「いかにも!男子サッカー部一年、MFの黒部武蔵!そのあまりに有能すぎる指揮から、チームメイトはこう呼ぶ…『サッカー界のカスパロフ』と!」


善永は怒鳴りつける。

「んなことどうでもいい!なぎさはどこだ!」

「落ち着けよ。返してやるさ。俺たちにサッカー対決で勝ったらな。」

「この人数でか?2対1だぞ?」

黒部は、鼻で笑いながら、ボールをどこかに向かって蹴る。そのボールは、一人の女子生徒が胸のトラップで受け止めた。2人はその生徒の方を見る。

「「げ!お前は!」」

2人はその生徒を知っているようだった。

「宮ケ瀬桜!」

その女子生徒は宮ケ瀬とのことだ。宮ケ瀬は、お嬢様のような高笑いをしている。

「おーほっほっほっほ!お久しぶりですわ!荘介!善永様!」

「全く…会いたくなかったぜ!」

善永は吐き捨てるように言った。

「そんな冷たいこと…でも、そんな善永様も素敵!」

「勘弁してくれよ…」

善永は頭を痛めている。黒部が口を開いた。

「宮ケ瀬!説明を頼むぜ!」

「ええ!これは、男子サッカー部と女子サッカー部からの挑戦状ですってよ!」

「なんだと?」

「これから、2対2のサッカー対決をしますわ!」

「わかったよ…」

善永は即答した。親指でグラウンドを指しながら言った。

「さっさとやろうぜ。そして、なぎさを返してもらう!」

宮ケ瀬が笑った。

「善永様、そんなに焦らないでくださいまし!フィールドは…」

宮ケ瀬は少し間を置いて言った。


「この学校全体ですわ!」


善永の挑戦状:1997年にコンピュータのディープ・ブルーと対局して敗れた、15年もの間チェスの世界チャンピオンのタイトルを保持していたチェスプレイヤーは誰?


前回の『善永の挑戦状』答え:居反り

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