第八話 ドラゴン襲来(中編)
前編のあらすじ(およそ13秒で分かる)
突如、となり街に現れた一万の魔物から街を守るため、一条薫が村を出たタイミングを狙って
襲来した<黒龍>から村を守るため蓮は奏と共に、勝算無しの戦闘が始まった!
「ちぃ、ほらかかって来いよ!トカゲ!」
<黒龍>の注意を引くため五一式でドラゴンの目に向けて射撃!
<銃器>レベルが低かったため、狙った目には当たらなかったがドラゴンは俺に気づく。
「ギャゴゴオオオ!!!」
「よっしゃ!」
ドラゴンの注意を引いた俺は、全速力で逃げた。理由は二つ。一つ目は村の被害を少なくするため。
二つ目は、
「単純に、戦ったところで勝てないから!」
さっきからドラゴンの殺気と家を凪ぎ払う音が背後から聞こえてきて、
もう泣きそうだった。
「レベル1000以上とかチートだろ、運営...」
異世界に存在する神様に文句を言いながら、ひたすら逃げ回る。
だが、
「ぜぇ、ぜぇ、あっやべっ」
レベル2程度の子どもの身体の体力では逃げ続けるなどできるはずもなく、
近場にあった川の近くで精一杯だった。
「くっそ...」
ドラゴンはゆっくりと口を開けて、俺を呑み込もうとする。
その油断が命取り。
「やれ!奏」
俺の言葉に反応したドラゴンだったが、遅い。
「姉さまが居ないからって、調子乗ってんじゃねぇ」
あれ?奏の方がカッコいいだけど...
そんな呆然としている俺に気づかず奏は、トラップを発動した。
奏の起動したトラップは魔術式捕獲装置。
村の普通は魚を捕まえるだけの装置だが、
「奏の<高速術式演算・構築>で改竄した」
奏のスキルは魔術師としては破格の力だ。
「どーだ、トカゲ。たかが人と侮って、油断したのがテメーの敗因だ」
だから、めちゃくちゃカッコいいだけど。
「...くっ、くっ、くっ、そうかぁ。ならば侮らず戦ってやろう」
はっ?ドラゴンがしゃべった?と思った瞬間破壊される捕獲装置。
そして奏を庇ってドラゴンの尻尾に凪ぎ払われ、俺の意識は途切れた...