メイド 仕事をする
「やべー、ガチャめっちゃ故障した なんでかな 爆発みたいな演出出たことないや・・・修理に出しておこ」
そんな神様の独り言は虚空に消えた
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こんにちはみなさま 私はメイドとして異世界に産み落とされました
もう少しかみ砕いて言えば、下級貴族で、たいして復興していない田舎町をまとめる貴族のところどころ隙間風をふかせるくらいで毎日の食べ物がかぴかぴになったパンと野菜スープしかなく
森は周りを囲む、荒れ果てており、兵士はゴブリン退治しかしたことがなく、
メイドといえばメイド長と私二人でどうにかやって言ってる始末です
「ガチャでR引いたとはいえここまでひどい土地に来るなんて聞いてない!」
まだまだ私が確認できていないひどさはあるだろうけど一息で説明するのはこれくらいあります
私は栄養失調で死んだところを入れ替わるように生まれ変わったメイドで、目を開けた時にはメイド長が涙流して喜んでいました
「ユーリ、よく耐えました、ご主人様がなけなしの金で食料を分けてもらってきましたよ」
皴が深く掘られた顔と、よく働いてぼろぼろの指で温かい野菜スープに少しの肉が入ったものをいただいたとき私は、この食糧難をどうにかしなければと考えたが、スライムでどうしたらいいのか、と頭を悩ませた
体が動かない間、掃除が行き届いてないのをどうにかしようとスライムを一匹召喚し、蜘蛛の巣やほこりなど汚れが目に付いた
「うーん、スライムで掃除したりできないかな、ほこり食べれる?」
そういうとスライムはふるりとふるわせて部屋中を動いてルンバみたいに動いてほこりを吸収していった
「もしかして、床やかべの汚れも食べれたりする?」
そういうと今度は床板の汚れをどんどんきれいに食べていく
もしかしてスライム メイドと相性がいいのでは
「よし、部屋中のよごれをたべちゃって!人が来たら隠れてね」
わたしはスライムに部屋中の汚れを食べるように命令した
「これで、隙間風をどうにかしないとなぁ」
薄い毛布をかぶりながら、ぼーっとしていると食事を運ぶために部屋へ入ってきたメイド長は驚いた
「ユーリ、体調悪いのに掃除をしたのですか?」
「はい、少し体を動かさないと体に悪いですから」
「まぁ、ユーリ素晴らしいことですけれど、まず体を元気にすることが大事です」
「はい、メイド長、早く体を治して見せます」
私はメイド長から出されたスープを飲んで明日から何をしようかと天井を見つめた
次の日目が覚めて、部屋から出て屋敷内をうろうろしていると一人くすぶれた色のドレスを着ていた夫人を見つけた
私は人見知りなので隠れようとしたら夫人のほうから近づいて声をかけてくれた
「ユーリ、元気になったのね、よかったわ・・・」
ほっとしている夫人は、褐色がよくなくすごく白い肌をしていた
貴族でも食べられていないのだろうかと頭低くして、お礼の言葉を継げる
「ご主人様のお心遣いありがとうございます。この通り元気になりました」
「えぇ、無理せずよろしくお願いいたします」
そういうと音を立てずに廊下を歩いて行った
夫人の顔はとても暗く、私はすごい問題を抱えているのだろうかとまぁすぐに没落しないよねと軽く考えていたが、そのあと没落寸前だと知るのはもう少し先だった
わたしの仕事は、ありとあらゆる雑用だった 私がいない間どうしたのだろうと思ったけど、住んでいるウルーウェル家の世話をしているだけで手いっぱいだった
体力がないわたしにはスライムはとても便利だった
水を含んで移動できるため重たい井戸の移動をそんなにしなくてよかったし、
食器洗いはすべてスライムがやってくれて、屋敷の掃除もほとんどスライムに命令して汚れを吸収できるために、メイドがいきなり働きまくっていて驚かれた
庭も広かったが、表の人目が付きそうなきれいなところしか行き届いてなく、蜘蛛の巣のように雑草処理が追い付いていなかった
これも私がまず雑草から処理することを命令したらスライムがするすると食べて吸収していった
するとスライムが二匹に分裂して緑色のスライムが増えた
「えっスライムって増えるの」
するとレベル2という数字が見えて 属性 草タイプ というのが見えた
「草タイプ?もしかして葉っぱカッターみたいなことできる・・?あの枝切り落としてみて」
私がそういうと生えすぎた枝を狙って切り落とした その枝も吸収していった
「おお、この庭木をいい感じにできる、よしっ」
草スライムを利用して、雑草処理をし、好き勝手生えていた蔦を処理し、庭木を綺麗に整えていくと
庭の半分を終わるころにはスライムが5体増えていた
貴族の身の回りのことはほとんどメイド長の仕事で、夕暮れになるころ、気になって私のほうに足を運んできたメイド長は目を見張るような働きぶりにまるで騙されたように目をぱちぱちさせていた
「ユーリ、あなた無理をしていない・・?」
そう言って皴で傷だらけの手を差し出して私の手を握り心配していた
「いえ、メイド長もお疲れ様です」
「私のことはいいのです、ユーリ、夕飯にしましょう」
「はい、メイド長」
嗚呼、今日もかぴかぴのパンと野菜くずのスープかととぼとぼしながら後ろをついて行った
もともとこの屋敷はもう少し使用人がいて、綺麗な屋敷だったらしい 私みたいな使用人に一つ部屋があるのはその名残らしい
食事中にメイド長はいろいろ説明してくれた
この貴族はもともと栄えていたが問題が起きて一つの別荘以外すべて売り払って今の生活になっているとのこと
長男は学園に移動していて、息子と娘、そして父と母という家族構成らしい
まだまだあるそうだが少ないパンと食事ではそんなに聞くことができず、メイド長は夜の仕事をするといって席をたった
わたしはいつかお風呂に入りたいなぁと少ないご飯にお腹をすかせてベッドに横になるのだった