微笑み57
アレから自宅に戻るとリンとカイはシオンに、小一時間ほどお説教を受けて部屋に戻った。
「シクシク、お姉様の為にとやったのに………」
「だから止めておけばよかったのに」
膝を抱えて泣くリンをカイは深いため息をついて、やれやれと言った。
「でも、レオン様は素敵だったかも♪シオンお姉様が選ばなかったら私が貰っても良いかしら?」
少しミーハーでチョロインのリンは顔を赤めて言った。
「全然懲りてないじゃん………でも、レオン先輩はカッコよかったなぁ~~」
初めて苦労を共感してくれたレオンにカイの好感度も爆上がりだった。
「レオン様はセーラ王女のお兄様だし、セーラお姉様を『義姉様』と呼ぶのもいいかも♪」
「カイ先輩を『義兄』と呼べるのもいいなぁ~」
完璧な姉シオンと、やらかし系姉リンを持つカイはアニキに飢えていた。
「よし!それじゃ、シオン姉とレオン先輩をくっつける作戦を立てるぞ!」
「そうね!ダメだったら私が、貰うから次善策も立ててよね」
珍しくカイが主導で2人をくっつけよう作戦の会議が夜遅くまで開かれるのだった。
ハクション!
ゾクッ
「なんだろう?悪寒が走ったような?」
シオンの受難は始まったばかりである。
次の日になり、シオンは学校に届け出を出して、リンとカイを体験入学させた。
本来は個人での学校の下見など受付していなく、特定の時期に同年代の子供たちを、集団で学園ツアーをしていたのだが、フレイムハート家という高位貴族の申し出のため特別に許可がでたのだ。
ワイワイ
ガヤガヤ
同じクラスのクラスメイトに囲まれていた。
「アワワワ…………」
大勢の人間に囲まれる事など今まで無い経験だったので、クラスメイトの質問攻めにあいながら目を回していた。
「あらあら大人気ですね~」
「そうよね~私もシオンにソックリな妹が欲しいもの♪」
「ってか、アレ放っといて良いの?」
ユーリとセーラがシオンをみて尋ねるが───
「………大丈夫。これも経験」
かつて自分も同じ目に合ったことがあるので、イタズラの罰も含めてシオンは放置を決めていた。
クラスの隅でイケメンズ達が何とも言えない表情でその集団を見ていた。
『朝、シオンに謝られたがまさかシオンの妹だったとは………なんて事だ……』
『シオンにしては大胆だったと思ったが、妹とは予想外だった。クソッ、事前に調べてシオンに妹弟がいることは知っていたのに!』
『シオンに嫌われた………もう終わりだ……』
三者三様に複雑な気持ちを抱えていた。
ホームルームが終わり、授業が始まると、流石にクラスメイトの囲いは無くなったが、次の休み時間になると他のクラスの生徒もシオンの妹弟を見ようと教室に押しかけるようになった。
「お、お姉様~助けて~」
リンは涙目で訴えるが───
「ダメ。今日1日は我慢だよ」
意外とシオンは厳しいのだった。
「これからは余りハメを外さないようにしようね」
「ええ、シオンさんを怒らせると怖いという事が身にしみてわかりましたわ」
セーラとユーリも申し訳なさそうに見つめるしか出来ないのでした。
愚者の声
「怒らせると怖い………地味に効いてくるね」
シオン
「これも家族愛ですわ♪」
愚者の声
「僕のいじられは?」
シオン
「えっ?」
愚者の声
「何いってんだコイツみたいな顔やめてーーーー!!!!」




