微笑み56
シュンと落ち込むリンちゃんに再度セーラとユーリが代わりに謝った。
「お兄様、本当にごめんなさい。悪いのは全て私なんです。どうかリンちゃんだけは許して下さい!」
「私もこんなにレオン王子が怒るとは思ってなかったの。悪ノリが過ぎました。ごめんなさい!」
レオンは2人をみながら、またため息を付いて事情を尋ねた。
「気になっていたんだが、こっちにいる男性は誰なんだ?」
「は、初めまして!僕はカイ・クロス・フレイムハートと言います。シオン姉の弟です」
レオンに恐怖し、緊張しながら返事をした。
「へぇ~?シオンの弟なのか。シオンから兄妹の話を聞いたことが無かったから驚いたよ」
「シオン姉は基本的に無口ですからね。でも、いつも僕達の事を気遣ってくれているのはわかっています。自慢の姉です!」
自信を持って答えたカイはチラッとリンを見て視線を逸らした。
レオンもそれを見て察したのか肩に手を置いて助言した。
「………なんだか親近感があるな。何か困った事があればいつでも相談してくれ。お互いに困った妹や姉がいると苦労するからな」
「わかってくれますか!」
苦労人のカイは、レオンをキラキラした目でみた。
「これからはレオン先輩と呼ばせてください!」
「ああ、別に良いが………」
カイは頼りになる義兄を見つけるのだった。
「ほら、もう怒ってないから泣き止め」
レオンはリンの頭をポンポンッと軽く叩きながら言った。
「な、泣いてなんかないもん!」
リンは顔を赤くしながら反論した。
「…………へぇ?リンちゃんを泣かせたんだ?」
ゾクッ!?
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ギギギギッと壊れたオモチャの様にゆっくりと後ろを見ると、本物のシオンが立っていた。
「し、シオン!?本物!?」
シオンから黒いオーラの様なものが立ち昇っていた。
「なんとなく状況がわかるけど………リンちゃんがレオンに悪戯して怒られたって所かな?」
「そうだけど、シオンはどうしてここに?」
「帰る途中で、私が喫茶店に居なかった?って、クラスメイトに言われたの。気になって戻ってきた所だよ」
ゴゴゴゴッ…………
「お、お姉様?怒ってる?」
ビクビクしながらリンが尋ねるとシオンは頷いた。
「………ここ最近、何をしたのか言いなさい」
静かな声だったが、腕を組んでゴゴゴゴッというエフェクトが聴こえてくるような圧があった。
リンはカイを交えてカクカクシカジカと、自供を始めた。
「シオン!ごめんなさい!私達が悪ノリしたのが悪いの!リンちゃんを余り叱らないで!?」
セーラとユーリも頭を下げた。
「正座………」
「「えっ?」」
「みんな正座しなさい」
はいっ!とっ、屋上にいた全員が一列になって正座した。
「リンちゃん、明日になったらイタズラしたみんなに謝ること。いいわね?」
「はいっ!」
「それと、レオン様にはまずはお詫びを。私の妹がご迷惑をお掛けして申し訳ありませんでした」
シオンはレオンに頭を下げた。レオンも正座しているのだが………
「いや、別に気にしてないから──」
「でも!大切な妹を泣かせた事は許しませんよ?」
え゛!?
「シオン姉!レオン先輩は悪くないです!」
カイが珍しく反論した。
「えっ、カイ?ってかレオン先輩???」
シオンはジトーーーとレオンをみた。
「妹を泣かせたくせに、カイとは凄く仲が良くなったみたいね?」
「いや、俺はべつに!?」
「とにかく、今日は帰るよ」
シオンはレオンを無視して、リンとカイを立ち上がらせて連れて帰った。
後には真っ白になったレオンのみが屋上へ残るのだった。
「………シオンに嫌われた」
(泣)
「これはお兄様が哀れ過ぎますわね………」
「うん、少し責任があるしね」
セーラユーリもシオンの誤解を解いて置くからねと、レオンの肩を叩くのだった。
愚者の声
「ついにイタズラがバレちゃったね~」
シオン
「仕方がないですわ」
愚者の声
「おっ?ついにシオンも妹ちゃんを怒るのかな?」
シオン
「そうですわね。絶技!私の妹は可愛い♪可愛い♪頬ずりの刑にしますわ!」
愚者の声
「えっ、ナニソレ!?ご褒美じゃないですかーーーー!!!!」




